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未来に残したい洋楽&邦楽の名曲

70~80年代の洋楽&邦楽を中心に未来に残したい名曲&名盤を独自にチョイスするBlogです☆
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Get Used To It - Roger Voudouris 【70年代ポップス】

【70年代洋楽ポップスの名曲】


Get Used To It 





少しだけスノッブを気取って、
Amazonあたりでもあまりコメントの付かないような
マイナーどころのアーティスト作品から、
曇り空の下でまったりドライブするのにお勧めなアルバムをご紹介☆

まずは、カリフォルニアはサクラメントのご出身らしい
AOR系男性SSWのロジャー・ヴードリスが1979年にリリースした
2ndアルバム『Radio Dream』から自身唯一のビルボードチャート入りを果たした
電子エフェクト掛け捲りな爽やか系ポップナンバー「Get Used To It」をチョイス☆


まぁ。ほぼ同時期にリリースされたマイケル・マクドナルド氏加入後の
ドゥービー・ブラザーズを代表する大ヒットナンバー
「What a Fool Believes」あたりを意識してるようにも思えますね♪

このロジャー氏のアルバム『Radio Dream』は、相当AORにハマらなければ、
聴くこともない作品でしょうけど、なかなかの佳作だろうと個人的には思います♪





Get Used to It - Radio DreamGet Used To It - ロジャー・ヴードリス
2ndアルバム『Radio Dream』 1979年



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I Won't Last A Day Without You - Carpenters 【70年代ポップス】

【洋楽70年代ポップスの名曲】


I Won't Last A Day Without You






 霞(かす)む天空のかなたから、音も立てずに儚(はかな)く舞い散る細雨の飛沫は粒を増し、やがて少しだけ雨脚は強まる。
 暖炉にくべられた薪(まき)が「パチパチ」と小さくはぜる音に似た心地よい響きだけが、ひとけのない神社の石畳をちからなく叩きはじめた。

 賽銭箱の脇に座り、ボクはこの雨景色を眺めている。
 梅雨空を覆うグレーがかった雲色は、意味もなく夕暮れまで駆けまわっていた小学生のときほどには嫌いじゃない――

 参堂のうえに溜まりはじめた雨水は、互い違いに配列された敷石の隙間を埋めるモルタル目地を伝(つた)いながら、アミダ状に石畳の両脇へとこぼれ落ちてゆく。やがて左右の黒土の僅(わず)かな窪みに、いくつもの水たまりができていった。

 雨脚がしだいに強まるにつれ、その水面(みなも)にはドット状の小さな水紋が無数に広がり、数輪の円弧をみちづれながら描きだしては、みずからの余韻のなかへと静かに消えていく――


 ケヤキ、えのき、むくのき、コナラ――様々な種類の老樹がこの神社の敷地を覆う。
 数えることを容易く諦めさせてしまうほど、無限に纏(まと)われた枝先の葉々の表面を打つ「くぐもった」雨音が、人為的な日常の雑音を打ち消し、ボクの心に静穏の残響を刻んでゆく。気づけば、ボクはみずからの存在を忘れていた。風景と一体化し、それに違和感なく溶け込んでいたのだ――

 上空を覆い尽くす、小さな葉身一枚ごとに丸く溜めこまれた水滴は、雨風に扇(あお)がれると、時折激しく石畳の上へと落下し、「バチバチ」と大きくはねあがりながら舞い散った。巨大な老樹たちに囲われたこの境内は、相変わらず外側の世界から隔絶されており、そこを流れる時間のなかには、たしかに崇(あが)められるべき神仏の気息(きそく)が感じられる。

 ふと拝殿の脇に、円錐状の花穂を開花させている紫陽花(あじさい)を見つめた。
 宝石そのものが輝けないのと同じよう、どんなに美しい草花たちも、それを照らしだす光を浴びなければ、みずからの色彩を際立たせることができない。

 けれど、きっと紫陽花だけは違うのだろう。
 雨露と戯(たわむ)れ合うことで淡白なその花色は濃度を増しながら、冷酷なほど奥深い色味へと変化してゆくのだ。

『紺瑠璃(こんるり)の 花穂に湛(たた)えし 雨雫(あめしずく) 秘めたる想い けふも届かじ』
 
――そんな詩でも詠みながら、ボクは少しだけ風流人を気取る。
 光を纏(まと)わぬ紫陽花が浮かび上がらせる情念めいた色艶は、決して揺るぐことのない女性的な意志の強さを感じさせる。

 まだ雨はやまない。
 ボクは老樹たちが無限の葉々から溢(こぼ)し続ける雫の先を見上げた――



カーペンターズが1972年にリリースした4thアルバム『A Song for You』から、
ポール・ウィリアムス&ロジャー・ニコルズ氏ライティングのナンバーをカヴァーし、
ビルボードのシングルチャートで最高11位を獲得した
「I Won't Last A Day Without You」 をチョイス☆




I Won't Last a Day Without You - ア・ソング・フォー・ユーI Won't Last A Day Without You - カーペンターズ
4thアルバム『A Song for You』 1972年

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【Re-Edit】 What You Won't Do For Love - Bobby Caldwell 【70年代AOR】

【70年代洋楽AORの名曲】


What You Won't Do For Love





 1983年1月9日(日)午前1時30分過ぎ

 光の速さは、およそ秒速30万キロメートル――
 たった1秒で地球を7周半もまわれるスピードなのだという。もし星の光が何百年以上もかかってここまで到達しているとするならば、いったい地球とはどれほど距離が離れているのだろうか?

「あの星の輝きは数百年以上も前に放たれたものだ」
 幼い頃、誰かがいっていたそんな話に、この現実世界を大きく飲み込む巨大な宇宙の真実を知ったとき、まるで大海原を漂流しながら漆黒の海の底を覗き見るような思いがして急に怖くなった。美しく光り輝く星空を見上げながら、ボクがはじめて宇宙という存在に抱いた気持ち――
 それは間違いなく、「無限の距離感」というものに対する畏敬の念だったのだろう……

 今年に入ってから、家に帰るとマレンへ贈る曲の歌詞をずっと書き続けていた。けれど中学2年のボクが書く歌詞には、なにひとつとして現実味などは存在しない。特に恋愛の歌詞を書いていると、あまりに言葉が嘘っぽくなってきてしまい、いつも最後まで書き終えることができなかった。作詞用の大学ノートには、僅か数行程度で行き場を失くしたそんな文字たちが、脈略もなく、ただ綴られている――


「いずれにしても明日までにはムリだ」
 しばらく前から、ずっとその作業を中断していたボクは、やがてベッドで横になる。南側の窓には濃蒼色の冬の夜空が広がっていた。隣の家が2階建てに増築されるまで、この星空はもっとはるかに広かったような気がする。
 気圧のせいか、それとも温度差のせいだろうか。

 冬になると、よりいっそう重みを増すガラス窓のアルミフレームを多少の力を込めて少しだけ開け放つ。部屋のなかに一気に吸い込まれてくる、少し甘みのある「冬独特の匂い」を帯びた冷気を、分厚いかけ布団に包まりながら顔に浴びるのが少しだけ心地よかった。そっとリモコンで部屋の灯りを消す。夜空の色に目が慣れ始めると星々はその輝きを増していった――

 昼間、デパートにエレキギターを見に行った帰り、川澄マレンから「歌詞を見せろ」とせがまれた。けれど恋愛系の歌詞だけはどうしても見せられない。たぶん恋愛の歌詞が恥ずかしくて書けないようなヤツらがパンクとかのジャンルにいくのだろう。
 そんなパンク路線でも何曲か作詞に挑んでみたけれど、それはそれであまりにも内容が稚拙だし不自然過ぎた――

 窓の外に向かって、ボクは静かに息を吐き出す。それは最初、夜のなかへとまっすぐ伸びてゆき、次第にタバコの煙のように白く不規則にゆらめきながら、少し向こうの暗闇と溶け合い、やがて消えていった。白い霧状の呼気がカオス的に彷徨い浮遊する様(さま)を眺めながら、ベッドの脇に置いてある腕時計のライトを押す。すでに夜中の2時を少し過ぎていた。
 ボクはベッドに引っかけてあったヘッドフォンを両耳にあて、枕元のカセットデッキの再生ボタンを押す。このところ眠る前によく聴いているのは、ボビー・コールドウェルが1978年にリリースしたデビューアルバム『風のシルエット(What You Won't Do for Love)』。

