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少年 - 黒夢 【ロックの名曲】

【邦楽ロックの名曲】


少年





Epi-8

 1983年3月7日(月)
 昼の1時半頃


「だっておかしいだろうが! オレはヤツに50発以上は殴られてんのに、さっきはたった10発くらいしか仕返しできてないんだからさぁ」

 思わずそう叫ぶと、

「本当に君はそんなに殴られたのですか?」

 目を細め、目尻にシワを浮き立たせながら、校長は深刻な表情でボクを見つめた。

「だったら、うしろにいる先生方に聞いてみてくださいよ。ちゃんとみんな見てますから。こないだ職員室で20発くらい殴られてるところを、……ねぇ先生、アナタは見てましたよね?」

 ボクは学年主任の顔を睨みつけながら、そう言葉を吐き捨てる。その教師は声に出さずに口元で、「ブツブツ」と、なにやらずっとつぶやいていた。。

(まったくよぉ、どいつもこいつも自分に都合の悪いことには、すぐそうやって口をつぐみやがって)

 やがて校長が口を開く。

「いずれにしても、暴力に対して暴力で仕返しすることはよくないことです」

 ボクはソファにもたれかかり、少しだけ蔑視(べっし)の眼差しを校長へと向ける。

「じゃぁ、……いったい暴力に対しては、なにで仕返しすればいいんでしょうかね? 毎日誰かが殴られているような風景を知らん顔して正当化し続けてきたのは、アンタらのほうじゃねぇのかよ!」

 そして動揺する校長に向かって、さらに言葉を叩きつけてやったんだ。

「もし、校長がホントに日常的なこの人たちの暴力行為を『自分は知らなかった』っていうんならね、アナタはこの学校で、――この部屋に閉じ籠ったっきりで、いったいなにをしながら毎日過ごされてるんですか? 薄暗い部屋のなかから、いったいこの学校のどんな景色が見えてるんでしょう?」

 翌日から自宅待機をいい渡され、2日後、正式にボクは「出席停止処分」となった。
 あとで知ったことだけど、ウチの中学でこうした対応に踏みきったのは、どうやら数年振りのことだったらしい。
 最近、ほとんどまともに話す機会のなかった親父が、「相当怒るんだろうな」って思ってたけど、妙に機嫌よく自分の子供時代の武勇伝を話していたのがちょっとだけ意外だった。――


 1983年3月7日(月)
 朝の10時半過ぎ

――――たしかにマレンの叫び声が聞こえたような気がする。――――

 振り返ると、大きな瞳に涙を湛(たた)え、ボクを見つめる哀しげな彼女の顔が見えたんだ。――さっきまでは、甲高い高周波の耳鳴り以外、なんら物音などしていなかった。

 ただ風景がぼやけて見える、まるでフロストガラスでつくられた試験管のなかのような世界にボクはいた。――ふと気づくと伊浦ナオトが左側に立っている。――ボクは斉藤ミツキら、数名の男子生徒にうしろから羽交い絞めにされていた。

 上履きが片方脱げたボクの足元には、小さな血溜まりに左頬を浸すよう、担任教師がうつ伏し倒れている。その右耳あたりからじんわり沸きあがってる深紅の露(つゆ)が、蛇行を描いて筋となり、担任の喉仏を伝って「ポタリ」と、真っ赤な湖面へ滴(したた)り落ちていく。

(……そういえば、さっきボクはコイツのことを、ずっと蹴り続けてたんだっけ?)

――数十分前、

 まもなく中学2年も終わりを迎えようとしていたある日のホームルーム。

【終業式の前に、なにかクラス全員で記念になるようなことをしたい】

 担任教師が突然思いついたような、そんなつまらない提案に、誰も本気で取り組もうとなどしていなかった。コイツは、あれだけ散々ボクらに暴力を振るっておきながら、まだ、「いい教師」としての余韻かなんかに浸れるもんだと思ってやがる。

(記念になるような行事など、なにもしなくたってお前のことは一生覚えといてやるよ)

 担任教師はさっきから明らかに黒板の前で苛立っている。
 先週の帰り間際、「記念行事になにをするか考えてくるように」と、たしかにいってた気もするが、誰も具体的な提案を出さないままで、もうかれこれ10分以上は経過していた。
 大きな「ギョロ」ついた眼で睨まれた生徒たちは、一様に「別に」とか「特にないです」と同じような発言を小声で繰り返すばかりだった。


(記念になるような行事など、なにもしなくたってお前のことは一生覚えといてやるよ)

 担任教師はさっきから明らかに黒板の前で苛立っている。先週の帰り間際、「記念行事になにをするか考えてくるように」と、たしかにいってた気もするが、誰も具体的な案を出さないままで、もうかれこれ10分以上は経過していた。

 大きな「ギョロ」ついた眼で睨まれた生徒たちは、一様に「別に」とか「特にないです」と同じような発言を小声で繰り返すばかりだった。

 やがて、担任の理性のリミッターがいつものように解除されはじめていく。

「お前ら! ちゃんと『考えとけ』っていっといたろうが!」

 足早に一番前の男子生徒の席へと向かい

「お前、本当になにもやらなくていいのか?」

 と、その彼を怒鳴りつけた。――この男はいつだってそうだ。必ず「見せしめ」として、まず誰かをひとりだけ選ぶ。そしてソイツを恫喝し、一気に追いつめることで教室全体を威圧しようとしやがる。

(そんなの、もうとっくに馴れちまったよ!)

