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ピアノソナタ第8番ハ短調作品13『大ソナタ悲愴』第2楽章 - ベートーヴェン 【インストルメンタルな名曲】

【インストルメンタルな名曲】


ピアノソナタ第8番ハ短調作品13『大ソナタ悲愴』第2楽章
Piano Sonata No. 8 in C minor, Op. 13, Adagio cantabile







Epi-9

 1983年1月9日(日)
 深夜の1時過ぎ


 光の速さは、およそ秒速三十万キロメートル、
 たった1秒で地球を七周半もまわれるスピードなのだという。――もし、星の光が何百年以上もかかってここまで到達しているならば、いったい地球とはどれほど距離が離れているのだろうか。――――

【あの星の輝きは数百年以上も前に放たれたものだ】

 幼い頃、誰かがいってたそんな話に、この現実世界を大きく飲み込む巨大な宇宙の真理を知ったとき、まるで大海原を漂いながら、ひとり漆黒の海の底をのぞき見ているような思いがしてなんだか急に怖くなった。美しく光り輝く星空を見上げ、ボクがはじめて宇宙という存在に抱いた感情、――それは間違いなく「無限の距離感」というものに対する畏敬の念だったのだろう。――――

 今年に入ってから、元旦以外はずっと自室に閉じ籠り、マレンへ贈る曲の歌詞を書いてばかりいる。けれど中学2年のボクが書く歌詞には、なにひとつとして現実味なんてものなど存在せず、どっかで聞いたことのある、歯の浮くような台詞(せりふ)ばかりがあたまのなかを駆けめぐる。――

 作詞用の大学ノートには、わずか数行程度で行き場を失くした、そんな中途半端な文字たちが脈略もなく、ただ綴られている。……

 余白だらけのノートをぼんやり見つめていたけれど、やがて立ちあがってベッドに「ドサッ」と倒れ込む。窓の外には濃蒼色(のうそうしょく)の冬の夜空が広がっていた。隣の家が二階建てに増築される前までは、この星空も、もっと遥かに広かったような、――なんだかそんな気がする。

 気圧のせいか、それとも温度差のせいなんだろうか。

 冬になると、いっそう重くなる窓ガラスのアルミフレームを、多少の力を込めて半分だけ開け放ってみる。部屋のなかへと一気に吹き込む、少し甘みのある「冬独特の匂い」を帯びた冷気、――どこか金属の無機質さにも似たその真冬の香気(こうき)を、分厚いかけ布団に包まりながら顔に浴びるのが少しだけ心地よかった。そっとリモコンで部屋の灯りを消す。――夜空の闇色にだんだん目が慣れはじめると、星々はその輝きを急激に増していく。――――

 昼間、北口のデパートへ、エレキギターを見に行った帰り、川澄マレンから「曲の歌詞を見せろ」とせがまれた。けれど恋愛系の歌詞だけはどうしても軽々しくは見せられない。たぶん恋愛の歌詞が恥ずかしくて書けないようなヤツらがパンクとかのジャンルにいくのだろう。

 窓の外に向かって静かに息を吐き出してみる。それは最初、夜のなかへとまっすぐ伸びてゆき、タバコの煙のように白く不規則に揺らめきながら、少し向こうの闇と溶け合い消えてった。白い霧状の呼気がカオス的に彷徨(さまよ)い浮遊する様(さま)を眺めながら、枕元に置いてあった腕時計のボタンを適当に押す。――

緑っぽいライトに映し出されたデジタル表示を眺めてみると、すでに夜中の2時を過ぎていた。

 ボクが小学生の頃までは、おもいっきり野球ができるほどに広大な砂場だった家の隣の空き地には、暗くなるまで走りまわってたかつての思い出の遊び場としての名残りなど、なんら残されてはいない。

 中学に入る少し前、薄緑色の合成樹脂でコーティングされた格子状のネットフェンスが、家の敷地とその空き地との境界線上に張られてしまったことで、そこを自由に行き来することができなくなったんた。いまや格子によって隔絶された、かつての野球場は深々と掘削され、表面に湿り気を滲ます茶褐色の土肌を寒空の下、無機質に露呈している。

 その四分の一にはすでに砂利が敷かれて仮設の駐車場と化し、四分の二が現在、住宅用の造成工事の最中だ。残された四分の一の空き地には、その掘削工事で掘り起こされた赤黒い残土が山積みとなって固められたままに放置されている。

 いずれ来年にもなれば、何軒かの分譲住宅が互いに壁をこすリ合わせるようにしながらこの地に建ち並ぶのだろう。 かつて、ここがボクらの野球場だったことなんて、いつかは忘れてしまうのだろうか。――――

 ほとんど空気振動のない外の世界、――この時間にもなれば、うっすら汚れた窓ガラスの向こうには、濁り気のない真冬の冷気が目に見えるほど充満している。なにひとつ物音がしないせいなんだろうか? 

 微かな月明かりが滲みあがらす、濃密なまでの静けさが凝縮された、まるで刃(やいば)の如き真冬の冷酷さをはっきり五感に感じ取ることができる。――

 街の灯りはせつなくなるほど暗いのに、肉眼で見えるのはせいぜい二等星くらいまでだろうか? 冬の夜空のど真ん中、オリオン座を形成しているベテルギウスとリゲル。――上辺の左端と、そこから斜めに星座を大きく縦断した右下すみで、鮮やかなシグナルレッドとアリスブルーに光り輝くふたつの偉大なる一等星を、凍てつく紺青(こんじょう)の彼方に見つめて思う。

(いったいどこで見たんだっけな。――まるで重力を無視するかのようにして夜空一面を覆い尽くしていた『凄まじいほどの星の海』を、……

 そのとき、たかだか数年しか生きていない人生のなかで『もっとも美しいもの』を見たような気がしたんだ。たしかにそれ以上美しいものを見たことはいまだない。いずれにいたって、人間がどれほど技術的に進化を遂げたとしたって、無限の星空より美しい造形物なんて作れやしない。所詮ボクらは、こんなにも小さな有限世界のなか、わずかな瞬間、そこに存在しているだけに過ぎないのだから。……)

 ふと、ベッドから抜け出してガラス窓をもう一度開け放つ。また、あの「冬独特の匂い」が部屋のなかへ吹き込んでくる。ボクは裸足のまま、凍りついたベランダへと降り立った。

 水滴の微粒子が霜(しも)をつくり、木製のベランダ一面を薄いシャーベット状の氷膜(ひょうまく)で覆っている。

 日付が変わるまでずっとぐずついていた夜空の南東には、哀しげな三日月が「ぺったり」貼りつけられていた。

 リゲルはすでに家の屋根の少し向こう側へと隠れてしまったけれど、幾重にも光の輪郭を纏(まと)ったベテルギウスだけは、夜空を赤く滲ませながら、おおいぬ座のシリウスと、こいぬ座のプロキオンらとともに、大きな正三角形を依然としてディープブルーな真冬のキャンバス上に描き続けていた。

 明日から三学期が始まるんだ。――――




作品13『大ソナタ悲愴』第2楽章 - ベートーヴェン 


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Re: 相互リンクのお願い
亀は急いでもやっぱ亀 さん

はじめまして☆ Rakiです。
このたびはご連絡ありがとうございます。早速ですが、当方もリンク貼らせていただきました。
(『リンク』コンテンツの中央、やや下あたりですけど・・・)
今後ともよろしくお願い申し上げます。
[ 2013/10/24 17:47 ] [ 編集 ]
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