 こないだ、たまたまイトコの兄貴の部屋で、無造作に散乱するカセットテープの山のなかから見つけだし、なんとなく借りてきたものだ。兄貴の部屋の床は、剥きだしのカセットテープでいつだって埋め尽くされている。きっとどれがなんのアルバムなのかは、もはや本人ですら一度聴いてみなければわからないのだろう。

 このアルバムは1曲目の「スペシャル・トゥ・ミー(Special To Me)」を飛ばし、2曲目の「マイ・フレイム(My Flame)」から聴くことが多い。スローテンポなイントロが流れ始めたことを確認してから首まで毛布を引っ張り上げ、開け放たれていたガラス窓のアルミフレームを左足で蹴るようにしながら閉めた。

 数年前までは、おもいっきり野球ができるくらいに広大な砂場だった家の前の空き地に、かつての思い出の遊び場としての名残りなど、もはやなにひとつも残されていない。

 中学に入る少し前、薄緑色の合成樹脂でコーティングされた格子状のネットフェンスが、家の敷地と空き地との境界線上に張られたことで、そこを自由に行き来することができなくなってしまった。いまや、その格子によって隔絶されたかつての野球場は深々と掘削され、表面に湿り気を滲ませた茶褐色の土肌を、寒空の下、無機質に露呈している。

 その4分の1はすでに砂利が敷かれて駐車場と化し、4分の2が現在、住宅用の造成工事のさなかだ。残された4分の1の空き地には、その掘削工事で掘り起こされた赤黒い残土が山積みとなって固められたままに放置されている。
 いずれ来年になれば、この場所には何軒かの家々が互いに壁をこすリ合わせるようにして並び建つのだろう。かつて、ここがボクらの野球場だったなんてことなど、ボク自身もやがていつかは忘れてしまうのだろうか――

 ついさっきカセットデッキはリバースして、いまは5曲目の「カム・トゥ・ミー(Come To Me)」が流れている。
(この曲って、こないだ兄貴に借りたイーグルスのアルバムあたりに入っていそうだ。きっと「デスペラード」に似てるのかな?)
 この時間にもなれば、うす汚れたガラス窓の向こうには濁り気のない真冬の冷気が目に見えるほどに充満している。なにひとつ物音がしないせいだろうか? 

 ほとんど空気振動のない外側の世界で、その凍てついた冷気は微塵にも揺らがない。ほんの僅かな月明かりだけでも、真空状態のような別世界を向こう側に感じ取れた――

 タイトルナンバーの6曲目「風のシルエット(What You Won't Do For Love)」は、いままで好んで聴いてきたサウンドとは明らかに方向性が違う。もっと極端にいえば、それまで鼻で笑ってきた類いのヌルい音楽といえるのかもしれない。「なんでロック・フリークのイトコの兄貴がこんなアルバム持ってるのだろう?」と、最初に聴いたときには思った。

 まるでそっと指先で触れているだけのような控えめなバックアレンジ。
 もし昼間、この曲を聴いたのならば、こんな感情は絶対に抱かなかったのだろう。けれど、僅か数メートル四方のガラス窓の向こうに広がる、淀みも雑音もすべて凍りついた静寂の世界でならばたしかに通用する音楽だ。

 この街の灯りはさほど明るくないはずなのに、肉眼で見えるのはせいぜい2等星くらいまでだろうか? 冬の夜空のど真ん中にオリオン座を形成しているベテルギウスとリゲル。上辺の左端と、そこから斜めに星座を大きく縦断した右下すみで、鮮やかなシグナルレッドとアリスブルーに光り輝くそのふたつの偉大なる1等星を、街を包む、凍てついた冷気の彼方に見つめながら思う。
(いったいどこで見たんだっけな。まるで重力を無視するかのようにして夜空一面を覆い尽くしていた『凄まじいほどの星の海』を――

 そのとき、たかだか数年しか生きていない人生のなかで「もっとも美しいもの」を見たような気がしたんだ。たしかにそれ以上美しいものを見たことはいまだにない。いずれにせよ、人間がどんなに技術的な進化を遂げたとしても、無限の星空よりも美しい造形物なんて作れやしない。所詮ボクらは、こんなにも小さな有限世界のなかで、僅かな瞬間、そこに存在しているだけに過ぎないのだから……)

 アルバムは、やがて終盤のバラード「テイク・ミー・バック・トゥ・ゼン(Take Me Back To Then)」へと差しかかる。
(この曲も、この時間に聴くとまるで星空に吸い込まれそうな感覚になるな)
 ボクは幼い頃、誰かに聞いた「星の話」を思い出す。
 ふと、ベッドから抜け出しガラス窓をもう一度開け放つ。そして裸足のままで凍りついたベランダへと降りた。

 夜空の南東には、哀しげな三日月が「ぺったり」貼り付けられている。リゲルはすでに家の屋根の少し向こう側へと隠れてしまった。
 けれど、幾重にも光の輪郭を纏ったベテルギウスだけは、夜空を赤く滲ませながら、おおいぬ座のシリウスと、こいぬ座のプロキオンとともに、大きな正三角形を依然としてディープブルーな真冬のキャンバス上に描き続けていた。

 明日から3学期が始まるんだ――


【ALOHA STAR MUSIC DIARY 再編集版より】


【2012.04.29 記事原文】

このところ、ずっと聴きたかったこのゴージャス感満載なイントロ♪

ボビー・コールドウェル1978年リリースの1stアルバム
『What You Won't Do for Love』から、
まさに湾岸あたりのアーバンミッドナイトドライブにビシっとハマるナンバー!
これぞAOR!!な「What You Won't Do For Love」♪

いやいや・・・御懐かしゅう御座います☆






What You Won't Do for Love - Evening Scandal (イヴニング・スキャンダル)
What You Won't Do For Love - ボビー・コールドウェル
1stアルバム『What You Won't Do for Love』 1978年
アルバムお勧め度「☆名盤です☆」



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Sails - Orleans 【バラードの名曲】

【洋楽バラードの名曲】


Sails





朝焼けに色づきはじめた街並みは微塵も淀むこともなく、
風にたゆたう淡白(あわじろ)きパステルカラーの光のなかに包まれてゆく。

生み出された朝の光に、夕暮れの残光が濃厚な琥珀のなかに閉じ込めている
「永い歳月の深さ」のような力強さを感じることはない。

その光がもたらすものは、
昨日までの過去と決別した新しい未来の訪れ――
柔らかな希望への予感が、その淡白きシルクのような輝きのなかには、
いつだって「きらきら」と満ち溢れている。


アメリカのロックバンド、オーリアンズが1976年にリリースした
4thアルバム『Waking and Dreaming』 から、
そんな朝の光を見つめながら聴くのに最適なアコースティックなナンバー
「Sails」をチョイスです☆




Sails - Waking & DreamingSails - オーリアンズ
4thアルバム『Waking and Dreaming』 1976年



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【Re-Edit】 Wonderful Tonight - Eric Clapton 【70年代ロック】

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Wonderful Tonight






 あの頃は、「熱がある」だの「お腹が痛い」だのといっては布団の奥に潜り込んで、よく母親に仮病を使ったりしていたものだ。行きたくもない習い事を一方的に押し付けられることで、きっとボクらはリアリティのある嘘を知らずに覚えていくのだろう。
 川澄(かわすみ)マレンとは、消毒剤の塩化石灰が溶解し、うすら濁った水のなかで出会ったんだ。
 小学校の頃、そうやって親から無理やり通わされていたスイミングスクールの、半透明なプールのなかで――

 中学2年で川澄マレンと同じクラスになってからしばらく経つが、いまだにボクたちのあいだでは、挨拶程度の会話しか交わされていない。
 おそらくボクのほうが、不自然なくらい彼女から遠ざかろうとしているのだ。
 数年の時を隔て、久しぶりに出会った川澄マレンの瞳を、あの頃と同じように淡々と見つめることができなくなってしまった理由――
 それはきっと、上唇の左脇にむかしからある小さなほくろが、どんなに艶(あで)やかな化粧をするよりも、彼女を大人びて見せてしまっているせいなのだろう。

