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【Re-Edit/3rd】 いとしのシェリー - ムービング・ピクチャーズ 【80年代ポップス】

【Re-Edit/3rd】【80年代洋楽ポップスの名曲】


Sweet Cherie





I selected "What About Me"
from 1st album "Days of Innocence"
of Moving Pictures released in 1982.




Epi-23 

1983年8月7日(土) 中学3年の夏休み
 夕方の午後5時過ぎ、

 不思議と人の気配が薄れてしまった夕暮れどき。あらゆる物音は、かげろうのように揺らめきながら、そこらじゅう存在してはいるけれど、 降り注ぐ太陽熱に溶かされて住宅街の風景とすっかり融和しているみたいだ。 ――
 
 日暮れのビーチに残されたサンオイルのねっとり人工的でどこか不自然な甘み、草木の吐き出す真新しい息吹きや生き物たちが蠢(うごめ)く微かな余香。――それらが複雑に交じり合いつつ調合されて、一斉に大気へ放出されてるせいなのだろうか? この季節の風にだけは、唯一「夏色」とでも呼ぶべき青く滲んだ光の色味を感じ取ることができるような、――そんな気がする。

 小学校のときクラスメイトだった佐藤マキコとは、中学3年になってからふたたび同じ教室のなかで出会う。川澄マレンも顔立ちがすごくはっきりしてたけれど、佐藤マキコは小学生の頃から外国人のように透き通る色白の肌と大きな二重まぶたがものすごく印象的な女の子だった。

 それに「フワッ」と天然カールした金に近い茶色い髪を授業中、うしろに束ねている様は、まるでどこか英国あたりのテニス好きな令嬢のようでもある。
 
 去年の夏休み、中学に入ってからは一度も同じクラスになったことのない、……いや、ほとんどまともに会話すらしていなかったマキコから突然電話がかかってきて、

「どこかへ遊びに行こう」

 と誘われたことがある。――ボクが覚えている限り、それがマキコからもらったはじめての電話だったろうと思う。そのときはまだ川澄マレンとつき合ってたんで、結局どこにも行ってはいないが、そんな誘いの電話からちょうど一年が過ぎようとしていた今日の夕方、昼寝をしてると、ふたたび彼女から電話がかかってきた。

「盆踊りを見に行かない?」

 マキコはそう切り出すと、一年前に受話器の向こうでささやいた台詞を少し変化させながら最後に笑ってこういった。


「マレンと別れたんなら、もう遊びに行っても怒られないでしょ?」って。――

(そういえばクラスは違ったけど、マキコもマレンのことは小学校の頃から知ってるんだよな)

 寝ぼけながらボクは、つい、

「べつに行ってもいいんだけどね、……」

 って、答えてしまったもののあまり気乗りはしていなかった。

(っていうか、はたしてマレンとは、完全にもう別れてしまったのだろうか? ……)

 佐藤マキコのことが嫌いなわけではないけれど、ボクの心のなかはまだマレンの面影の欠片(かけら)ばかりで満ち溢れてしまってたんだ。しかも激烈な後悔の余情を伴いながら、……
 
 きっといまならば「はじめて誰かを失ってしまった」喪失感をボクに残して去っていったマレンに伝えられる言葉なんていくらでもあるんだろうな、とは思う。――――



 1983年9月2日(金) 中学3年の二学期
 5時間目の授業が終わる頃、

 オーストラリアのバンド、ムービング・ピクチャーズが去年リリースしたデビューアルバム『デイズ・オブ・イノセンス(Days Of Innocence)』の7曲目に収録された「いとしのシェリー(Sweet Cherie)」のエンディングフレーズがフェードアウトしていった。――

 ウォークマンの停止ボタンを押すとヘッドフォンを外し、ボクは南側の窓から晴れ渡る空を見つめた。
(しかし、昨日降った大雨はすごかったな。あの雨で、一瞬のうちに街の汚れがすべて洗い流されてしまったような気がする)

 このアルバム自体、まともに最後まで聴いたことなんてないけれど、中2のとき、ラジオから流れてきた「いとしのシェリー」を、はじめて聴いたマレンが、

「この曲ってさぁ、なんだか、すごくせつなくなる曲だねぇ」

 と、やけに気に入ってたんで、なんとなくLPを買ってみたんだ。たまたま今朝、カセットを選んでるとき、ふと、そんなマレンの言葉があたまをよぎった。そして、最近ほとんど聴くこともなくなってたこのアルバムのカセットを、ケースの奥のほうから探し出し、ウォークマンに挿し込んだんだ。――





【2013.05.10 記事原文】

オージー系ロックバンドであるムービング・ピクチャーズが
1982年にリリースしたUS1stアルバム『Days of Innocence』 ☆

ボクがこのアルバムを買った最大の理由は・・・
単にこの曲が聴きたかったからですねぇ☆

「Sweet Cherie」

まぁ今聴けば何てことない気もしますけど・・・
やはり当時の思い出のシーンと併せて記憶された曲って
どうしたって心に深く刻まれててしまうもんですわ♪


このアルバムジャケットって
当時 " ベストヒットUSA " で良く見た気がするんですけどね。

この曲自体は ビルボードチャートにランクインしてなかったんですね・・・

まぁ 確かにベストヒットって
「ラジオ&レコーズ」のチャートがベースだったんですけど

はて? 

この曲ってソッチのチャートではランクインしてたんだろうか???


まぁ どうでも良いです。。。


いずれにしたって 「Sweet Cherie」のイントロが流れると
この曲のメロディの中に染み込まれた中2のときのセピアカラーな思い出が
心の中に蘇り 何だか鼻の奥をくすぐられるような 
そんな郷愁の想いに駆られてしまいます・・・




【2012.03.21 記事原文】

軽~い演奏なのに ちょいギャップのあるシャウトめなヴォーカル。
何となく印象に残ってたのでムービング・ピクチャーズの
「Sweet Cherie」をご紹介しておきます。

どことなくチェッカーズのナンバーっぽくも聴こえるケドねぇ。




Sweet Cherie - ムービング・ピクチャーズ
1stアルバム『Days of Innocence』 1982年

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