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【ALOHA STAR MUSIC DIARY No.13】 Corridors Of Power - ゲイリー・ムーア

【ALOHA STAR MUSIC DIARY No.13】 Corridors Of Power - ゲイリー・ムーア



前々回のお話
前回のお話


エピローグ


1982年12月


両親や妹はすでに寝ているようだった。
静かに玄関の扉を閉め 暗がりの中を手探りで階段まで辿り着く。
今日はシャワーに入るのを諦めて すぐに2階の部屋へと上がった。

壁を何箇所か叩くようにして照明のスイッチを探し出し電気を点ける。

天井に直付けされた白い蛍光灯の灯りを ほとんど掃除した覚えのない
乳白色のくすんだ照明器具のカバーが塞いでる。

ぼんやりとした色味のせいなのか 部屋の中は外よりも遥かに寒く感じられる。
ボクは何だかものすごく孤独な気分になっていた。

今日はあまりにも長い時間をマレンと過ごしたせいで
余計にそう感じるのかもしれないな。


時刻は深夜の1時を少し過ぎている。
ボクは彼女に貰った手袋を外し 床に置かれた小さな暖房のスイッチを押す。
暫くは何の反応もなく ただ着火準備をしている金属音だけが
「カチカチ」と不規則に鳴り響いていた。

荷物をソファに放り投げると そっと下の階へと降りていき
応接間のサイドボードに飾られた親父のオールドパーを手に部屋へと戻った。

そして再びマレンからの手紙を読み直す。


「Merry Christmas! 来年のクリスマスも絶対一緒にいようね!
あと 早くあたしの曲を作ってね! I LOVE YOU」


オールドパーのキャップを外し そのキャップの内側にウイスキーを注ぎ込む。
そしてほんのちょっとだけそれを飲み込む。
生ぬるいはずの液体が 一瞬にしてボクのノドを焼いた。

当然ながらボクは普段 酒などは飲まない。
小学校のときにイトコたちとどこかへ旅行に行った際、
一度だけ親が寝静まってからイトコに薦められてウイスキーを飲んだことがある。

トロっと苦々しい麦の風味は
まるで未知なる異物を飲み込んだような感覚だった。
ボクは鼻から抜けるアルコール臭に思わずむせ返った。
想像してたよりも明らかに不味いものだった。
それ以来 アルコールを飲んだという記憶は一度もない。


彼女のための歌詞をすでに何曲かは書いていた。
曲だけならば簡単に出来る。
でも。歌詞だけはやっぱすごく難しいのだ。

炎が暖房内で着火する音が聞こえた。
灯油の匂いと共に温風が吹き出てくる。
この匂いはキライではない。

でも無駄に天井が高くて広いこの部屋を
この小さな暖房の暖かさが完全に満たすことはいつもない。


歌の歌詞ってリアリティがあるほどに恥ずかしくなり
もしもリアリティを無くせば何も伝わらなくなるものだ。

「リアリティね。。。」

ボクの素直な気持ち。
マレンに対する今の気持ち。。。
今日であれば きっとその気持ちを歌詞にすることは容易く出来るに違いない。
でも 明日も同じ気持ちなのかどうかは分からない。


ボクはヘッドホンを耳にあて レコード・プレイヤーに入れっぱなしだったLPに針を落とす。
先月買ったゲイリー・ムーアのアルバム『Corridors Of Power』のオープニングナンバー
「Don't Take Me for a Loser」の重たいリフがズシンと流れてきた。


Don't Take Me for a Loser




ヘッドホンのコードが抜けないように気をつけながら
ボクは絨毯の上に腹ばいになって寝そべった。


キャップの中にはまだ半分以上のウイスキーが残っている。
それを再び口に含む。
今度はすぐには飲み込まず 舌のうえでその液体を味わってみる。

口の中全体が痺れてくるのをボクは我慢してから
少しづつ喉の奥へとウイスキーをゆっくり流し込んでいった。
さっきの焼けるような感覚には多少慣れてきたように感じる。
それでも痛いような痺れは甘苦い麦の風味と共に口の中に暫く残っていた。


ボクは相変わらずマレンからの手紙を読んでいた。

「I LOVE YOU」

この言葉を歌詞の中で使ったことは今まで一度もなかった。
あまりにもキザに思えたからだ。
でも「愛してる」というよりは何となく軽いフレーズなんだな。
と彼女の絵のように特徴のある丸文字を見ながら思っていた。