 月曜日の休み時間――
「みんなでさぁ。今週の日曜にドリームランド行こうぜ」
 いきなり斉藤ミツキにそう誘われる。僕はずっとシャトルループには一度乗ってみたいと思っていた。けれど、それ以上に乗りたかったドリームランドモノレールは、すでに運行が止まったまま、いまだにその錆びついた軌道だけが取り壊されることなく頭上には残され続けている。


「みんなって誰よ?」
 と、ボクはミツキに訊いた。
「こないだ大野に『みんなで行こう』って誘われたんだよ」
 と、ミツキは笑いながら答えた。
 大野スミカと川澄マレンは、このクラスで一番の親友同士だ。
「川澄も?」
 当然「そうに決まってるだろうな」って思いながらも、ボクは、わざとそんな質問をしてみたんだ――


 1982年7月24日(土)午後1時過ぎ

 土曜日の放課後――
 ボクらは4人で市営球場のほうへと向かう。もちろん川澄マレンや大野スミカたちと、こうして学校帰りに一緒の時間を過ごすのは、はじめてのことだ。南西のほうから吹き抜けてゆく、ぬるく湿った浜風が、市営球場に隣接している公園のベンチに自然と2組に分かれて座るボクたちに、なんとなく明日の天気のゆくえを気にさせている。
 ボクは梅雨曇りの空を見上げた。

「あのさぁ、最近って、ギター弾いてるんだって?」
 と、ベンチの右隣に座っていたマレンが、ふいにボクの横顔へと問いかける。
「あ……うん。だけどフォークギターしか持ってないんだけどね。」
 それが中学2年で同じクラスになった川澄マレンとの、短い日常の挨拶以外で交わされた、はじめての言葉だ。
 その言葉の間隔はだんだんと縮まっていき、知らずに空白部分を互いが補い始める。いままで、ほとんどまともな会話すらなかった2人から、「気恥ずかしさ」が作りだしていた不自然な距離感が自然と薄らいでゆく――
「いまってさぁ、どんな音楽聴いてるの?」
 と、マレンはさらに訊く。
「日本人のじゃないから、たぶんわからないと思うよ」
 ボクがそう答えると、マレンは大きな瞳を、ほんの少しだけ微笑ませ、そしていった。
「じゃぁさぁ、明日アタシに聴かせてよ」


 1982年7月25日(日)午前9時30分頃

 日曜日の朝――
 ボクたちは地元の駅で待ち合わせる。斉藤ミツキはまだ来てなかったけれど、川澄マレンと大野スミカはすでに駅前ロータリーに到着していた。
 マレンは小さな花柄がいくつも胸元に刺繍された白いワンピースを着ている。見慣れない私服姿の彼女に、少しだけ照れているのが自分でもわかった。
 だから、ちょっと遅れてやってきたミツキに対して、ボクはその照れを隠すようにしながらムダに絡んだのだろう――

 ホームで上り列車を待つあいだ、斉藤ミツキと大野スミカは、さっきから大笑いしながら2人だけで盛り上がっている。ボクの隣には、線路の上にこぼれ落ちる初夏の陽射しを静かに眺め続けるマレンがいた。
 うっすらと微笑む彼女の視線のなかに、そっとウォークマンを差し出す。

「いま、オレが一番よく聴いてるLPって、これなんだけど」
 大きな瞳で振り向いたマレンが、やがて不慣れな手つきでヘッドフォンを耳にあてると、ボクは早送りしておいたカセットの再生ボタンを押した。
 きっとエリッククラプトンの「ワンダフル・トゥナイト(Wonderful Tonight)」のイントロが始まったはずだ。
(彼女はどんな気持ちでこの曲を聴くのかな?)
 彼女の白いワンピースの裾が風にそよぐたび、ボクの左足をくすぐる――

「すごくいい曲だねぇ」
 聴き終わったマレンは、静かにヘッドフォンをボクに手渡す。それを受け取ろうとした瞬間、ほんの少しだけボクの小指がマレンの細長い人差し指に触れる。彼女は特にそのことを気にするような素振りもみせずに「また今度、聴かせてね」と笑った。そのときはじめて彼女の瞳の色がこんなにも薄茶色をしていたことに、ボクは気付いた。

 初夏の陽射しを遮(さえぎ)ることで立体的に生み出された、駅のホームを覆いつくす濃厚な天井の影。そのなかを、ショートカットだった小学生時代の彼女の面影を消し去るようにしながら吹き抜けていった心地よい涼風に、長く伸びたマレンの黒髪がキレイにたなびく。電車の到着を待つ僅かな時間、スイミングルスクール時代の幼かった彼女の面影を、ボクがその風のなかに、ふたたび思い出すことなどはなかった――

【ALOHA STAR MUSIC DIARY 再編集版】


以前ボクが書いた小説を、現在、ソレっぽく(↑)再編集しております。
まぁ、以前のモノは、あまりに素人っぽ過ぎたもんでねぇ。。。



【2012.03.20 記事原文】

ボクが9歳の頃、当時中学生でエレキを弾き始めたばかりの
いとこのアニキがカセットに録音してくれたのが、
クラプトンの『461 オーシャン・ブールヴァード』と
『スローハンド』の2枚のアルバムだった。

名盤とされる2枚であったが、無論その当時のボクに、
このアルバムを正しく評価しろ!というのは不可能だったのである。


しかし「コカイン」の渋~いギタリフから曲調が一転し、
「Wonderful Tonight」の静かなイントロが流れてきたときは
素直に感動したものだ。


まぁ、今日においても
ソロとなったクラプトン初期の代表曲として愛されて続けているのは、
「コカイン」とのあまりのギャップさにヤラれた人たちも
多かったということなのかもしれない。






Wonderful Tonight - Slowhand (Remasters)Wonderful Tonight - エリック・クラプトン
5thアルバム『Slowhand』 1977年




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想い出がいっぱい - H2O 【バラードの名曲】

【邦楽バラードの名曲】


想い出がいっぱい





「この街で桜を見られる場所なんて、ほとんどない」
 と、彼女はいった。
 たしかに川澄マレンのいうとおりなのかもしれない。
 もし春光きらめく麗(うらら)かな空を、桜花が花信風(かしんふう)にそよぐ風景があるとするならば、それはきっと小、中学校の裏庭くらいなものだろう。

 この中学の正門に面した通り側を囲う、黄緑色の合成樹脂で覆われたネットフェンスに沿って、ソメイヨシノが、互いに枝先の当たらぬ程度の間隔をあけながら植樹されている。マレンはずっとその、ほんのりとピンクに色変わりし始めた花びらを嬉しそうに見上げていた。

「アタシさぁ、小学校の校庭にあったサクラがね、すごく好きだったんだぁ」
 ボクを見つめる彼女の大きな瞳に、微かな追憶の色が映し出され、微笑む口元には、ノスタルジックな優しさが、そっと浮かびあがる。小学校に植えられていたサクラの木はたしかに、この通りの頭上を覆う樹々よりも遥かに大きく、そしてもっと優雅だった。

 最後にそれを見たのは小学校の卒業式だろうか? 
 考えてみれば、まだ、あれからほんの数年しか経っていないんだ。もっとずっとむかしの事のようにも思えてしまう。すぐ手が届くほどの鮮明な記憶の余韻が覚めやらぬうちに、なんだか、ものすごく大人になってしまったような気がする。ボクも、そしてマレンも――

「川澄――」
 ボクは、ポケットを探りながら彼女の名前を呼ぶ。
 マレンは薄茶色の大きな瞳をボクへと向けた。

「よくわかんないケド、とりあえず作ったから」
 ボそういって、マレンに1本のカセットテープを差し出す。
 こないだ、ピアノの脇の応接テーブルにカセットデッキを置いて録音したものだ。
 もちろんマイクなんてないのだから 音質なんか相当にヒドいままだった。

 それにしても、いざカセットデッキの録音ボタンを押してから歌うと 、普段は苦もなく弾けているのに、どういうわけだか緊張してしまい、指先が思うように動かなくなる。演奏しながらホンキで歌うってことが、こんなにも難しいものだとは思ってもみなかった。
 結局、どれだけ演奏しなおしても最後までミスらずに弾くことはできず、仕方なく6回目くらいに録った、いちばんマシなテイクを選んだ――

