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未来に残したい洋楽&邦楽の名曲

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【Re-Edit】 Didn't We Almost Have It All - Whitney Houston 【80年代バラード】

【Re-Edit】【80年代洋楽バラードの名曲】


Didn't We Almost Have It All






1984年2月4日(土)

「ワタシね、本当はもう諦めかけてたの。『シーナ君にはアロハのメンバーがいるんだから、ワタシなんていなくても、――』ってね。そしたらユカリが、金曜日の夜、電話口でワタシに泣きながら2時間以上もね、ずっと訴え続けていたのよ。――絶対に後悔だけはもうしないで。――本当に欲しいものがあるんなら、大きな声で『それが欲しい』って相手に伝えなきゃ、なにも手になんて入らないんだよ。ってね」

メイは優しげにユカリの寝顔にそういった。――そして、ボクのほうを横目で見つめた。

「――だから、今日の夕方、シーナ君に本当の気持ちを伝えることができた。きっとユカのおかげなんだろうな。……本当の気持ちをいえたからね、ワタシにはもう、なにも後悔することなんてないの。来月、卒業ライブが終わったとき、どんな結果が待っていたとしても構わない。一番いいたかったことを一番訊いて欲しかった人に、ちゃんと伝えられたのだから。――」

夕方、音楽準備室でメイは、はじめて彼女の本当の気持ちをボクに告白してくれたんだ。マレンに対する後悔を心のなかに閉じ込めたまま、どうすることもできなかったボクに、メイは、かつてボクがマレンへ贈った曲を「卒業ライブのとき、みんなの前で歌って欲しい」って、そういっていた。――

【歌ったあとに、シーナ君がなにをどう感じるのかはわからない。でも、シーナ君は絶対に歌うべきだと思う。――もしワタシがそれを聴き終わったとき『絶対に川澄さんには叶わないな』と感じたのならば、ワタシはシーナ君を好きでいることをやめる。でも、歌ったことで、その後悔が少しでも晴れて、『彼女のことを完全に忘れられなかったとしても、シーナ君が先に進められそう』だとワタシ自身そう感じたならば。……

もしワタシがそう感じたのならね、――ワタシはシーナ君を、いまよりもっと好きになる。――もしワタシがそう感じられたのなら、いままでいろんなものを得る前に自分のほうから諦め続けてきたワタシ自身、ちゃんと生まれ変わりたい。……生まれ変わって一番好きなその人に、『一緒にいて欲しい』って、もう一度ちゃんと伝えたいって思ってるの。――】

ボクが、家の玄関を出ようとすると、白いスウェットに薄紫色のカーディガンを羽織ったメイが微笑みながら閑(のど)やかにささやいた。

「そう、さっきユカがいってたこと、――『いつか3人だけで暮らせたら』って話ね、……もしそうなれたらすごい幸せなんだろうなって、ワタシも本当に思ったの。それにね、『シーナ君とワタシがいなければ修学旅行に行く意味なんてなかった』って、ユカがいってたでしょう。――

それもね、本当だったのよ。……たぶんマキコも同じことを感じてたんでしょうけど、……ワタシ、クラスのみんなと旅行に行ってるあいだじゅう、ずっと『シーナ君がいないのなら、旅行になんてきたって仕方なかったな』って、思ってた。どこに行ってもね、ずっとそうだった。たとえほかに何人いようとも、誰と一緒にいようとも、そこにシーナ君がいなければね、ワタシも旅行になんてくる意味なかったんだって、ずっと思ってた。――」

ボクは一瞬、ものすごくメイのことを抱きしめたくなったんだ。それはきっと、今夜のボクらにしてみれば、さほど難しいことではなかったはずだろう。けれど、なぜだか妙に格好つけて最後にはいつだってスマートさを気取ってしまう。――まったくホントにイヤになっちまう。――結局、ボクは彼女に抱いた衝動を「グッ」と堪(こら)え、

「じゃぁ、明日、昼くらいにまたくるからね」

と、メイに別れを告げてから玄関を静かに開け、星明りが灯る氷点下の路地裏へと出ていった。――漆黒の街に点々と浮かびあがった街灯の淡い光はまるで、きめ細やかなヴェールのように向こう側の景色を白く霞(かす)ませている。――ボクは、そんなサンドブラストされたような水銀灯の白光色に包まれながら、ふと立ち止まり、そしてメイの家のほうを振り返った。

マレンへの後悔の想いが決して小さくなったわけじゃあないのだろう。けれど今日、メイがボクにくれたいくつもの素直な想いが、――はじめて解き放たれた正直な言葉が、彼女の穏やかな口調そのままに、後悔だけしかなかった闇色の心の奥から、何度も繰り返し聴こえてきていた。いや、――そうやって彼女の声を繰り返し再生せているのは、なんてことない、……ボク自身の意思なんだ。ボクが彼女の声を、いつまでも繰り返しずっと「聴いていたい」と願っていたからなんだ。――



【ALOHA STAR MUSIC DIARY / Extra Edition】


【2012.03.17 記事原文】



↑ Live. Ver


誠にタイムリーなことに。。。
ボクのipotに収められた「洋楽バラード集」の1曲目が、
ホイットニー・ヒューストンのセカンドアルバムに収録された
この「Didn't We Almost Have It All」なのである。


ホイットニーは、ライブでバラードを
原曲とは全く違ったテンポアレンジにして歌いあげる。


YouTubeでは、いくつかのLIVE ver.がアップされているのだが、
特に、このライブは、彼女のヴォーカリストとしての
才能と艶やかさが一番現れていると感じる。


ちなみにボクが行ったコンサートでは、この曲はメドレーで
全編歌わなかったよぉ~な?定かではありませんが。。。



しかし。。。
マライアでもなく、ビヨンセでもなく、
率直に歌の上手い人なんだなぁとつくづく思うのである。







Didn't We Almost Have It All - ホイットニー・ヒューストン
2ndアルバム『Whitney』 1987年



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