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【Re-Edit】 ブルースはお好き? - エルトン・ジョン 【80年代バラード】

【Re-Edit】【80年代洋楽バラードの名曲】


I Guess That's Why they Call it the Blues






I selected "I Guess That's Why they Call it the Blues"
from album "Too Low for Zero" of Elton John released in 1983.



1983年の洋楽ヒットチャートから


Epi-20

 1983年6月11日(土) 中学3年の一学期
 午後1時半過ぎ

この街に新緑の匂いがふたたび感じられるようになってくると、やがて風は変わる。晩春色した風景も少しだけ薄く青みがかった夏色へと揺らめきながら変化してゆく。蒸し暑さを帯びはじめた潮風を背中に受けて、放課後、ボクはマレンと松並木の通りを歩いていた。中学3年になってから毎週ではないけれど、土曜日の学校帰り、マレンはよくボクの家へ遊びにきている。「遊ぶ」といったって、FMラジオをずっと流しっ放しで、夕方まで他愛のないことを話したりしてぼんやり過ごす。ただそれだけのことだった。――

 マレンは、すっかり彼女の指定席となった南の窓際に座り込み、水無月(みなづき)の、ほのかな陽光を肩先に浴びながら相変わらずファッション雑誌かなんかを読んでいる。

 ボクはソファにもたれかかってFM番組を聴いていた。――やがてスピーカーからはエルトン・ジョンの「ブルースはお好き?(I Guess That's Why They Call It The Blues)」が流れてくる。

「エルトン・ジョン」 と、いわれても、爽やかなピアノのメロディが心に残る「僕の歌は君の歌(Your Song)」くらいしか彼の曲を知らない。でも、この「ブルースはお好き?」のPVを、こないだはじめてテレビで観たとき、なんだかやけに感動したんだ。

「川澄、――」

 ボクは窓際に座るマレンのほうを見つめた。

「えっ?」

 雑誌から目を離し、少しだけ顔をあげると、マレンはその大きな瞳をボクのほうへ向ける。

「オレさぁ、最近、この曲がすごく好きなんだよね」

「ん? この曲って 誰の曲なの?」

 と、マレンは少し微笑み、そう訊いてきた。

「エルトン・ジョン」

「ふ~ん」

 濃紺色した制服姿のマレンは雑誌を閉じると立ちあがり 、ソファに背中をもたれかからすボクの右隣へ、ひざを抱えて座り込んだ。

 レースのカーテンに遮られた初夏の白く柔らかな陽光が、ペーパーフィルターで「ろ過」されたよう南の窓から力なく射し込んでいる。時折吹き込む少し湿った潮風にカーテンがふわりと舞っていた。――

「プロモーション・ビデオでね、男女数人がチークダンス踊るシーンがあるんだけどさぁ。
なんかね。その感じがすんごくいいんだよ」

 そうボクがいうと、「ニヤニヤ」なにかを思いついき、マレンは少しだけ嬉しそうに微笑む。やがて彼女はゆっくり立ちあがると、ボクの左手の指先を引っ張った。

「……じゃぁさぁ、踊ってみようよ。 カミュちゃん」

「えぇっ! いいよ、別に」

「いいから。 ほらほら!」

 そういって、照れてるボクを強引に立ちあがらせたマレンの左腕が、そのまましなやかにボクのうなじのあたりを抱きしめる。――

「なんかさぁ、スイミングスクールで行った合宿のとき以来だね。カミュちゃんと踊るのって」

 そういって微笑む薄茶色の大きな瞳がすぐ目の前にある。

「あぁ、あの夜、フォークダンスだかを踊らされたんだっけか?」

 と、ボクは彼女の右耳の近くでささやいた。仕方ないんでなんとなく、ゆるやかにステップを踏みはじめると、胸のあたりにマレンはそっと左の頬を寄せてきた。――ボクも、その背中をほんの少しだけ自分のほうへと抱き寄せる。気づかれない程度に少しだけ、その指先に力を込めて、――

(なんだろう、この感じは? まぁいいか、……)

 番組がとっくにCMに入ったことなど気づかぬ振りで、ボクたちは柔らかな陽射しのなかをしばらくは、そんなふうにし、揺らぎ続けた。――

 ウチの親父も母親も、マレンのことは小学校の頃から知っている。かつてボクらが通ってたスイミングスクールの行き帰り、彼女をウチの車で送ってあげたことが何度もあったからだ。けれど中学に入ってからの彼女のことはまったく知らない。だから久しぶりに大人びた彼女を見たときには「マレンちゃん、すごく可愛くなったわねぇ!」と、母も相当、驚いたようだった。

 マレンは、たまにウチの親に勧められ一緒に夕食を食べていくこともあったが、特に遠慮も緊張もせず、いつもすごく喜びながら母のつくった手料理などをやたらと褒めたりしていた。

「マレンちゃんも、いつかカミウと結婚したら毎日食べられるようになるわよ」

 気分をよくした母親のそんな余計なひと言に、大きな瞳を瞬(しばた)かせ、マレンは「ニッコリ」何度も頷く。けれど、さすがにボクらはまだ中3だ。「結婚」という言葉に現実味を覚えることなどあるはずもなかった。

 このところ、両親と一緒に食事をしてるとき、ボクらはほとんど会話を交わしていない気がする。
 しばらく前からなにかのきっかけによって作り出された、どこかよそよそしい空気によって食卓が、なんだか急に居心地の悪い場所になっていたんだ。

 だから、こうしてたまにきて、いつもは無言の食卓を大いに盛りあげてくれるマレンには、ものすごく助けられてるんだろうなって思う。 ボクも、……そしてボクの両親も。――

 日が暮れてしまえば初夏の蒸し暑さも幾分和らぎ、潮風がほんのり優しく感じられる。けれど、もうすぐ静かなこの街に、あの騒がしい夏が訪れるのだ。――





エルトン・ジョン氏 1983年のアルバム『Too Low for Zero』から
スティービー・ワンダー氏がハーモニカを吹き
ビルボードのシングルチャートで最高4位を記録した
オールディーズアレンジなロッカ・バラード
「I Guess That's Why they Call it the Blues」をチョイス♪






I Guess That's Why they Call it the Blues - エルトン・ジョン
アルバム『Too Low for Zero』 1983年


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