「聴いてもいい?」
 嬉しそうにそういうと、マレンはカセットをケースから取り出し、ウォークマンに挿し込む。彼女が再生ボタンを押してからの数秒間、ボクは不安と恥ずかしさが入り混じったなんともいえない気持ちになっていた。
 ――イントロが始まった頃だろうか。マレンの顔からは、だんだんと微笑みが消えていった。そして長いまつげで大きな瞳を閉ざしたまま、まったく動かずにその曲を聴きはじめる。

 おそらく1番が終わった頃――
 彼女は、まだ芽吹くには、ほんの少しだけ早いサクラのつぼみが、柔らかく溢れ出る喜びに、つい花冠をほころばせてしまったかのような微笑みを口元に湛え、薄っすら開かれた薄茶色の大きな瞳で一瞬、ボクのことを見つめた。

 気恥ずかしさを隠すのに精一杯だったけれど、ボクも彼女に少しだけ微笑む。すると、ふたたびボクをその場へ置き去りにするように、マレンの大きな瞳は、長いまつげで閉ざされていった――

 ようやく曲が最後まで終わったらしく、彼女はヘッドホンを外す。「どうだった?」 なんて、とてもボクのほうから訊けなかった。ちゃんと告白するよりも、なんだかずっと恥ずかしい気分だった。

「――これって パルが弾いたの?」
 と、マレンはウォークマンを見つめながらいった。
「うん、ちょっとミスったんだけどね」
「スゴイよ! パルって、こんなに上手にピアノも弾けるんだね」
 と、マレンはボクのことを見つめた。
(いや、ピアノが弾けるというよりも、この曲だけは弾けるんだけどね)

「もう、一回聴いてもいい?」
 そういいながら、マレンはカセットテープを巻き戻すと、またヘッドホンを耳にあてる。
彼女の顔からはさっきと同じように、だんだん微笑みが消えていく。そして静かに、長いまつげで大きな瞳を閉ざした……

 ――緩やかなカーブを描く上瞼(うわまぶた)が、ふたたび開かれたとき、その長いまつげに引き連れられるようにしてマレンの瞳からは、ゆっくりと――そしてだんだん、とめどなく涙が溢れ落ちた。

 彼女は、その涙を拭うよりも先にボクの胸へとしがみつき、そしていった。
「――すんごくいい曲だよ。ぜったい一生大事にするからね。ありがとう、パル。ずっとさぁ、ずっとこの曲をアタシのために歌ってくれるんでしょ? アタシもね。この曲と同じ気持ちだよ。同じくらいにずっと愛してる……パルのことを……ずっと」

 マレンは、いままでで一番嬉しそうな笑顔を、溢れ出る涙で染めあげていきながら、胸元のウォークマンを大事そうに抱きしめていた。ボクは、彼女の肩を、そっと左腕で包み込みながら、枝々を満たし始めたサクラの花の色を見上げた。この淡紅の花の色を目にした数だけ、ボクらは大人へと成長してゆくのだ。

 そう。決してウソじゃない。もし、この曲の歌詞がボクの本心だとキミが思うのならば、変ないい方だけど別に「それでもいい」と思っているんだ。

 マレン。もしキミがボクと同じ気持ちならばね。「これは本心だよ」ってさぁ、いますぐ、キミのその大きな瞳を見つめたままでもいえるような気がするんだ。
それは本当だよ――




想い出がいっぱい - H2O
3rdアルバム『Emotion』 1983年



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オリビアを聴きながら - 杏里 【バラードの名曲】

【邦楽バラードの名曲】


オリビアを聴きながら






浜野ナオとの『飲み友達』のような関係は、
なんだかんだで、すでに3年が経過しようとしている。

その間、ずっとボクには長年付き合っている恋人がいて、
そして、浜野ナオにはボクしかいなかった――


厳密に云えば、すでに『飲み友達』という言葉で、
僕たち二人のアンバランスな関係を定義することは、
もはや出来なくなってしまっているのだろう。

ただし僕自身、結婚をしていたわけでもなかったので、
世間的にいうところの「不倫」という間柄でもない。

しかし「気分」として、ずっとそういう意味合いをどこかに感じてはいる。
太陽の下を堂々と歩けないような感覚――
そんな後ろめたさが常に付きまとっていたことは確かだ。


ナオが中目黒に引っ越してから、早い時間に都内で飲んだあと、
ボクが彼女の家へ立ち寄る機会は、おのずと増えていった。
そう。後ろめたさを引きずりながらも、
僕にはそれを振り返ることなど出来なくなっていたのだ。

彼女と一緒にいるときに、彼女以外のものを見るような余裕――
そんなものは、だいぶ前に僕のなかから消えてしまっていた。

ナオが微笑んだときに漂わすメランコリックな物悲しさ。
それは、太陽の輝きではなく、朧(おぼろ)に輪郭を霞ませる、
月の淡い光が放つ青白い儚さのようだ。

どこまでも満たされることのない心の深淵のほうから、
遥か彼方に、ほんの小さな点として存在している希望の光を見つめ、
刹那に微笑むような――
ときどき、彼女はそんな表情をする。


すでに僕にはわかっていた。
ナオが見つめる希望の光、それはすなわち二人で過ごす時間から、
つきまとう、その後ろめたさを完全に取り払うことなのだということくらい。

いまの僕が同棲している恋人との関係を、もっとも悪く表現すれば、
学生時代から、ずっと一日づつ積み重ね続けてきた時間、
つまりは、そんな「惰性」に流されているだけに過ぎない。


何度か、別れを口にしようとも思った。
けれど、二十歳を挟んで継続されてきた恋人同士の間柄においては、
必要以上に「結婚」というものに対する奇妙なリアリティが、
その根底には残されている。

容易く別れを口に出来ないような感覚――
なにか「特別な誓い」でも交わしてしまったかのような、
そんな目に見えない制約が、僕の心変わりを許そうとはしてくれない。


一緒に過ごして来た「時間の重み」というものは、
唯一、衝動的な恋愛感情に歯止めを掛け得る現実的要素なのだと思う。

それ以外のものでは、こと恋愛において、
一度傾いてしまった相手への気持ちを思いとどまらすことなどは、
ほとんど不可能なことだろう。


けれど、ふたつの恋愛感情を同時に存続させることも、ほとんどない。
結局、どちらか一方の関係は「惰性」によって、ただ繋ぎ止められているだけに過ぎない。
それがいいのかどうかは、この年齢になっても相変わらず良くわからない。


クリスマスの少し前――
浜野ナオとは、これまでに通常の恋人同士が祝うべき
年中行事を一緒に過ごしたことは一度もない。
したがって今年のクリスマスも、ナオと過ごす約束などしていなかった。

もしナオがクリスマスに「どうしても一緒にいたい」と泣いて懇願したとすれば、
僕たちの関係は、暗黙のうちにつくり出されていたルールを、その瞬間に見失う。
それがあまりにも不条理な理屈であることなどは、とっくにわかっている。

けれど、この理不尽さのなかでしか、
僕たちが共に過ごせる時間を生み出すことは出来ないのだ……


「カラオケに行かない?」
その夜、ナオは微笑みながら、そう僕を誘った。

無駄に明るく、無意味にごった返したクリスマス直前の新橋駅界隈は、
連日の忘年会で慢性的に酔っ払っているサラリーマンたちが吐き出す、
日常生活への不平不満と、中年特有のアルコール臭で満ち溢れていた――


部屋へ通されると、薄暗い調光のままで僕らは暫く過ごす。
やがてオーダーしていたウイスキーの水割りが届けられ、
僕たちは、とりあえず乾杯を交わした。

二人の沈黙が、どこかの部屋から聴こえてくる
下手くそな酔っ払いの歌声を大きくさせている。
僕は歌の本をめくり、それを何となく聴いていた。

「やっぱり――」
ナオが美しい輪郭を保ったままで唇を静かに動かすと、
僕は彼女の声がする横顔のほうを見つめた。
「今年のクリスマスもやっぱり、2日間とも会えないんだよね?」
と、ナオはいい、水割りのグラスでその唇を湿らす。