「お前、立て!」

 見せしめ役にされた男子生徒は仕方なく立ちあがり、また、殴られることを覚悟した様子だった。その席が一番教壇に近いせいもあるが、なにかあるたび担任に殴られている彼のことを、ボクらは「避雷針」と呼んで同情していた。

「避雷針」役の彼の背中が、殴られた衝撃で大きく左のほうへと傾く。――その瞬間、ボクのなかで急激に『なにか』が覚醒した。――衝動的に椅子から立ちあがろうとしかけたとき、――

「もういい加減にしてください!」

「避雷針」の隣に座っていた女の子がいきなり絶叫したんだ。
 普段マジメですごく大人しい感じの彼女のそんな声を、いままで一度も聞いたことなんてない。だから余計に驚いた。

「なんだ?」と、担任はその女子生徒を睨みつける。

「もう、こういうことするのやめてください!」

 女生徒がはっきり強い口調でそういい放った直後、担任は彼女の左頬をおもいきり平手で叩いた。いつものように、口元には少しだけ歪んだ笑みを浮かべている。

――――パァーン――――

 さっきボクのなかで生まれた『なにか』が砕け散っていく。――そこから先の行動に明確な意思などはなかった。脳が命令伝達するよりずっと速く、カラダはボクの心を置き去りにしていった。――おそらくいまの破裂音は、叩かれた女生徒の頬から響いた音じゃない。ボクの理性が砕け散った音なのだろう。

 ボクは担任教師のほうへと一直線に駆け出していく。――女生徒に気をとられていた担任が足音に気付き、右肩越しに振り返る。――刈りあげられて丸出しになったコイツの右耳のうしろあたりを、ボクは助走をつけたまま右拳で殴り飛ばした。――その衝撃で、右の手首に「ズッ」と鈍い痛みが走る。

 ちょうどカウンター気味にまっすぐ突き刺さった右ストレートにグラつくと、担任はクリーム色した教壇の前板に「ベッタリ」顔を押しつけて、そのまま側板を抱きしめるような格好で「ガクッ」と床にひざまずく。――直後、前のめりに背中を仰(の)け反らせながら伸びてくよう倒れていった。――

体重を支えきれない教壇は、ゆっくり「ズズズッ」と脚を引きずり、やがて黒板の桟(さん)にぶつかり動きを止める。

 ダサいグレーの柄物ベストを着た担任は、筋肉質な背中を反り返らせて教壇にもたれかかっている。その剥き出された後頭部めがけて、上から何度も強烈に踏みつけた。スチール製の教壇に「ゴツゴツ」と、この男が額を打ちつける微かな振動が上履きの底に伝わってくる。

 きっといつものボクであるならば、生活臭が滲み漂う柄物のベストの色を見た途端、

「これって、もしかしたらコイツの奥さんが買ったものかな?」

 とかって、家庭のことやら考えて、罪悪感に駆られてしまっていたかもしれない。けれど、いまのボクに感情なんてものはない。そこにあるのは、目の前に揺らめく風景と、止め処なく湧きあがる攻撃本能。――ただそれだけだ。

 背後から、誰かが止めに入ってきたが、その制止を強引に振りほどき、両手であたまを抱えてうずくまる担任教師の右頬骨あたりめがけてまわし蹴りをぶち込んだ。勢い余って脱げた上履きが「バチィッ」と激しく黒板にぶち当たる。

 そこに明確な殺意なんてものはなかったけれど、「別にこんなヤツ死んでもいいな」って、思っていたのは間違いない。――

もう一撃、左足で担任が剥き出している後頭部を踏み潰そうとした。が、ほとんど同時に、コイツはスチール製の教壇を黒板のほうへ寄り倒しながら床にうつ伏せていった。狙いを外したボクのかかとは、担任の右耳あたりを擦(こす)って強く床を踏みしめた。

【―――― パル! ――――】

 なんとなく遠くのほうで、誰かに呼ばれたような気がした。

【―― パル! ――】

 それは、きっとマレンの声だ。

「パル! もうやめて!」

 思わずボクは「ハッ」と正気を取り戻す。――さっき砕け散った理性のパーツが心のなかで再び結合されたのだろうか?

 いずれにしても川澄マレンの叫び声をものすごく耳の近くで感じた瞬間、我に返って一気にカラダが動かなくなった。――気がつくと、涙を湛えたマレンの大きな瞳の色をボクはただ見つめていた。――ほかのヤツらの声なんてまったく聞こえてなかったけれど、マレンの泣き叫ぶ声だけは、そのときはっきり聞こえてたんだ。――――









少年 - 黒夢 
6thアルバム『CORKSCREW』 1997年



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