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未来に残したい洋楽&邦楽の名曲

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【Re-Edit】 The Water Is Wide - Karla Bonoff 【70年代バラード】

【Re-Edit】【70年代洋楽バラードの名曲】


The Water Is Wide






1983年9月13日(火)

すでに昼の11時を少し過ぎていた。――
ボクたちは、背の高い樹々に左右を囲われた、建長寺の長い石階段をのぼりきった最奥部にある、「半僧坊」と呼ばれる高台から、幾重(いくえ)にも重なった、色深き樹林の枝葉の向こうに建ち並ぶ山門や仏殿の屋根を見下ろしている。

(ずいぶんと高いとこまで登ってきてたんだな。――そういえば、この天狗像たちが参拝客を出迎えている展望台からの眺めこそ、唯一、ボクの幼い記憶のなかに残されていた、この寺の風景だったはずだ。だけどその当時、これほど高いとこまで登ってきたっていう覚えがまったくないし、……それに、こんなにいっぱい天狗がいたっけなぁ?)

眼下の崖に転々と佇む小さな天狗像たちを見つめながら、多少、曖昧な記憶と乖離(かいり)していたそんな景色をぼんやりと眺め続け、ふとボクは、山間に響く蝉の鳴き声がすっかり小さくなってしまっていたことに、いまさらながら気づかされる。

「このペースだとさぁ、予定のコースを全部まわるのは絶対無理だよね?」

と、林ショウカが小さな顔を少し曇らす。
本当であれば円覚寺を出たあと、鎌倉街道を向こう側へと渡り、源氏山の麓(ふもと)にある「縁切寺(駆け込み寺)」として有名(らしい)な東慶寺と、そこから鎌倉街道を少しのぼった先の浄智寺を訪れる予定だった。

けれど、今回の先導役を買って出たショウカが、ボクたちを先に建長寺へと案内してしまったことで、その手前にあった道向こうの2つの寺院を素通りしてしまっていたようだ、

「でもまぁ、いまさら戻るのもなんだか面倒くさいしね」

と、ボクは小天狗たちの背中の羽を見つめながら笑う。そして「半僧坊大権現」と書かれたのぼりが無数にはためく、コンクリートで塗り固められた石塀から、建長寺の全景の向こうに広がる鎌倉の山々を見つめ続ける李メイの横顔に目をやる。

一見、クールに思えるメイの瞳はいつだって『なにか』によって曇らされてる。それがなんなのかはボクにもよくわからない。けれど、もし深い哀しみ色したせつなさを、心に抱え込んだとするならば、人はみな、誰もがきっと彼女と同じ翳(かげ)りを瞳のなかに宿すことになるはずだ。――なんとなく、そんな気がする。

「あぁっ! 忘れてた!」

突然、ショウカがそう叫ぶ。

「そういえばさぁ、すっかり忘れてたけど、発表会のときの写真を撮らなきゃいけなかったんじゃん! 田代君、カメラ持ってきてるんでしょ?」

ショウカに問い詰められると、田代ミツオはうなずき、カバンのなかからカメラを取り出す。

「もう! だったらなんで、『写真は撮らなくていいの?』って、教えてくれないのよ! さっき円覚寺の写真、撮り忘れちゃったじゃん!」

続けざま甲高い声でショウカにそう怒られて、田代はずんぐりした背中を小さく丸め込む。

「けどさぁ、さっきは写真どころじゃなかったじゃん。だって、いきなり2人で、あの不良連中を走って追いかけていっちゃったんだから」

そういってショウカをなだめると、ボクはカメラを手にしょんぼりうつむく田代に笑いかけた。

「まぁ、せっかくだから、記念にここで一枚くらい写真でも撮るべか」

田代は、なにもいわず少し歩いて距離を取ると、展望台の石塀に沿って並んでいるボクらのほうへとカメラを向ける。慌ててファインダーの外側へ逃げ出そうとする小山ミチコをメイが呼び止めた。

「ミチコ、――別に誰かに見せるわけじゃないんだから、みんなで一緒に撮ろう?」

穏やかな口調でメイがそういうと、ミチコは少しはにかみながらボクらのほうを振り返った。ふたたびメイが、薄紅色した唇を微(かす)かに開く。

「こうしてみんなと一緒にいるんだから、一緒に撮ろうよ。ね?」

優しく諭すようにそういわれると、ミチコは下を向きながら戻ってきて、細い体をボクのうしろ側へと隠すよう、一番後方の場所をみずから選ぶ。ボクは彼女を肩越しに見つめ、

「オレのほうがキミより背が高いんだからさぁ、オレの前にくれば?」

と、いって、右ひじを柔らかく掴むと前へと引っ張り、その細い背中を軽く押す。
ボクに触れられたとき、一瞬「ビクッ」としたけれど、ミチコはそのままボクのすぐ前に立ち、カメラを構える田代を見つめた。

するとミチコの少し前にいたメイが「チラッ」と振り返り、すぐ右隣までうしろ向きに二、三歩さがってくると、やがてミチコの細い両肩にそっと手を置いた。ショウカはそんな2人の前に笑顔でかがみ込んだ。

「カシャッ」――田代がシャッターを押す。するとショウカが大きなアニメ声で笑う。

「あのさぁ田代君、もし撮るならさぁ、なにかいってくれないとダメじゃん。はい! じゃぁもう一枚ね!」

ショウカにそういわれ、田代は、やや思い悩んだような素振りを見せたが、

「じゃ、じゃぁ、……撮るよ。――さん、はい、――」

恥ずかしそうに掛け声をかけ、シャッターを押した田代が、ゆっくりファインダーから目を離す。――彼はそのままなにもいわずに、じっとミチコのほうを見つめていた。ボクも、すぐ目の前にあるミチコのうしろ姿を、ただぼんやりと見つめていた。――細い肩を細かく上下に震わせながら、彼女はメイに、そっと背中を撫でられ続けていた。

(もしかしたらミチコにとって、これが、中学校に入ってからの3年間で、はじめて、ほかの誰かと一緒に彼女の姿が写し出された写真だったのかもしれない。――)

やがてボクは、田代がいるほうへと歩いていき、大きな声で彼にいう。

「そんじゃぁ、今度はお前もみんなのほうへ行け! オレが撮るから。――」



【ALOHA STAR MUSIC DIARY / Extra Edition】


【2012.03.20 記事原文】

誰が歌っている曲かは知らなくても、
一度は聞いたことがある歌っていうのは結構多いだろう。

この「The Water Is Wide」は、CM等で良く使われるが、
実際、カーラ・ボノフというアーティストを知らない人が多い。


そんなカーラの2ndアルバム『Restless Nights』から
「The Water Is Wide」を選曲♪

透明感のあるヴォーカル、歌詞、メロディ♪
三拍子揃った、まさに永遠の「ヒーリング・ソング」といえよう。

個人的に、彼女は70年代女性シンガーの中では最も好きですね。






The Water Is Wide - Restless NightsThe Water Is Wide - カーラ・ボノフ
2ndアルバム『Restless Nights(ささやく夜)』 1979年
アルバムお薦め度「持っていても良いでしょう」



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