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【Re-Edit】 幸せになりたい - 内田有紀 【バラード】

【Re-Edit】【90年代バラード】


幸せになりたい



内田有紀 / 幸せになりたい


Epi-27

 誰かに聞いたような気がする。

「7秒のあいだに存在する過去と未来の中心が現在である」のだ。と、……

 いや、もしかしたら「7秒づつの過去と未来の接点が現在である」だったかもしれない。
 でもそれ以来「現在」ってのは、わずか7秒間の出来事をさすものなのだ、と勝手に覚えてしまったし、なんとなくその数字には納得できた。

「1秒先が未来である」とか「1秒前が過去である」とかって物理学的な時間の単位で「現在」は定義されるものだ。――とかっていわれても、あまりにありきたり過ぎてしまって、いまひとつピンとはこない。なんら根拠がなかろうと、「7秒」という単位には、なんとなく説得力みたいなものを感じたんだ。

 けれど、もしそれが正しいとしても、間違いだったとしても、すぐ目の前に見えている、たった1秒先の未来にボクらが追いつくことは決してない。それだけは確かだ。ボクらの意思とは無関係に、常に1秒づつの過去を永遠に積み重ねていきながらボクらの「いま」は、ただ一方向、未来へとだけ流れ続ける。わずか7秒のあいだに現実と理想を共有させ合いながら、ボクらはただ、ひたすら「いま」を生きている。……

 1983年6月15日(水) 中学3年の一学期
 夕方の午後3時半頃

 最初にその病名と聞いたときにはちょっとだけ安心したんだ。
 ボクの親戚にもその病気にかかってる人は何人かいるけど、普通に食事もしてるし平気で酒も飲んでたから。――
 川澄マレンもどことなくほっとした様子だったが、彼女のお母さんは結局、しばらく入院することになったみたいだ。彼女に父親がいないということは、去年、羽田空港で彼女がこぼした言葉からなんとなく察してはいた。けれど、その理由をボクからは一度もマレンに訊いたことはないし、彼女から話したこともない。

「お母さんが入院してるあいだってさぁ、川澄はひとりで家にいるの?」

 梅雨晴れの空、南からの生暖かい風が、ボクの言葉を彼女のほうへと運んでいった。

「あたしねぇ。ちょっとだけおばあちゃん家に住むんだよ」

 その風に長い黒髪をもて遊ばれながらマレンはそういう。

「ん? おばあちゃん家ってどこだっけ?」

 と、ボクは訊ねる。

「鎌倉なんだけどねぇ。まぁ、ちょっとのあいだだからさぁ、学校まで電車で通うんだよ」

 長い黒髪をピンク色のヘアゴムで結びなおして、マレンは電車通学ができることを少し自慢げに笑った。どうやら鎌倉からは大体1時間くらいで学校まで通えるのだという。

「あぁ! もうヤダぁ!」

 時折強く吹きつける潮風のせいで、なかなか上手くいかずに彼女は何度も横に垂れ下がる髪の束をヘアゴムで結びなおしている。

「あっ」と叫び、ボクの横顔を見つめてマレンは突然、話題を変えた。

「そういえば修学旅行ってさぁ、カミュちゃんとは違うグループなんだよ。あたしさぁ、カミュちゃんのグループのほうに行っちゃおうかな」

 そういって、マレンは「クククッ」と笑った。

「いいじゃん。どうせ夜のホテルは同じなんだからさぁ、昼は別々でも」

 秋に行く予定の修学旅行は、どういうわけだか偶数クラスと奇数クラスに日中の行動が分けられてしまっていた。ボクは偶数、彼女は奇数クラスだったんで、宿泊するホテルは一緒だけれど、昼間はそれぞれが別々の場所へ行くことになるらしい。彼女はなんだかそのことが納得できないようだった。

「え~っ、つまんないじゃん。それじゃぁ意味ないじゃん」

 と、マレンは少しふてくされる。

「ホテルで夜遊べばいいんじゃねぇの?」

 と、ボクは彼女の横顔にささやく。

「だって部屋が違うでしょ?」

 しばらくマレンは「ブツブツ」いっていたけれど、やがてなにかを思い出し、いつものように薄茶色の大きな瞳を輝かせる。

「でもさぁ。ディズニーランドには絶対に行こうね!」

 そういえば今年、ディズニーランドが千葉のほうにオープンしたらしい。ついこないだ夏休みにマレンと一緒に行こうって約束をしたばかりだった。

(でも、はたして夏休みに行ったところで、何時間も待たされるような乗り物なんて、ほとんどなにも乗れないんじゃないのかな)

「いま行っても、すげぇ混んでるんでしょ? まぁ、あと10年もすれば、だいぶ客とかも少なくなるだろうけどねぇ」

 ボクはちょっと意地悪くそういって笑う。マレンは予想通り、大きな瞳に哀しみを浮かべた。なんだか可哀想になったんで、しょんぼりした彼女の右肩を軽く叩いて、

「冗談だって! わかったよ。いいよ、夏休みに行こうよ」

 と、笑いかけた。マレンはすぐに笑顔へ戻り、ボクの左腕に「ニッコリ」微笑んだまま、顔ごとしがみついてきた。

 夕暮れの風には新緑の香りと微かな潮の匂いが混ざり合っている。それはきっと、この街にしかない独特の風味なんだろうなって思う。――――



【2012.05.14 記事原文】

内田有紀さんも宮沢りえさんもそうだが。。。
なんで歌うのかね???とは率直に思う。

でも、この「幸せになりたい」を初めて聴いたとき、
まぁ当時のボクを取り巻くシチュエーションもあったんだろうが、
静寂のなかに漂う哀しさ?みたいなものがダイレクトに伝わってきて、
ものすんごく胸を締め付けられたのである。


無論、広瀬香美さんの楽曲センスも無論良いんだろうけど、
冬の痛いくらいの寒さを思い出させる一曲です☆

まぁ内田さんの場合、デビュー曲がねぇ・・・あれですからねぇ・・・
でも最近、彼女はキレイになったなぁと感じます!



幸せになりたい - 内田有紀
4thアルバム『nakitakunalu』 1996年



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