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未来に残したい洋楽&邦楽の名曲

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【Re-Edit】 Yes - No - オフコース 【ポップスの名曲】

【Re-Edit】【ポップスの名曲】


Yes - No






Epi-14

 1981年10月7日(水) 中学1年の二学期
 3時限目が終わった休み時間

 晩秋にそよぐ風。――ただ、その余韻のなかにしか感じられないはずなのに、嗅覚で記憶されたそれまでのあらゆる匂いを、ときに激しく、絶えずほんのり甘やかなこの香りは一瞬のうちに上塗りし、すべて残らず消し去ってゆく。

 あらゆる風情に紛れ込み、毎年、記憶の深奥(しんおう)へ、その存在を印象づけていく金木犀(きんもくせい)の芳香(ほうこう)だけが、映像のなかに色とともに漂い続け、繰り返し、――繰り返し、積み重なっていきながら、ボクたちの記憶の端に付箋(ふせん)となって残されていく。

 だから、この香りが遠慮しがちにこの街を包み込む季節がくるたびに、ボクらは、その色めく薫香(くんこう)が浮かびあがらす淡い懐かしさの追憶にふけるのだ。

 中学1年になってから三度目の席替えで、春山サエが目の前の席に決まった瞬間、きっとボクは、この学校に入ってはじめてのときめきと沸き立つ喜びを同時に感じていたに違いない。八重歯が印象的な彼女の瞳は、眼鏡をはずすといつだって泣き止んだ直後の子供のように少し寂しげに潤んでいた。

 うららかな春の陽光がこぼれ落ちる4月、この教室ではじめてサエの可憐な笑顔を見たときから、ボクは彼女に惹かれていたんだ。

 校門を出ると、学校の敷地に沿って設けられたネットフェンス越しに軟式テニス部の練習風景が見える。放課後になると、ボクはいつも足早に家路へと向かいながら、先輩部員たちよりも少しだけ背の高いショートヘアのサエのうしろ姿を見つめていた。

 すっかり日没が早くなりはじめた秋の夕暮れ。――

 少し前まで、しなやかな素足を隠さなかった彼女も、いまでは濃紺色のジャージ姿で、細長く延びた影を引き連れながらコート上を懸命に駆けまわり続けている。――

「わたし、オフコースが好きなんだよねぇ」

 ある日の休み時間、春山サエはうしろに座るボクのほうへ、少し陽に焼けた小さな横顔を向けながら突然、そう話しかけてきた。それが中学に入ってから彼女とマトモに話した最初の会話だった。

 ボクがオフコースの「さよなら」をはじめて聴いたのは、小学校5年くらいのときだったろうか。おそらくは、どこかのスキー場のレストハウスで流れていたように思う。ちょうどこないだ、オフコースが二枚リリースしていたベスト盤『セレクション(SELECTION)』のカセットを買ったばかりだった。そのカセットを取り替えながら、毎日、気に入った曲ばかり繰り返し聴いていたんだ。――――

「オレも、たまに聴いてるけどね」

「えっ! シーナ君は、どの曲が好きなの?」

 と、サエは右肩越しに微笑みながら訊ねてきた。

「うぅ~ん、……イエス・ノー(Yes-No)かな」

 この曲が一番好きだというわけでもなかった。けれど、オープニングで奏でられるシンセサイザーのイントロがすごく印象的だったんで、たまたまそう答えてみた。

「あの曲ってさぁ。すっごくイントロがいいよね!」

 と、サエも微笑みながら小さく頷く。結果的に2人の会話はうまくかみ合いながら、よい方向へと繋がっていったんだ。

 授業中、彼女のうしろ姿しか見たことのなかったボクのほうへ、その瞬間、サエは嬉しそうに微笑みながら、おもいっきり体ごとイスの向きを変える。そして眼鏡をしたままの潤んだ瞳でボクのことを見つめた。

 おそらくこんなにも間近で彼女の顔をちゃんと見たことなんてなかったろう。放課後、格子状のフェンスの外側から、遠目にコート上を走りまわっている彼女の姿を追っていただけのボクに、そんなことなんてできるはずもなかったのだから。――

 おもわずサエから目をそらし、教室の窓のほうを眺めた。微笑んだときの彼女の八重歯が、やけに可愛く思えたので、なんだか少しだけ照れくさくなったのだ。

 彼女は、そっとささやいた。

「こないださぁ、シーナ君、『時に愛は』を、はなうたで歌ってたでしょ? だから、もしかしたら『オフコースを聴いてるのかな』って思ってね」

 もう冬も近いせいだろうか。

 弱い西陽に照らし出された窓の外側の世界は、いつも以上に静かに、そしてゆっくりと時間が流れているように思えた。結局、サエにはいわなかったけれど、ボクがホントに好きな曲は「ワインの匂い」なんだけどね。でもそれは、彼女と交わす次の会話のきっかけとしてとっておいたんだ。……

 ほかの人からすれば他愛もないことなのかもしれない。けれどボクにとっては、とても大切なオレンジ色に染まる夕暮れのひととき。

 やがて、深かった新緑の木々たちもいっせいに枯葉色へと変わってゆくのだろう。いまではすっかり色白になってしまった彼女の頬を、北風がピンク色に染めてゆく季節が、もう間もなくこの街に訪れるのだ。――――



【ALOHA STAR MUSIC DIARY / Extra Edition】



Yes - No - オフコース
ベスト盤『SELECTION 1978-81』 1981年


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