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未来に残したい洋楽&邦楽の名曲

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Tsunami - デビー・ギブソン 【90年代以上バラード】

【90年代以上洋楽バラードの名曲】


Tsunami





Epi-4

 1982年7月28日(水)
 夕方の3時少し前

 やっと唇に届くまで伸ばし続けた前髪を無造作に吹きあげてった潮風は、この小さな境内のなかをずっと彷徨(さまよ)い続けている。――

 神社の奥にそびえる巨大な老樹へ突き当たり、生い茂った深緑の枝先を「サラサラ」揺すって、ボクのほうへと舞い戻り、今度は右頬を「ふうわり」優しく撫でていく。――南風は、さっきからそんなことを繰り返してばかりいる。

 この街のなかでもかなり樹齢が古そうな老樹たちの揺らめく影がもたらす静けさに埋もれて、ボクは波打つ枝葉の透き間に空の青さを探し出す。――そのさんざめきが大きくなるほどに、静寂はいっそう深まりながら外界の騒音(ノイズ)を遮断してゆく。 ――――

 石段に寝転んだまま、ウォークマンのカセットを、サザンオールスターズの『ステレオ太陽族』と交換した。こないだ発売されたばかりのニューアルバム『ヌードマン(NUDE MAN)』と、去年りりースされた『ステレオ太陽族』――その二本のカセットを、ついさっき斉藤ミツキからもらったばかりだ。

 今日も最高気温は30℃を超えてるはずなのに、さほど暑さは感じられない。そう、……この場所にいる限りは。――

 古くて小さなお堂とは、まったくもって釣り合わぬほど真新しい賽銭箱がやけに目立ったこの神社の名前をボクはなかなか覚えられない。

 けれど、この場所を守る巨大な護衛のような老木たちによって生み出された木陰のなかは、単なる日陰とまったく違った別次元の空間にいるかのようで、不思議なほどに凛(りん)とした静寂と、季節感を失ってしまうほどの涼しさ、――そしてなにより優しい安らぎを、いつだって心にもたらしてくれるんだ。

 一曲目の「ハロー・マイ・ラブ(Hello My Love)」を二回リピートさせてから五曲目まで一気に聴いてみる。二曲目、「マイ・フォープレイ・ミュージック(My Foreplay Music)」のイントロで、キーボードにかぶさる哀愁の余韻を滲(にじ)ませたようなギターフレーズがなんだかすごく好きだ。

 そしてAOR風アレンジの三曲目「素顔で踊らせて」から五曲目「恋の女のストーリー」までは、洗練されたバラードナンバーが流れるように続いていく。かつてこのバンドが得意としていたシンプルでアーシーなサザン・ロック系のバンドサウンドとは違って、ストリングスを際立たせたキーボードの使い方や、リズムギターの刻み方などがものすごく上品だ。もしかしたらアレンジャーでも変わったのだろうか?

 見上げれば、境内と現実世界を遮断するようそびえ立つ巨大な老木たち。――彼らは、みずからを覆い隠す無限の葉々のその奥に、深淵なる神秘の闇を宿している。それはきっと、ながきに渡ってこの場所で、街の変遷(へんせん)を見守ってきた神木たちが醸(かも)し出す、時の重みの気高さだ。


 ふと、制服の胸ポケットに、小さく折りたたまれた大学ノートの切れ端を見つける。――無造作に取り出すと、枝葉の先の青空に透かすよう、そっと片手で広げてみた。


―――― カミュはなんて呼ばれたい? ――――


 そう。……ボクの名前はかなり珍しいんだろうな、と思う。

 正しくは「可未宇(カミウ)」だけれど、大抵は省略されて「カミュ」と、みんなから呼ばれてる。川澄マレンとは、斉藤ミツキたちと一緒にドリームランドへ行った日からつき合っているらしい。……いや、たぶんつき合ってるんだろうな。

 はたしてこれが「カレ」とか「カノジョ」、まして「恋人」なんて呼ばれるような関係なのかどうか、ボクには、まだよくわからないんだけどね。――授業中、こうしてノートの切れ端に書かれたメッセージが、前のほうの席から何人かの友達らを経由して送られてきては、それに対する曖昧な返事を同じルートで送り返してるってだけな気もする。

――さっきのマレンからの質問メッセージ、

【ボクのことをどう呼んで欲しいか】

 に、対する返事には、

「渋谷パルコが好きだから『パル』って呼んで」

 って書いたんだ。

 無論、冗談のつもりだったんだけど、マレンはなんとなくその響きが気に入ったらしくって、ふたりっきりでいるときは、最近、ボクのことをそう呼んでいる。

(ホントはまだ渋谷のパルコには、行ったことがないんだけどね、……)

 もしそういうことを「つき合っている」というのなら、ボクらはきっとつき合ってることになるんだろうな、と思う。

 巨木たちに弾き返され、みずからの往き場を失った潮風を飽きもせず、ボクはぼんやり追いかける。木々のわずかな隙間をかいくぐってこぼれ落ちた白い木漏れ日は、本格的な夏の始まりを告げる天からの啓示なのだろうか。――それは幾束もの光の線状となって「ゆらゆら」揺らめきながら、あいも変わらずいつまでもボクのまわりで遊び続けている。


Tsunami - デビー・ギブソン
カヴァーアルバム『MS.VOCALIST』 2010年





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