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未来に残したい洋楽&邦楽の名曲

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【Re-Edit】 夏土産 - 中島みゆき 【バラードの名曲】

【邦楽バラードの名曲】

夏土産






「――こんな山のなかに、マレンの先祖のお墓ってあるんだね」
ボクは、しっとりと湿った苔を避けるようにし、長い石段を踏みしめてゆく。
「おばあちゃんの家系はね。ずっと鎌倉に住んでたみたいなんだよ。だから御先祖さまのお墓は、かなり昔からこの古いお寺にあるんだ。でも、この山のもっと上のほうにはね、すごく大きな霊園もあるみたいだけどさぁ」
と、艶やかな黒髪に、うっすらと霧状の水滴を纏(まと)わせている川澄マレンがいった。

長い石階段の、かなり上のほうまでくると、頭上を覆っていた樹々の濃密な影はだんだんと和らぎ、乳白色のアクリルプレートを敷きつめたような空の色が次第に鮮明になり始める。
その不透明な曇り空から力なく舞い落ちる霧雨の存在を、僅かに頬で感じながらボクたちは山門へと向かって歩き続けた――

南側の山肌に大きく視界が開けた斜面には、下のほうまでぎっしりと墓石が建ち並んでいる。その遥か彼方に見える木々の枝葉のすき間からは、この曇り空の色を水面(みなも)に満たした鎌倉の海が、真夏の風に吹かれ、やんわり揺らいでいた。

マレンはずっと手を合わせながら墓前の前で祈り続けていた。ボクはマレンのうしろに立ったまま、供えられた線香の煙が遠くに消えゆく音のない7月の空を見上げた。

「カミュちゃん……」
やがて彼女がうしろを振り返り、立ち上がると、ボクは入れ替わるようにして墓前の前にかがみ込んだ。そして目を閉じ手を合わせる。
(ボクには――
ボクには、まだ彼女を守る力が全然足りません。だから彼女のお母さんを絶対に助けてあげてください。とにかく、いまはまだ、マレンからお母さんをすぐには奪わないでください。 
あと数年だけでいいんです……せめてボクがマレンと一緒になれるときまで――)

帰り道――
なんとなくボクたちは七里ガ浜の駅で江ノ電を降りる。
潮風も海の色も、ボクらの街より幾分澄んでいる気がした。けれど、西側に江ノ島が浮かぶこの海岸からの景色には、やはりどうしても馴染めむことができない。

「川澄は、いまから病院に行くの?」
と、ボクはマレンに訊いた。
「うん。おばあちゃんが夜まで病室にいるみたいだからね」
と、マレンは海を見つめたままでいった。
「オレも一緒に行こうか?」
「う~ん。アタシはねぇ、カミュちゃんには一緒にきて欲しいんだけど……でも、お母さんは、まだ『見られたくない』って思うかもしれないからさぁ。だから、もう少しお母さんが元気になったら、そのときは一緒にきてね」
といって、マレンはボクの横顔を見つめた。

「わかった。そうだね……お母さんと、なにか話せたの?」
「まだちゃんと話せてないんだけどね。『意識は戻った』って昨日も先生はいってたんだよ。でも……また、なにかの検査をやるみたい。今度はね。脳の状態を見るとかって――」
マレンはそういうと、曇り空を切り取って水面に貼り付けたような鎌倉の海を見つめる。

――ボクはもうマレンの涙を見たくなかった。少なくとも今日だけは、彼女をもう泣かせたくなかった。ふたたび彼女の涙が流れ落ちる前に、ボクはなにかを伝えなきゃならない。

「もし――」
なにも考えてなかったけど、言葉は自然と繋がっていった。
「もしさぁ、川澄のお母さんが元気になったらね。2人でさぁ。一緒に暮らそうか……」
「えっ!」
澄んだ海風に揺れる前髪を抑えながら、マレンは大きな瞳でボクのほうを振り向く。
「まぁ、きっと最初は安いアパートとかになっちゃうんだろうけどね、いつかはさぁ……」
「カミュちゃん――」
と、ボクの言葉をマレンは遮る。
「アタシにはねぇ……たったひとつだけしか望みなんてないんだよ」
「ひとつだけ?」
「そう。もしひとつだけ願い事が叶えられたらね。アタシはそれでいいの」
マレンはようやく前髪から右手を離す。その瞬間、彼女の黒髪は舞い上がり風にそよぐ。
「それって、どんなこと?」
ボクは、その長い黒髪の毛先が空へと流れる様(さま)を眺めながら訊いた。
澄んだ海風のなかでマレンはゆっくりと微笑む。

