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未来に残したい洋楽&邦楽の名曲

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Endless Blue Sky - Kevin Kern 【インストルメンタルな名曲】

【インストルメンタルな名曲】


Endless Blue Sky






1982年8月21日(土)

マレンは、その星空へ向かって言葉を解き放つ。
「こないださぁ、羽田空港でアタシ、『いつか無人島で暮らしたい』って、いったでしょ?もしいつか、無人島でパルと一緒に暮らしたんならさぁ。いつもこんな景色を、こうして見ながら2人で眠れるのかな?」

いつものボクだったら、きっと笑って答えをはぐらかすんだろう。けれど、ボクの口からは、不思議なくらい滑らかに、自然と素直な感情が言葉となって生み出されていったんだ。

「見れるんじゃねぇの、きっと、――でも、見れたらいいね。……いつか本当に」

マレンは一瞬黙り込み、そしてつぶやく。

「いまのってさぁ、もしかしてプロポーズ?」

ボクは、ちょっと照れ笑いを浮かべた。

「絶対にプロポーズだ! そうに違いない!」

マレンは、しつこく、そういってくる。

「いや、もしかしたら、いつかさぁ、海で遭難して無人島とかに漂着することだってあるだろうからね、そんときは、きっとそういう暮らしをするんだろうな、って」

ボクは、いつものようにはぐらかし、笑ってそういった。

砂浜に寝そべったまま、やがてマレンは、ボクの右腕の上で顔の向きを変える。ボクも少しだけ顔を傾けて、彼女のほうを見つめる。微笑む彼女のセーブルカラーの瞳には、夜空に輝く星たちの光が映し出されていた。――漂う沈黙を、ただ星明りだけが照らしている。

すると、マレンは、「あぁ!」と、大声を出し、

「パル、もしかしたらさぁ、いまキスしようとしたでしょ?」

と、いってボクの顔を見つめた。

「はぁ? 別にしてないけど」

ボクは、また空を見上げてつぶやく。

「嘘だぁ、絶対にキスしようとしてたよ。いま」

そういうと、マレンも空を見上げて笑った。

(っていうか、そういわれてからキスなんてできないよ。ボクらにとって、はじめての、――いや、ボクにとって、はじめてのキスなんだからさ)

空を見ながら無言になったボクたちは、互いの表情を確かめるように、また、しばらく見つめ合い、そしてふたたび夜空を見上げた。

帰り道、――

ボクらは大船駅で東海道線に乗り換えた。気づけばすでに夜の10時をまわっている。

「お母さんとかに怒られないかな?」

ボクは、ボックス席の隣に座るマレンの横顔に問いかける。

「う~ん、どうかなぁ、まぁ別に怒られてもいいけどね」

マレンは、そういって笑った。

夏休みも、残りあと一週間となった土曜日の車内には、この時間になっても、まだ多くの家族連れの姿が見られる。

マレンは少し眠たそうに大きな瞳を細めていた。

「起こしてあげるから、ちょっと寝れば?」

ボクがそういうと、マレンは首を小さく横に振った。そして、

「大丈夫だよ。さっき流れ星見てね、興奮し過ぎちゃったんで、少し疲れただけだからさ」

と、いって、マレンはボクのほうを振り向く。昨日までの彼女と、なんら変わらないように思えても、いまこうして目の前にいる彼女はすでに、もう15歳の少女になったんだ。

(マレンさぁ、さっき海で、『もし不良に絡まれたら守ってくれるでしょ?』って、聞いてたけどさぁ。そんなの守るに決まってるじゃん。よくわかんないけど、それができなきゃ彼氏じゃねぇだろ? どんなことがあったって、どんな理由があったってさぁ、好きな人を守れないヤツなんて、そんなの彼氏なわけねぇじゃんか。守るに決まってるじゃん。ボクはキミの彼氏なんだから――)

ボクはスウェットのポケットから、財布を取り出すと、小銭入れにしまっておいた小さな紙袋をそっと引き抜く。そして、マレンの膝の上に置いた。

マレンが、それに目を向けると、ボクは耳元でささやいた。

「ハッピーバースデー」

って。――

(――それに『アタシのこと好きでしょ?』とかって、訊いてたけどさぁ、『好き』って言葉はね、本当にいわなきゃいけないときにだけ、ちゃんと相手に伝えられればいいんだよ。ほかのヤツらは知らないけど、容易く挨拶代わりに『ポンポン』と、使うようなもんじゃないよ。もし、その言葉をいい慣れてしまったらね、いざというとき、その言葉のなかにホントの気持ちを込められなくなっちゃうだろ?)