「もしかしたらイブの夜なら少しだけ会えるかもしれないけど……」
僕は、ラッキーストライクを一本咥えながらいった。

今年のクリスマスは、どちらも平日にあたっている。
だから「イブに、会社の連中と軽く飲んでくる」
とあらかじめ同棲中の彼女にいっておけば、どうにか時間は作れるかもしれなかった。

「本当?」
ナオは大理石の彫刻のように、
上まぶたが緩やかなカーブを描き出す、
大きな二重の瞳を僕に向けて優しく微笑む。

薄暗いままの部屋の扉からこぼれてくる廊下の灯りが、
ナオの左側の表情だけをほんのりと強調させる。
ナオの口元に描き出された微笑のシルエットは、
まさに月の光が放つ淡い儚さそのものに思えた。

僕はもう、「彼女に聞いてみなければわからない」
などとナオには云えなくなった。


「私から先に歌うね」
微かな微笑みを湛(たた)えたままにそういうと、
やがてナオは、リモコンで何かの曲を予約した。

僕はタバコの煙を吐き出しながら、ふたたび歌の本を眺める。

やがて曲のイントロがスピーカーから聴こえてくる。
それはかつて、どこかで聴いたことのある曲だった。
何気なく僕はモニターに目をやる。


ナオが一曲目に選んだ曲は、杏里の「オリビアを聴きながら」――

僕は、マイクを手にしているナオの横顔を見つめた。
この曲は、たしか失恋ソングのはずなのに、
彼女の口元には、ずっと微かな微笑みが湛えられたままだった。

彼女の歌声とともに、モニターへ映し出される歌詞のテロップを目で追う。
なんだか、いつもはずっと閉じ込め続けたままの、
ナオの素直な想いを初めて聴かされているようで、
曖昧だった僕の心は、曲が終わるまでずっと、
狂おしいほどに揺さぶられ続けていた――




オリビアを聴きながら - Single - 杏里オリビアを聴きながら - 杏里 
1stアルバム『杏里 -apricot jam-』 1978年



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Twist of fate - Olivia Newton-John 【80年代ポップス】

【80年代洋楽ポップスの名曲】


Twist of fate





I selected "Twist of fate"
from Soundtrack album "Two of a Kind"
of Olivia Newton-John released in 1983.



1984年の洋楽ヒットチャートから


オリビア・ニュートン・ジョンさん&ジョン・トラボルタ氏が
1978年公開の『Grease(グリース)』以来、ふたたび競演を果たした
1983年の映画『セカンド・チャンス』の主題歌でオリビアさんが歌い、
ビルボードのシングルチャート最高5位を獲得のナンバー
「Twist of fate」をチョイス☆

なんとも80’sなエレクトリック系ダンサンブル・チューンですけどもね。
ライティングを手がけたのは、かのデイヴィッド・フォスター氏なんでござんす♪


ちなみに・・・
映画のほうの興行収益は相当に悲惨だったようで、
Wikiを引用すれば

”この失敗はトラボルタのキャリアにも影を落とし、
のちの『パルプ・フィクション』(1994年)で
再浮上を果たすまで約10年の歳月を要している”

ということのようですな。
オリビアさんのほうも・・・
コレ以降、主役級での出演はないようで。。。

まぁ、仕方ないっしょ☆



Twist of fate - オリビア・ニュートン・ジョン
オリジナルサウンドトラック『Two of a Kind』 1983年


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When You Gonna Learn? - Jamiroquai 【90年代ポップス】

【90年代洋楽ポップスの名曲】


When You Gonna Learn?





さて!
最近は、諸々の案件対応に追われ、
なかなかブログ更新ができておりませんです・・・

ちょっと前なら、帰宅してからドーンっと、
記事を書きまくるエネルギーもあったんですが、
ここんとこ、どうにも体力が落ちておりましてねぇ。。。

まぁ。どうにか時間を見つけて継続していくつもりですけど、
以前のように毎日更新!というのは、ちょっと難しいっすねぇ。。。

ただ週末には、なるべく記事投稿していくつもりなので、
たまに覗いてみてくださいね☆

で。
1992年、UKクラブシーンに突如として誕生したジャミロクワイ☆
こないだ彼らの楽曲を紹介したばかりですけど、
最近、BGMでよく流している初期のジャミロクワイ作品が、
どうにも個人的にはお気に入りなもんですんで、
ちょくちょくご紹介していこうかな?と思っております♪

そういう意味で、やっぱハズせないのは1992年リリースのデビューシングル
「When You Gonna Learn?」でしょう☆

アシッド・ジャズをベースに、
アフリカ民族系のネイティなサウンドエフェクトを取り込んだ
相当にクールなナンバーっす♪





When You Gonna Learn? (Digeridoo) - Emergency On Planet EarthWhen You Gonna Learn? - Jamiroquai 
1stアルバム『Emergency on Planet Earth』 1993年




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Michi - Surrender 【ダンスの名曲】

【邦楽ダンスの名曲】


Surrender





2009年ってことは、まぁつい最近メジャーデビューを果たした
UKとJPNのハーフ・ジャパニーズであるMichiさんが、
2008年にリリースしたインディーズistアルバム『MiChi MadNesS』から、
おそらくは、ここ数年において、最も最先端であろうと思われるトレンドを
如何なく放出しまくったクラブチューン「Surrenderをチョイス☆

UKアシッドジャズのフィーリングエッセンスと
ダンサンブルなエレクトリックフレーバーが妥協なく追求された結晶。
みたいな音ですね☆

「ハイクオリティ」なセンスを追求しまくったナンバーを
インディーズ時代には歌ってましたけど、
なんかその後、ちょっとパワーが落ちましたわねぇ。。。




Surrender - MiChi MadNesSSurrender - Michi
インディーズistアルバム『MiChi MadNesS』 2008年







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流れ星が好き - 尾崎亜美 【バラードの名曲】

【邦楽バラードの名曲】


流れ星が好き






ボクが小学生のころだったろうか――
知り合いから一匹の犬を譲り受けた。
犬種としては「ヨークシャー・テリア」であったが、
果たして純血だったかどうかまではわからない。
なんとなくほかの「ヨークシャー・テリア」とは、毛並みも顔立ちも異なって見えた
その小さな彼女にボクは「ジョー」と名付けた。

当時、テレビで再放送されていた『あしたのジョー』に、すっかりハマっていたからだ。
当然、メス犬につけるべき名前ではないとは思ったけれど、
ボクがどうしてもその命名を譲らなかったため、
3つ年下の妹などは大声で泣き出す始末だ。

やがて両親は中和策を思案し、お嬢様の「嬢」という意味合いをその名に持たせることで、
泣き続ける妹をどうにかこうにか説得したんだ。

ジョーがうちに来た頃は、親父が吸っていたマイルドセブンの箱と並べても、
ほんの少しだけ彼女が大きい程度で、犬毛もほとんど生えていなかった。
だから、それが本当に犬の子供なのかどうかさえも、
正直よくわからないような感じだった。

しかし、一ヶ月程度経過すると、なんとなく雰囲気も犬らしくなってくる。
同時に、ものすごくヤンチャにもなっていき、
家のなかにあるものをなんでもかんでも、むやみやたらと噛みはじめる。

その「噛み癖」は、彼女が成長するとともに収まってはくれず、
ボクも何度か噛みつかれたりした。

特に冬場は本当に困った。
ジョーは、いつも茶の間にあるコタツのなかで寝ていたのだが、
それをつい忘れて足を突っ込んだりしたときなんて、いきなり指先を噛みつかれた。
冬の寒さが痛みを増長し、ボクも何度か本気で怒ったことがある。

それからジョーは、妹に対してだけ、なぜか変なライバル意識のようなものを持っていた。
だから座席位置ひとつとっても、自分のお気に入りの場所に妹が先に座ったりしていると、
ひたすら吠えたり服を噛んだりしていた――


やがてボクも中学に上がり、そして高校生となり、
徐々に両親とのあいだにも微妙な距離が生まれ始めてゆく。

そんなとき、ジョーの存在は貴重だったんだと思う。
もし彼女の姿が茶の間になかったら、もっと、ずっと息苦しさを感じていたに違いない。

やがて高校を卒業し、ボクが東京の学校へ通い始めると、
実家へ帰る機会もだんだん減り始める。
二十歳を過ぎると、ほとんど週に2日くらいしか地元には帰らなくなる。
上京してきた友達や、知り合いの女の子の部屋を渡り歩くような生活がずっと続いた。

