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未来に残したい洋楽&邦楽の名曲

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I Don't Want To Talk About It - Rod Stewart 【70年代バラード】

【70年代洋楽バラードの名曲】


I Don't Want To Talk About It






(なんだか、マムシでも出てきそうだな)

その樹林へと入っていくのは、さすがに気が引け、広場のほうへと戻りかけた、そのとき、――
茂みの奥のほうから、微(かす)かに誰かの泣き声が聞こえた気がしたんだ。おもわずボクは林道の入り口から大声で叫ぶ。

「川澄~!」

「カミュ? ――カミュ――カミュ~!」

遠くのほうで最初は確かめるように小さく、――少し空き、すぐそのあとで、何度も大きくボクの名を叫ぶ声がした。間違いない、マレンの声だ。――慌ててボクは声する闇へと走り出す。途中でビーチサンダルが枝かなんかに引っかかって片方脱げた。ソイツを拾ってボクは裸足(はだし)のままで駆け出した。――そしてまた名前を叫ぶ。

「川澄~!」

少し樹林に入っただけですぐ方向感覚が失われてしまうほど、この場所は闇が深かった。けれどもボクは彼女の声するほうへと、ただ走る。――

「カミュ! 恐いよぉ」

「大丈夫! 大丈夫だから! オレがいくから」

微(かす)かに漏れる月明かりのおかげだろうか、――なんとなくこの樹林の暗闇にも目が慣れてくる。向こうのほうにぼんやりと小さなシルエットが浮かんでいるのは、どうにかわかった。

(待ってて、――もうすぐ行くから)

「――ホントに、……こんなとこでなにやってんだよ。まったくさぁ」

ボクは、ピンクのTシャツ姿でポシェットを抱きかかえて泣いてるマレンの小さな影に、力なくそうつぶやいた。いいたいことはほかにもあったけど、まずは彼女を見つけられたことだけに、いまはただ安心しきっていた。

「広場に行こうとしたら、こっちのほうからみんなの声がしたような気がして、でも全然、……道がわからなくなっちゃって」

涙声のマレンが、か細い声を影のなかに浮かばす。

「あのさぁ、どう考えたって、こんなとこ絶対に人が夜、通れるわけねぇじゃん! それに、こんなの道じゃねえし」

「だって、――」

彼女の申し訳なさそうな声の響きより、ボクの言葉が少しだけ勝る。

「――でも、よかったよ。さっきはホント、すげぇ心配しちゃったよ。川にでも流されたんじゃないかって、さぁ」

そういってボクは、彼女のシルエットに右手を差し出す。――林道の入り口目指し、雑草に足を取られながら歩いてる最中、マレンは、ずっとボクの左腕を掴んでた。

――さっきは、あれほど暗いと思ったのに、林道から出てきてみると広場へ続く砂利道が、やけに明るく感じられた。けれど、まだマレンの右手は、ずっとボクのひじのあたりにあった。突然、その砂利道の向こうのほうに、ほんのり揺らぐオレンジ色の光が射し込む。

(あぁ、きっとキャンプファイアがはじまったんだろうな)

ボクたちは、その光のほうへと向かって歩く。
ふと、マレンがボクの横顔に訊いてきた。

「あたしのこと探しにきてくれたの? カミュ、……」

しばらく黙ってたけど、

「いやぁ、さっきトイレに行こうとして、こっち戻ってきてね、そしたら誰かの泣き声が聞こえてきたんで、てっきりオバケかと思ったら、川澄だった」

そういってボクは「アハハ」と笑った。

ようやくボクらのことを捜しにきたのであろうコーチらしき影たちが、道向こう、遠くの光のなかに、ぼやりと浮かぶ。

「怒られちゃうかな」

マレンは、少し緊張気味にそういう。

「そりゃそうだろ。――とりあえず、オレは腹の具合が悪くなって、部屋へ薬を取りにいったってことにするからさぁ、川澄は、『一緒に付き添った』って、いえばいい」

木立に囲まれた道を抜けた先、その広大な芝の広場には、キャンプファイアの炎のほかにはなにも照明装置は置かれていない。

けれど、森のほうまで果てしなく広がる芝生は、その葉先に白銀色の輝きを灯し、まるでほんのり月明かりを湛(たた)えた静かな湖のようにして、ほの白く巨大な光彩を夜風にそよがせていた。――なに気なく空を見あげる。――その瞬間、きっとボクはいままでの人生のなかで一番感動していたんだろうな。――まるで重力を無視するかのように、凄まじいほどの星の海が夜空一面を覆い尽くしていたんだ。

「すっごーい! 本当にキレイだねぇ」

うしろからマレンも、思わず驚嘆(きょうたん)の声を大空へ捧げた。
ボクはマレンの横顔を見つめる。――彼女の大きな瞳のなかに、星々の輝きが映し出されていた。

(キレイな目をしてるんだな)

夜空を仰ぎ微笑むマレンを見つめながらボクは、はじめてそう感じた。

「あ~、そうだ!」

ふいにマレンは、猫のイラストが描かれたポシェットのなかを探りはじめる。

「はい! カミュ」

と、いって彼女は小さな右手を差し出した。ボクが掌を上に向けると、彼女は赤い箱をそっと置く。

「これはねぇ、あたしが大好きなチョコなんだよ」

月の光りに照らされて、星の輝きを浴びながらマレンは笑う。

(もしかして、さっき、これを取りに戻ったのか?)

ボクは箱を開け、チョコを一粒、掌に乗せると、それを口へと運ぶ。

「どう? 美味しいでしょ?」

マレンはボクの横顔を見つめ、そう訊ねる。
ボクは彼女のほうを少し見て、チョコレート風味の甘い息を吐き出す。

「まぁ、普通、――」

「え~っ、普通のヤツより美味しいでしょ?」

マレンは少し「ムッ」としながらそういった。

「――流れ星って見たことある?」

ふいにボクはマレンにそう訊く。

「えっ、見たことないけど」

頬にチョコの形を浮かびあがらせ、まだ少しだけ「ムッ」としたままマレンは、そう答える。

「流れ星に三回願い事をすれば、その願いが叶うっていうのは有名だけどね、――『好きな人と2人きりで、流れ星を一緒に見ると、その人と結婚できるんだ』ってね、誰かに聞いたことがあるんだ」

するとマレンは大きな瞳をボクへ向け、少しだけその小さな口元を微笑ませる。――やがて「ニッコリ」笑ってささやいた。

「だったら楽だね。流れ星に願うことなんて、きっと、みんなそれくらいしかないもんね」

そして言葉を続けた。

「じゃぁさぁ、もしカミュと一緒に流れ星見たらさぁ、あたしたち結婚しちゃうのかな?」

ボクは、笑って答える。

「まぁ、さすがにそれはないんじゃないの?」

「なんで!」

ショートカットのマレンは、そういうと、また頬を少しだけ膨らませた。



【ALOHA STAR MUSIC DIARY / Extra Edition】


I Don't Want To Talk About It - ロッド・スチュワート
6thアルバム『Atlantic Crossing』 1975年

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