マレンは、一瞬ボクのことを見つめてから、その小さな紙袋を手にした。

「開けてもいい?」

彼女の言葉に、ボクは黙って頷く。

いまのボクに、そんな大したものなんて買えるわけなどなかった。せいぜいLPが一枚買えるくらいの金額で、ずっとマレンの誕生日プレゼントを探してたんだ。こないだ、たまたま駅向こうのデパートを覗いたとき、ボクは偶然、『ソレ』を見つけた。金額的にも手頃だったんだけど、なによりボクがマレンに抱いている彼女のイメージに、『ソレ』が、ぴったりと当てはまったんだ

マレンは、紙袋を逆さにして、左の掌の上に中身を軽く振るって落とす。

やがて彼女の掌には、あめ色のアンバー(琥珀)のなかに、金色に輝く小さい星粒のような気泡が無数に閉じ込められているイアリングが滑り落ちてきた。

「うわぁ、可愛い!」

マレンは、おもわず大声を出し、早速、そのイヤリングを両方の耳たぶにはめた。

そして、ボクを見つめながら、

「ありがとう! パル、すごく可愛いよ。どう? 似合ってるでしょ?」

そういって、両耳にかかる髪の毛を、指先で持ち上げながら、それをボクのほうへ自慢げに見せた。

(――だから『好き』って言葉はね、別にもったいぶってるわけじゃないけど、ボクのすべての想いを、いつか絶対、キミにいわなきゃならないときまで取って置きたいと思ってるんだ。マレンのことは好きだよ。『そんなの好きに決まってるじゃん』なんてさぁ、すぐいえるよ。だけど、『どれくらい好きか?』ってことは、まだボクにもよくわかんないんだ)

「いやぁホントはね、川澄も、もう15歳になるんだから、もうちょっと大人っぽい、指輪とかペンダントとかってのも考えたんだけどさぁ、まぁ、あんまり安物買っても仕方ないしね、そのイヤリングも、そんなに高くないんだけど、……オレね、川澄と付き合うようになってから、ずっと感じてたことがあるんだ。そのイヤリングを見たとき、すごく、その川澄のイメージに、ぴったりマッチしたんだよ」

ボクがそういうと、マレンはじっとボクを見つめて、

「アタシのイメージ? えっ? パルは、アタシのこと、どんなふうに思ってたの?」

と、ボクの左肩に顔を寄せるようにして訊いてきた。

「川澄ってさぁ、いつだって、ふと気づくと夕焼けの色に照らされてて、それからね、――」

そういって、隣に座るマレンの大きな瞳を見つめると、ボクは少しだけ彼女のほうへ顔を寄せ、イヤリングをつけている右耳の近くで、そっとささやいた。

「いつだって、その瞳のなかに、輝く星の色を映(うつ)してるんだよ」

(――もしボクが、ちゃんとそのことに気づいたときにはね、――そう、たとえば夕暮れに染まる無人島の砂浜に2人寄り添い合ってね、星空を見上げて暮らしていきながら、もしボクが、マレンに対して『好き』って言葉を口にしてたんならさぁ。キミは笑って、その言葉をずっと信じ続けてくれればいいんだよ。―― ボクはきっと、キミの瞳のなかに映るその星空の色を見つめながら、繰り返しその言葉をいい続けていくはずだから。そう、――ずっと、一生ね。……)


【ALOHA STAR MUSIC DIARY / Extra Edition】






Endless Blue Sky - ケヴィン・カーン
アルバム『Endless Blue Sky』 2009年

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