たまに実家へ帰るたびに、ジョーの衰弱はなんとなく目に見えた。
普段、一緒にいないからこそ、ボクは余計にそれを感じたのかもしれない。

何度も咳き込み、呼吸するのも苦しそうな彼女の姿を見ていられなかった。
けれど、それとボクが実家へ帰らなくなった理由とは全く別のことだ……

春休みのある日――
ボクは、友達たちと海外旅行へ出掛けるために、始発の電車へ乗ろうとしていた。
まだ誰も起きていないその家から静かに出て行き、庭先の門を閉めようとしたとき、
ボクのうしろをジョーが追いかけてきていたことに気づく。

「いったい、どこか出てきたんだろう?」

たまに南側のガラス戸を、自分でどうにか開けて外に出ることはあったけれど、
まだ、その時間は雨戸が閉まったままである。

不思議だとは思ったけれど、そのときボクは電車の時間を急いでいた。
「家に戻りな」

と、ジョーに告げるとボクは駅へと向かった。
しかし、ボクのうしろを小さな足音が追ってくる。

振り返るとジョーが舌を出してボクのほうへと走って来ていた。
まぁ、こうして追いかけてくることも、以前はたまにあったんだ。
けれど、しばらく追いかけてきて、ある場所で立ち止まると、
やがて自宅へと引き返していたんだ。

「ジョー! 早く家に戻れ!」
ボクは、少し彼女のことを怒鳴る。
そして無視するように走った。

やがて車通りの多い道を横断したとき、うしろで急ブレーキを踏む音を聞いた。
慌てて振り返ると、ジョーが、その車体の下に小さく丸まりながらしゃがみこんでいる。
ボクは車の下から彼女を引っ張り出すと、思いっきりその小さなあたまを叩いた。

「なんで今日に限って、こんなとこまでついてくるんだよ!」

そして、そのままスーツケースを置きっ放しにして、ジョーを家まで抱えていき、
玄関を開けると無造作に彼女を放り込んだ。
ふたたび駅へと向かうとき、南側の雨戸のほうを振り返る。
すべての木戸がピタリと閉ざされ、どこにも外へ出られそうな隙間などなかったんだ。

(おそらく、裏の勝手口かどこかから出てきたんだろうか?)
そう思いながら、とにかく、ただ駅へとボクは急いだ――


――結局、彼女の死因はわからない。
ボクが旅行で留守のあいだに、朝、父親が気づくと階段の下で死んでいたのだという。
どうやら二階へと上がろうとしていたらしいが、途中で足を踏み外したみたいだ。
そのとき受けた衝撃が理由なのかどうかもわからない。
もしかしたら、階段を上がろうとしたときに息絶えたのかもしれない。

いずれにしても、ジョーは、ボクが旅行から帰ってきたときには、
すでに骨壷に収められていたんだ。

彼女の死そのものに対して、ボクは正直あまり哀しさを感じていなかった。
彼女が苦しそうに咳き込む姿を見続けるよりは、遥かに楽だと思った。

きっと、それは人だったとしても同じなのだろう。
最初は「死んで欲しくない」と当然ながら思う。

けれど、苦しんでいる姿を見続けているうちに、
「もう楽になって欲しい」と、どこかで思うようになってゆくような気がする。

ボクは二階の部屋へと戻り、ソファに寝転びながら、
旅行に出掛けた朝のことを思い出していた。

もしかしたら、ジョーは自らの寿命を悟り、
最後の別れを告げるために、あの日ボクのことを追いかけてきたのだろうか?
いまだにジョーが、あの日どこから外へ出たのかはわからなかったけれど、
それを両親に訊ねるのは止めることにしたんだ。

ボクは最後に彼女のあたまを殴り、そして怒鳴ってしまった。
そして、そのまま二度と彼女に触れることが出来なかった。
彼女の死は、さほど哀しくなかったはずだったのに、ボクの両目からは涙が溢れた。

生まれて初めて身近な存在と死に別れたときに感じる気持。
それは哀しみではなく、懐かしさでもなく、きっと後悔だ。
ボクらは誰か身近な存在を失うとき、生きているうちにその誰かにしておけばよかったこと、
そして、最後にその誰かにしなければよかったこと、その二つの思いに苦しめられるのだろう。

まだタバコの箱と比べられるほどに小さかった彼女が、この家で過ごした10年近くの歳月、
それが彼女にとって幸せなものであってくれたことを願い続けることしか……
そんなことくらいしかボクには出来なかった。






流れ星が好き - Amii-versary PONY CANYON EDITION流れ星が好き - 尾崎亜美 
15thアルバム『Kids』 1986年



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Dartmoore - Cozy Powell 【インストルメンタルな名曲】

【洋楽インストルメンタルな名曲】


Dartmoore





さて。
せっかくなんでもう一曲ゲイリームーア氏絡みのナンバーをご紹介☆
史上最強のドラマー、コージーパウエル氏が1982年にリリースした、
3rdソロアルバム『Octopuss』からゲイリー氏ライティングによる
哀愁感漂う「Dartmoore」をチョイス♪

う~。。。
マジで中学生以来、久々に聴きましたわい。。。

さて、普段あまりロックなど深く聴かない方々にしてみれば、
「ドラムなんて誰が叩いても同じだ!」と思うかもしれません。

もし「中くらい」のテクニックを持ったメンバーが集えば、
きっとそれは間違っていないといえるでしょうねぇ。

でも、スゴいテクニックを持ったメンバーが揃った場合、
ドラム技術というものは、如実に音として現れます。

コージーパウエル氏のドラムで一番特徴的なのは、
バスドラムのキック音の響きですね。

まぁスネア&タムのストローク音も、ものすごくクリアなんですが、
やっぱキック音は、ホントに別格だと思います。


さて、今回ご紹介したゲイリー・ムーア氏も、シンリジィのフィル・ライノット氏も、
そしてこのコージーパウエル氏も、みなさんお亡くなりになってしまいました。
ロック界に、その名を刻んだ彼らの功績は、ホンモノの音楽を求める方たちによって、
永遠に語り継がれていくのだろうと。ボクは思いますね☆





Dartmoore - The Best of Cozy Powell

Dartmoore - コージーパウエル
3rdアルバム『Octopuss』 1982年




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Still In Love With You - Thin Lizzy 【70年代バラード】

【70年代洋楽バラードの名曲】


Still In Love With You





シン・リジィが1974年にリリースした4thアルバム『Nightlife』に収録され、
ゲイリー・ムーア氏をリードギターにfeatしたアンニュイなブルースナンバー
「Still In Love With You」をチョイス☆

シン・リジィとしては、このアルバムからツインギターの
バンド・アンサンブルとなり、サウンドに厚みが増していくことになります。

この曲は、思いっきりブルーシーなんですけども、
アルバム全体の音的には、ブルースに影響を受けた
ライトロックなテイストが強い作品でしょうかね?


まぁ、70年代にブルースロック系を演奏する方々って、
大抵20代半ばくらいの年齢なんですけど・・・

こんなにも渋い曲を作れてしまうところに脱帽してしまうのですね。。。





Still In Love With You - ナイト・ライフStill In Love With You - シン・リジィ
4thアルバム『Nightlife』 1974年




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Out in the Fields - Gary Moore and Phil Lynott 【ロックの名曲】

【洋楽ロックの名曲】


Out in the Fields





I selected "Out in the Fields"
from 5th album "Run for Cover" of Gary Moore and Phil Lynott released in 1985.




