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未来に残したい洋楽&邦楽の名曲

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【Re-Edit】 If I Don't Have You - Orleans 【70年代バラード】

【Re-Edit】【70年代洋楽バラードの名曲】


If I Don't Have You





I selected "If I Don't Have You"
from 4th album "Waking and Dreaming"
of Orleans released in 1974.



1983年9月13日(火)

鎌倉市北部と横浜市南部との境に位置する、標高約160メートルの大平山(おおひらやま)から、少し低い約140メートルの天台山(てんだいさん)を結ぶルートは、通称「鎌倉アルプス」と呼ばれ、鎌倉市内にいくつか定められたハイキングコースのなかでは、最長となる天園(あまくさ)ハイキングコースが、その山中の尾根筋に沿って整備されている。

建長寺で、もっとも高台にある半僧坊は、このハイキングコースへの入り口にもなっていた。――

【せっかくここまできたんだから、十王岩まで行ってみようよ】

天狗たちの見つめる長い石階段を、ボクたちが山門のほうへ、くだっていこうとしかけたとき、ショウカが急にそんなことを提案しはじめ、ボクたちは黙ってそれに従った。そしていま、時折、血管のように太い木の根がうねりながら足元に露呈した土褐色のダート路を、こうして歩いている。

「十王岩」――そう呼ばれる巨石の近傍(きんぼう)からは、どうやら鎌倉市内が、もっともキレイに一望できるらしい。

――半僧坊の本殿裏から、細い石段をしばらくのぼっていくと、「勝上献(しょうじょうけん)展望台」に到着する。この場所から、今日はじめてアクアブルー一色で満たされた湘南の海の青さを目にしたとき、なんだか少しだけ「ホッ」としたように思う。

ハナウタを歌いながら先頭を行くショウカの少しうしろを、メイとミチコが並んで歩く。そんな2人の背中を見つめるボクの数歩うしろを、田代はゆっくりついてくる。

高木に繁る緑の葉々の隙間から、眩輝(グレア)によって拡散させられた放射状の光輝が燦々(さんさん)と溢(あふ)れ返っている。その木漏れ日の眩(まばゆ)さは、この山に繁茂(はんも)する無数の樹々が吐き出す霧状の吐息を、ほんのり乳白色に霞(かす)ませているように感じられた。――

たしかにそれは、天から降り注がれた一瞬の微笑みのように神々しくもあり、何百年もの長きに渡って、この場所に棲み続けてるのであろう精霊たちの口元からこぼれ落ちた、淡い息吹きのようでもある。

(しかし、もしこのグループに林ショウカがいなかったら、ほとんど会話なんてものは成立しなかったんだろうな。――まぁ、メイと田代が、極端に無口過ぎるだけなのかもしれないけれど)

さんざめく葉々の揺らぎを木漏れ日の下に聴きながら、ボクは急に立ち止まり、うしろを歩く田代が隣に並ぶのを待つ。――怪訝(けげん)そうに、横目で視線を投げかける田代へ向かってボクは微笑んだ。

「――お前ってさぁ、普段、どんな音楽聴いてるの?」

別にそんなことを知りたかったってわけじゃない。本当は、さっき山門の楼上(ろうじょう)から小山ミチコを見つけたとき、どうして田代がいきなり彼女の名前を呼んだのか、――そっちのほうの真相が知りたかった。しかし田代は、そのとき意外なアーティスト名を口にする。

「ボクは、高中正義が好きかな」

「高中?」

高中正義の代表曲、「ブルーラグーン(Blue Lagoon)」くらいなら、なんとなく知っていたけれど、アルバムを聴いたことは一度もなかった。思わずボクは訊ねる。

「お前、エレキが好きなのか?」

すると、田代は口元にほんの少しだけ笑みを浮かべながらいった。

「高中の『虹伝説』ってアルバムが好きでね。ボク、いつかハワイに行ってみたくって、――このアルバム聴いてると、なんとなく浮かぶんだ。そんなハワイの情景が」

田代が笑顔を見せたことにも驚いたけれど、なにより彼の口から「ハワイ」という言葉を聞かされて、つい、ボクは田代の横顔に微笑みながら告げたんだ。

「オレもね、いつか行きたいなって思ってるんだよ。――ハワイにね」

ボクは田代と並んで落ち葉に埋もれた土肌の上を歩く。――なんの気なしに訊いた音楽の話が、ボクらの関係をうっすら変化させたのかもしれない。やがて、本当に訊きたかったほうの質問をボクは口にする。

「お前さぁ、さっき小山さんを見つけたときにさ、なんで彼女の名前を呼んだんだ? 別に変な意味じゃねぇけど、彼女と話したことなんてないんだろ?」

田代はじっと黙り込み、前を行くミチコの背中を見つめた。そして風のせせらぎのなかへ、やんわり言葉を溶け込ませていった。

「ボク、小山さんとは小学校の三、四年で一緒のクラスだったんだ」

「えっ? あぁ、そういえば同じ小学校だったな、お前たちって」

うつむく田代の横顔に、ボクはつぶやく。

「彼女とは一度も話したことはないけど、――でも、ボクはずっと見てきた。いままで彼女がどんなことをみんなからされてきたのか、を。――でも、変わると思ったんだ。中学校に入れば、きっと、そんな生活も終わるんだろうって思ってた。けど、――もっとヒドくなった。それに彼女は、もうすぐ本当にひとりぼっちにさせられてしまうんだ」

ボクには、そのとき田代がなにをいおうとしているのか、まだよくわからなかった。



【ALOHA STAR MUSIC DIARY / Extra Edition】



【2012.10.09 記事原文】

オーリアンズって世間的にはほとんど評価されてないバンドですケド。。。
個人的には好きなんですよねぇ♪

何とな~く自分たちの出来る範囲で音楽を作ろう!みたいな
ある種「収まり感」のあるサウンドが心地よいのですね☆

そんな彼らが1974年にリリースした4thアルバム『Waking and Dreaming』から
ほのぼのとした温かみを感じられる優しいバラードナンバー
「If I Don't Have You」をチョイス♪

ちょっと人恋しくなる肌寒い秋の夜更けには。。。
ジワジワと効いてきますなぁ。。。






If I Don't Have You - Waking & DreamingIf I Don't Have You - オーリアンズ
4thアルバム『Waking and Dreaming』 1974年

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