ヘッドホンの中からは「Always Gonna Love You」の
哀愁を帯びた切ないピアノのイントロが流れてきた。
少しだけアンプのボリュームを上げる。

LPのジャケットからライナーノーツを取り出し
何となく英語で書かれたその歌詞を眺めてみる。

良く判らなかったけど「いつまでもキミを愛し続けよう」
というような感じの意味なんだろうな。


Always Gonna Love You





最初にこの曲を聴いた時から
哀しげなイントロのメロディをすっかり気に入っていた。
学校から帰ると 応接間に飾られすでに使われなくなっていた
妹のピアノで何度もこのイントロだけを繰り返し弾いた。


アルバムはトラディショナルなハード・ロックナンバー「Wishing Well」から
フィルインするリードが切れまくる「Gonna Break My Heart Again」へと続く。


ボクはさっきまですぐそこに感じていた
マレンのヘアコロンの香りを思い出した。

キスしたときって目を閉じてたんだっけな。

彼女の家の近くで起こった数時間前のシーンを
あたまの中で何度も再現してみたが
目を閉じてたかどうかは どうしても思い出せなかった。

「もしあのまま二人でどこかへ行ったならば今頃どうしてたんだろう」

A面のラストを飾るスローなバラードナンバー
「Falling in Love with You」が掛かると
その想像はボクの心の中で様々な形となって急速に膨らんでいった。


Falling in Love with You




「Falling in Love with You」って
「あなたと恋に落ちる」
そんな意味なんだろうな。

もしかしたら「恋に落ちる」ってこういう気持ちなのか。

ボクらはまだ たかだか14歳(ボクはまだ13歳だが)。
この歳でこんな気持ちになるのってどうなんだろう。
でもきっと年齢なんて関係ないんだろう。

13歳のボクにとっては14歳の彼女のことを今ただ単に大切な気がするだけ。
今日だけかもしれないし 永遠にずっとそう想うのかもしれない。

ボクはキャップの中に残ったウイスキーをようやく全て飲み干した。

「酔う」というのがどういう感覚なのかは良く判っていない。
でも 彼女への想いにここまで100%支配されているのは
多少は酔っているせいなのかもしれないし
全く酔ったこととは無関係なのかもしれない。


このアルバム『Corridors Of Power』B面の1曲目「End of the World」から
2曲目「Rockin' Every Night」に繋がる流れはボクがこれまで聴いてきた
あらゆるロックアルバムの中でも最高だと思っている。

特に「End of the World」の神業的なイントロのギターソロは、
フルヴォリュームで聴くとホントに鳥肌が立つ。
まだ先月買ったばかりなのに 果たして何回この曲を聴いたことだろうか。

でも今日はB面を聴くのを止めることにする。
「Falling in Love with You」のシックなメロディラインが暫く心に残っていた。

ふいに南に面したガラス窓を開け放ち ボクはベランダへと降りた。
ほのかに甘い「冬の匂い」を冷たい風に感じ取る。
静まり返った夜の住宅街には 普段の生活で決して感じることのない
「キーン」と高い周波数の 乾いた日常の残響音が充満しているようだった。

あまりにも澄んだ空気のせいだろう。
全ての星が その輝きをこぼれんばかりに溢れ出させている。

その存在を忘れるほどに
すっかりボクの胸元に馴染んでしまっていたシド・チェーンが
冬の寒さを思い出したかのようにして 辺りの冷気を吸い込んでいく。

ボクはマレンの家がある西のほうを見つめた。

もう彼女は眠ってしまったのだろうか。
彼女は今 どういう気持ちで眠っているんだろう。

きっと気のせいなんだろうけど
彼女も何となくこちらのほうを見ているように思えた。

「明日電話してみようかな」

そういえば。。。
ボクのほうからマレンに電話したことなんて今まで一度も無かったな。

星々は自らの周りに光の層を纏いながら漆黒の夜空の中に滲んでいる。
それらは小刻みに揺れ動いているように思えた。
まるで聖夜を祝福するイルミネーションの光のように。

「I LOVE YOU。。。I LOVE YOU。。。」

ウイスキーで火照った顔を夜風で冷やしながら
ボクは心の中で何度かその言葉を繰り返していた。




Corridors Of Power - ゲイリー・ムーア



Side A
 1 Don't Take Me for a Loser    
 2 Always Gonna Love You    
 3 Wishing Well    
 4 Gonna Break My Heart Again    
 5 Falling in Love with You    

Side B
 1 End of the World    
 2 Rockin' Every Night    
 3 Cold Hearted    
 4 I Can't Wait Until Tomorrow    

リリース 1982年11月|レーベル Virgin

速弾きギタリストとしてスキッド・ロウやシン・リジィで活躍したゲイリー・ムーア氏。
アメリカではセールス的に成功しなかったもののヨーロッパや日本に熱狂的なファンが多いですね。そんな彼が1982年にリリースした『Corridors Of Power (大いなる野望)』は、
彼のライティング・スキルと超絶なギタープレイが見事にマッチした,まさにロックの名盤と言える1枚でしょう。

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