アイルランド出身の偉大なるロッカー、
ゲイリー・ムーアとフィル・ライノットの両氏。

彼らは60年代後半のスキッド・ロウ結成時に出会い、
70年代半ば、シン・リジィで再会します。

まぁ、音楽的な方向性の違いからか、
決して長く同居し続けることのなかった彼らですが、
80年代半ば、ともにソロとなって活躍していたふたりは、
三度(みたび)競演を果たします。

そして共同名義で1985年にリリースされ、UKチャートではともに初のベスト10入り
(最高5位)ヒットを果たした「Out in the Fields」を生み出すのですね☆


翌1986年、フィル氏はヘロインのオーバードーズで
36歳の若さでこの世を去ります。

「Out in the Fields」を共作した経緯については詳しく知りませんけれど、
なんとなくそんな遠からない別れに対する、
なんらか予感めいたものが互いにあったのかもしれませんね。




アウト・イン・ザ・フィールズ - ワイルド・ワンーザ・ヴェリー・ベスト・オブ・シン・リジィOut in the Fields - ゲイリー・ムーア&フィル・ライノット
7thアルバム『Run for Cover』 1985年

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残暑 - 松任谷由実 【バラードの名曲】

【邦楽バラードの名曲】


残暑







この街の南側一帯の地名には『海』に由来する名称が多い。
だが、「海岸」という町名がつくエリアは「東海岸」と「中海岸」の2つしかない。
それらは、駅と海のちょうど中間あたりを東西に横断している大通りを挟み、
駅寄りのエリアを「海岸北」、そして海岸に近いほうを「海岸南」と称し区分されている。

ボクの実家は「東海岸北」にある。
海辺に近い「東海岸南」には、県外からの移住者も多く、
最近、わりとモダンな新築住宅が増えたように思う。

それに比べれば、その北側の住宅街に建ち並ぶ家々は、
古民家、とまではいかなくても、古風な佇まいの純和風家屋が多い。
その庭先を満たす木々もきれいに剪定(せんてい)されており、
家主のこだわりが、見事にその「表情」となって現れている。


ボクが住む実家の敷地には2軒の家が南向きに並ぶ。
隣には親父の兄、つまりは伯父の家族が住んでいる。

このエリアにしては、かなり広大な100坪超えの敷地内の中央には、
刈り揃えられた高麗芝が敷き詰められ、植木職人によって植樹された、
屋根より遥かに背の高い数本の松の木をはじめとする大小の樹木が、
いくつかの植樹帯をブロック状に形成し、その芝生の広場を取り囲んでいる。

その植樹帯の外側を沿うようにして門から主屋までの経路上に並べられた踏み石、
また、ひとつづつのバランスが考慮され、木々の余白を埋めるように
厭味なく配置された庭石や景石などが醸し出す風景は、
さながら小さな日本庭園を思わせた。

特に実感などはなかったが、
住宅街の路地に面した広い黒塗装の鉄門の外からこの庭園を眺めたとすれば、
それなりに裕福な暮らしをしているようにも思われるのかもしれない。


この敷地を南側で閉ざす左右2対の折戸からなる鉄製の門扉は、
中央で接している右側の鉄門に溶接された長い円柱状の取っ手を、
左側3箇所の「かすがい」の穴にスライドさせて通す
いわゆる「かんぬき」状の施錠方式である。

車の出し入れの際は、その左右の折り戸を、
それぞれ「くの字」に折りたたみながら大きく開閉させた。

ただ、いかんせん老朽化は否めず、人が出入りする際、
「かすがい」の穴へ円柱状の取っ手を横方向にスライドさせるたびに、
そこがこすれ、まるで悲鳴のような甲高い金属音が鳴り響いた。


「夜中に泥棒が入って来れないように音を鳴らしてるんだ」
小学校の頃、酔った親父はそういって自慢げに笑った。

泥棒はどうだか知らないが、
この街に東京からの下り最終列車が到着するのが午前1時少し前。
それから暫くして、鉄製の門扉がこすれ合う、
その甲高い金属音をベッドのなかで聞くたびに、
親父がちゃんと無事に帰って来れたことにホッとしていた。


中学生になってしまうと、親父が深夜に鳴らすその音を聞いても、
あの頃のように安堵することもなくなっていった。


なにか決定的な理由や原因があったわけではない。
けれど、中学1年の終わり頃になると、
急に、親父のことを、どう呼んでいいのかわからなくなってしまったんだ。

誰かに聞いたことがある――
「男親とは、ある年齢になると話せなくなっていくものなのだ」と。


今になってみれば、なんとなく分かる。
きっとボクらは14歳前後で「大人」へと変化するのだ。

だから、それまで子供として接してきた親たちに対して、
従来通り接することが出来なくなる。

それに一番近い感情は、もしかしたら「気恥ずかしさ」なのかもしれない。
子供時代、無邪気に両親へ甘えていた自分に、
親父のことを「パパ」とか呼んでいたことに、
なんとなく、そんな恥ずかしさを感じてしまったように思う。


結局、ボクは高校を卒業するまで、
ほとんど親父とは話さなくなっていった。

そんな彼との関係が修復されたのは、
ボクが第一志望の大学に合格できなかった日だ。

都内まで合格発表を見に行ったその帰り、
ボクは女子高生たちに囲まれた列車の車内で泣きそうになっていた。
その感傷的な感情は、きっと自分自身に向けられたものではなかった。

親に対して、特に親父に対して「申し訳ない」
という思いからくる自分自身への不甲斐なさ。
なんとなくそういうものだったんだろうと思う。

電車に乗る前、家に結果を知らせる電話を入れると母はいった。
「先に駅でお父さんが待ってるから」って。
ボクは正直、誰にも会いたくなかった。
けれども、そのときボクが一番会いたくなかったのは、
やはり親父とだったんだろうと思う。


地元の駅で降りると、親父は駅前で待っていた。
ボクらは何も云わず、少し高級そうな焼き鳥屋へと入る。

親父は、ボクの目の前に置かれたグラスにビールを注ぐと、
少し笑いながらいったんだ。

「まぁ、残念だったな」

その瞬間、ボクは急に涙が止まらなくなってしまった。
それまで人前で泣いたという記憶などは、
少なくとも小学生以降ほとんどない……


それが「きっかっけ」だったのかは定かではないが、
ボクが都内の学校へ通い始めてからは、帰りに親父と待ち合わせて、
向こうで飲んでから一緒に地元へ帰ってくることも増えていった――


そんな親父も、今では週3回の人工透析を受け、
あの頃、毎晩のように飲んでいたアルコールも、ほとんど口にしなくなっている。
いや、出来なくなったというべきなのだろう。

たまにボクがお盆や正月に実家へ帰ると、
「歩いていくからいい」と断っても、わざわざ駅まで車で迎えに来てくれていたが、
その運転も、最近はもう、当時のようにスムーズではなくなってきている……


先週末、ボクは母親からの電話を受け、久しぶりに実家へと帰った。
どうやら親父の様態が、あまり芳しくないのだという。

肺に水がたまり、ノドが腫れ、食事もままならない状態らしい。
親父は数年前にも心臓を手術しており、そのことが原因のひとつかもしれない。
と、母はいった。

僅か2週間で体重が一気に10キロ落ちたのだという親父の姿は、
見た目には、さほど変わっていないように思えた。

夕食時、自分が飲めないせいか、親父はやたらとボクに酒を飲ませたがった。
でも自らの、か細い食事を終えると、「久しぶりにお父さんも飲むかな」
といい、ニッカのウイスキーで薄い水割りを一杯だけ作った。

「お前も、そろそろタバコを止めろよ」
ここ数年、毎回実家へ帰るたびに聞かされていた同じ台詞を、
親父は、また何度も繰り返していた――



日曜の朝。
20歳過ぎまで使っていた2階の部屋で、親父から借りたノートパソコンを開く。
この部屋は、外側に面している南、東、そして北側の全てがガラス窓で囲われており、
大抵の場合、東からの陽射しの眩しさに目覚める。

ボクは、南側に大きく開放された窓から吹き抜けてゆく
湘南の風のなかに懐かしさを感じていた。
窓から見えるベランダの向こう側では、名も知れぬ高木たちがその風に枝葉を揺らす。

近いうち、ボクはこの家を継がなければならないだろう。
それは、なんとなく昨夜の親父の雰囲気を見ていてわかったことだ――


高校生の頃、買ったラジカセのスイッチを入れる。
まだ、ちゃんと音は出るようだ。

そして、当時持っていたカセットテープがしまわれている引き出しを開ける。
相当数のカセットカバーの背表紙がびっしり並ぶその右端のほうに、
松任谷由実の名前が書かれた数本のカセットを見つける。
ボクが自分で買ったのは、1981年にリリースされた12thアルバム
『昨晩お会いしましょう』だけだ。

それ以外の数枚分のカセットは、
大学のとき付き合っていた彼女から渡されたものだ。

ボクはなんとなくそのなかから『天国のドア』を取り出すと、
デッキにセットし、そのまま再生ボタンを押す。
8曲目の「残暑」が途中から流れてきた。

(このカセットテープを最後に聴いたのって、いったいいつ頃だったろうか?)

