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未来に残したい洋楽&邦楽の名曲

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グッドラック・アンド・グッドバイ - 荒井由実 【バラードの名曲】

【バラードの名曲】


グッドラック・アンド・グッドバイ





Epi-3

 1982年7月25日(日)
 朝の9時半頃

 日曜の朝、――

 ボクたち4人は地元の駅で待ち合わせる。斉藤ミツキはまだきてなかったけれど、川澄マレンと大野スミカはすでに駅前ロータリーに到着していた。マレンは小さな花柄がいくつも胸元に刺繍された白いワンピースを着ている。見慣れない私服姿の彼女に、少しだけ照れているのが自分でもわかる。

 だから、ちょっとだけ遅れてあとからやってきたミツキに対してその照れを隠すよう、あれほどムダに絡んでいったのだろう。――

 ホームで上り列車を待つあいだ、斉藤ミツキと大野スミカは、さっきから大笑いしながら2人だけで盛りあがっている。ボクの左隣には、線路の上にこぼれ落ちてく初夏の陽射しの揺らめきを静かに眺めるマレンがいた。

 うっすらと微笑んでいる彼女の視線のなかに、そっとウォークマンを差し出す。

「いまオレが一番聴いてるレコードって、これなんだけど」

 振り向いたマレンが、やがて不慣れな手つきでヘッドフォンを耳にあてると、ボクは早送りしておいたカセットの再生ボタンを掌(てのひら)のなかで押した。――きっと、もうすぐエリッククラプトンの「ワンダフル・トゥナイト(Wonderful Tonight)」の心地よいイントロのギターフレーズが聴こえはじめる頃だろう。

(彼女はどんな気持ちでこの曲を聴くのかな?)

 マレンは長いまつ毛で隠すよう、そっと目を閉じ黙り込む。彼女にとってもよく似合う、白いワンピースの裾(すそ)が夏色の風にそよぐたび、やんわり撫でていくように、ボクの左足をくすぐり続けた。――



「うん! すごくいい曲だねぇ」

 聴き終わるとマレンは静かに微笑んでヘッドフォンをボクへ手渡す。――それを受け取ろうとした瞬間、ほんの少し小指の先がマレンの細長い人差し指に触れる。反射的にマレンの大きな瞳に目をやったけど、彼女は特に気にする素振りもみせないで、「また今度さぁ、カミュの好きな曲とかいろいろ聴かせてね」と、ささやきながら「ニッコリ」笑った。そのとき、――数年ぶりに出会った彼女の瞳がこんなにも薄茶色かったんだってことを、ようやくボクは思い出したんだ。

――あの夏の日、

「流れ星に三回願い事をすれば、その願いが叶うっていうのは有名だけどね、――『好きな人と2人きりで、流れ星を一緒に見ると、その人と結婚できるんだ』ってね、誰かに聞いたことがあるんだ」

 ボクがそういうと、マレンは大きな瞳を輝かせ、少しだけその小さな口元を微笑ませる。――やがて「ニッコリ」笑ってささやいた。

「だったら楽だね。流れ星に願うことなんて、きっと、みんなそれくらいしかないもんね」

 そして静かに言葉を続けた。

「じゃぁさぁ、もしカミュと一緒に流れ星見たらさぁ、あたしたちっていつか結婚しちゃうのかな?――」

 そう、小学校4年の夏休み、スイミングスクールのキャンプで行った山のなかの草原で、あの夜、ボクはマレンの潤んだ瞳のなかに「キラキラ」と映し出された、星空の輝きをたしかに見ていた。

(あの頃のマレンときたら、まるでモンチッチみたいに短い髪の毛をしちゃっててさぁ、それに、……それに、――)


 傾斜のついた天井が細長く初夏の陽射しを、遥(はる)か向こうのほうまで遮(さえぎ)っていた。まだ、さほど人の気配が感じられないホームのなかは、薄墨色(うすずみいろ)のゆるやかな影に覆われている。吹き抜けていく心地よい真夏の涼風に、長く伸びたマレンの黒髪がキレイになびく。

 電車の到着を待つわずかな時間、まだショートカットだったスイミングルスクール時代の彼女の面影を、ボクがその風のなかに思い出すことなどはもう二度となかった。――――





グッドラック・アンド・グッドバイ - 荒井由実
4thアルバム『14番目の月』 1976年



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