「アタシに、なにか『ものすごく嬉しい』ことがあったときにね。カミュちゃんもアタシと一緒になってその喜びを感じてくれること……」
そういうとマレンは、その長いまつ毛で包み込むようにして瞳を閉じた。そして口元だけはずっと微笑ませたままで言葉を続けた。
「どんなに『嬉しい』って思うことがあってもね、もしひとりきりじゃさぁ、その嬉しさって絶対に感じられないんだよ。本当に『嬉しいな』って感じるときってね。一番喜ばせたいと思っている誰かがね、一緒になって心から喜んでくれたとき……
喜ばせたいと思う誰かが、嬉しそうに笑ってくれる顔を見れたときに、きっとはじめて感じられるものなんだよ……だから、どちらかひとりだけが嬉しいだけじゃきっとダメなんだ」

マレンは大きな薄茶色の瞳を開け、そっとボクを見つめた。
「アタシにさぁ、なにか嬉しいことがあったときはね。カミュちゃんも同じくらいそのことを嬉しいと思ってくれなきゃきっとダメなんだよ」

「川澄――」
ボクには、彼女の言葉の意味が、なんとなくわかった。
マレンは、曇り空を見上げて嬉しそうに笑っている。そして、その空へ向かって、風にささやくように言葉を解き放つ。

「もしね。アタシたちが同じ喜びを感じていけるんだとすれば、アタシはもう、ほかにはなにもいらないんだ。だからね。アタシと同じくらい、カミュちゃんが2人で一緒に暮らせるってことに喜びを感じてくれているのならね。アタシはどんなところで暮らしたっていいんだよ。ホントだよ!
もしそこが、たとえ宇宙だって無人島だっていいの。
お金なんていらない。親友だっていらない……
カミュちゃんがいてくれるんなら、アタシはそれだけで全然いいんだから――」


【ALOHA STAR MUSIC DIARY / Extra Edition】




【2012.04.24 記事原文】

ボク個人的には、中島みゆきを好んで聴いてこなかった。
ただ、いとこの姉ちゃんを含め、何人かボクの近くに中島みゆきファンはいた。

そういう環境だったせいで、中学くらいから聴くでもなく聴かされるようになっていった。
※ハードロックに走っていた時期に・・・である。


そんな中で、10thアルバム『予感』に収録されていた「夏土産」は、
かな~りインパクトのある曲だったと思う。
※金八先生の挿入歌「世情」は別として・・・


このアルバム収録曲では、「ファイト」のほうが有名だが、
作品としては「夏土産」のほうがクオリティは高い。


ものすごく爽やかなメロディで、実に恐ろしい内容を歌っている。


まぁ、中島女史の作品も、無論Yの規制に掛かってますんで、
いずれ削除されるものと思われます。
とりあえずご参考までに!!





夏土産 - 予感夏土産 - 中島みゆき
10thアルバム『予感』 1983年

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まとめteみた.【夏土産 - 中島みゆき 【バラード】】
夏土産ボク個人的には、中島みゆきを好んで聴いてこなかった。ただ、いとこの姉ちゃんを含め、何人かボくに中島みゆきファンはいた。そういう環境だったせいで、中学くらいから聴く...
[2012/04/24 00:51] まとめwoネタ速suru
Masterpiece of the Western music of the 70s/70年代洋楽の名曲
If you want to cry/泣きたいとき
If you want to be healed/癒されたいとき
Drinking alcohol/お酒を飲みつつ
While driving/ドライブしながら
If you want to Fever/血が騒ぐ
Masterpiece of the Western music of the 80s/80年代洋楽の名曲
80's Ballard masterpieces/80年代バラードの名曲
80's Rock masterpieces/80年代ロックの名曲
80's Pops & AOR masterpieces/80年代ポップスの名曲
70's Dance masterpieces/70年代ダンス系の名曲
Masterpiece of the Western music of less than 70s/70年代未満洋楽の名曲
Less than the 70's classic Ballad/70年代未満バラードの名曲
Less than the 70's classic Rock/70代未満ロックの名曲
Less than the 70's classic Pops & AOR/70代未満ポップスの名曲
Masterpiece of the Western music of more than 90s/90年代以上洋楽の名曲
Ballade more than of the 90s/90年代以上バラードの名曲
Rock more than of the 90s/90年代以上ロックの名曲
Pops & AOR more than of the 90s/90年代以上ポップスの名曲
90's Dance masterpieces/90年代ダンス系の名曲
Masterpiece of the Japanese music/未来に残したい日本の名曲
Dedicated to sweethearts/恋する二人に捧ぐ
Spend the night with sadness/悲しみと共に過ごす夜
Nostalgic feelings/ノスタルジックな想い
In the room which shines with the morning sun/朝日が差し込む部屋で
While looking at the setting sun in a hotel/夕陽が見えるホテルで
Memories of youth/若かりし日々の思い出
If you want to fuss/タテノリしたい気分なとき
If you want to feel the Rock/かなりRockな気分
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