少なくとも20年以上の歳月を経て、ふたたびこの曲が、
今こうして再生されたことだけは確かだ。
この曲のノスタルジックで透明感のあるメロディラインは、
すごく美しいと素直に思った。


初夏の陽射しは、ベランダからはみ出した常緑樹の枝葉の表面に輝きをもたらし、
光沢ある夏色で染めあげている。南の窓から吹き込む風は、
どこまでも涼やかなままに、小さな北側の窓のほうへと吸い寄せられながら、
この部屋のなかを通過してゆく。

ボクは、床の上に寝そべり天井を見上げる。
中学生の頃からなんら変わらない、その白い天井ボードで、
風に吹き上がるカーテンの隙間から紛れ込む太陽の光が、
ときおり流線型の模様を描きだしながら揺らめき、遊び続ける。


ボクは、当時粋がって親父を無視しようとしていた自分を懐かしみ、少しだけ笑う。
そして昨夜、弱々しい声で楽しそうに話していた親父の姿を思い出し、
少しだけ、やるせない気持ちになったんだ。




残暑 - 松任谷由実 
22thアルバム『天国のドア』 1990年



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[ 2013/06/11 07:52 ] コラム | TB(0) | CM(0)

【Re-Edit】 Say It (Over And Over Again) - John Coltrane 【60年代ジャズ】

【60年代洋楽ジャズの名曲】


Say It (Over And Over Again)






首都高速2号線を行き交うヘッドライトとテールランプの揺らめき。
滞ることなく、なだらかに流れゆく光彩の帯を眼下に見つめながら、
コルトレーンの奏でる豊潤なサックスの色香に包まれてみる――


僕がその職種を選んだ理由――

「幼い頃に見た、羽田空港の『誘導ランプ』の淡い光があまりにもキレイだったから」

きっとそれだけのことだ。

美術系と建築系――
そのどちらを専攻すべきかでは随分と悩んだが、
結局、建築学部を選んだボクは卒業と同時に、
躊躇うことなくライティングデザイナーの道を選択していた。


ずっと考えていたんだ。
「あらゆる人々をいっぺんに感動させられるものってなんなのだろうか」と。

ようやく辿り着いたひとつの答え。
それが「星空」だ。

降り注ぐ星々は、宇宙という広大なる存在そのものを示す輝き。
自らを光輝かせる恒星たちと、その恒星の光を映し出す惑星たちとで織り成される
偶然という名の奇跡の色彩を見上げるとき、人々は個々の存在であることを暫し忘れ、
「地球」という共通概念の元に一元化される。

オランダの哲学者、バールーフ・デ・スピノザが、
その著書『エチカ』にて定義した共通概念の、
最も高い普遍性をベクトル方向に探求してみた場合、
3次元ユークリッド空間上にその共有性を突き詰めていけば、
結局、最後は「地球」へと辿りつき、やがてそこで止まる。

誰も自らを「地球人」などとは呼ばない。
けれど、無数にきらめく星空を見上げた瞬間、
僕らは確かに共通概念としての「地球人」であることに気づく。



僕がその職種を選んだ本当の理由――

それは、限りなく星空の輝きに近いであろう人工造形物「夜景」。
きっと、そんなものを作ってみたくなったからだ。

「あらゆる人々を感動させられる人工的共有物」
それはきっと、偶然という名の奇跡の灯火が、
寄り集まって地上にきらめくこの街の明かりたちなのだろう……


東側の小窓から、赤々とした輝きを纏う東京タワーを眺める。
コルトレーンの奏でる都会的な音色の余韻と、たしかにその風景は
撹拌(かくはん)するように交じり合っている。

アルクール・カットされたバカラのタンブラーに
18年もののマッカランを薄く注ぎ込むと、
そのずっしりとした重みにいくらか心地よさを覚えながら、
グラスをそっと東側の小窓のほうに透かす。

いにしえのフランス貴族たちが目にした、
いっさい不純物のないピュアクリアな風景が、
この透明なクリスタルグラスの向こう側には、
煌々(こうこう)として揺らぎ続けていた。




【2012.05.16 記事原文】

さて。本日も、まもなく黄昏時を迎えようとしてます☆

とりあえず、そんな時間帯に一人で聴きたいナンバー♪
サックスの巨匠!ジョン・コルトレーンが1962年リリースの超名盤『Ballads』から、
彼の代表的なナンバー「Say It(Over And Over Again)」をチョイス♪

個人的には、サックスよりもマッコイ・タイナーのピアノにグっとハマりますねぇ。。。





Say It (Over and Over Again) - Ballads (Deluxe Edition)Say It(Over And Over Again) - ジョン・コルトレーン
アルバム『Ballads』 1962年



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All American Girls - Sister Sledge 【ダンスの名曲】

【洋楽ダンスの名曲】


All American Girls






80年代後半にホイットニー・ヒューストンさん、
そして90年代初期にはマライア・キャリーさんの
アルバムプロデュースを手がけるなどし、一躍超売れっ子プロデューサーとなった
ナラダ・マイケル・ウォルデン氏☆

彼がプロデューサー業をスタートさせた80年代前半、
すでに70年代初期から音楽活動していたアメリカのスレッジ四姉妹による
女性ヴォーカルグループ、シスター・スレッジが1981年にリリースしたアルバム
『All American Girls』のプロデュースを手がけました!

このアルバムのタイトルトラック「All American Girls」は、
きっとボクらもどこかで聴いたことがあるって思えるくらいメジャーソングですが、
当時のビルボードR&Bやダンスチャートでは一桁ヒットをクリアするものの、
シングルチャートでは最高79位とイマイチ芳しくない成績に終わってるようですね・・・

でもスウォッシュするシンセと
オブリガート気味にカッティングしまくるリズムギターが
なんともイカしたナンバーっす☆

ちなみに彼女たちの最大のヒット曲といえば1979年に
ナイル・ロジャース氏らによってライティングされビルボードのシングルチャートで
最高2位まで上昇した「We Are Family」☆

そのプロデューサーのナイル・ロジャース氏は、80年代前半にマドンナを仕掛けて
一躍売れっ子になっていくことを考えれば、シスター・スレッジというグループは、
「あげまん」グループだったのかもしれませんなぁ☆




All American Girls - All American GirlsAll American Girls - シスター・スレッジ
アルバム『All American Girls』





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【洋楽ダンスの名曲】


Holiday Rap






さて。
1986年といえば、まだボクが高校生だったわけですわね(笑

この年は、Run-D.M.C.がエアロスミスのスティーヴン・タイラー&ジョー・ペリー
両氏をFeatし「Walk This Way」を大ヒットさせた年!
つまりは、世にラップなる新たな音楽ジャンルを認識させた年でもあるわけです。

このラップ創世記に「Walk This Way」以上のインパクトを残したのが
オランダのヒップホップデュオであるMCマイカーG & DJセブンが
マドンナの「Holiday」をサンプリングし、当時のダンスシーンを席巻した
「Holiday Rap」でござんす☆

まぁラップなる音楽は、基本的になんらか有名曲のフレーズをサンプリングし、
それをバックトラックでループさせる手法が一般的なんですけど、
この「Holiday Rap」は、そういう意味ではオリジナルフレーズとの一体感が
ものすごく感じられるナンバーっす☆

つうか、こっちがオリジナルといわれても違和感を感じないくらい
実に見事にハメ込んでおりやす♪

ボクもあの頃?は良く聴きましたね~☆




Holiday Rap 2002 (Radio Mix) - 20 Dance Hits, Vol. 1Holiday Rap - MCマイカーG & DJセブン
12インチシングル『Holiday Rap』 1986年



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今宵の月のように - エレファントカシマシ 【バラードの名曲】

【邦楽バラードの名曲】


今宵の月のように






浜野ナオは今年に入り、中目黒のアパートで一人暮らしを始めていた。
中目黒の駅から東横線のガードに沿って祐天寺方面へと向かった
ちょうど2駅の中間あたりに真新しい彼女のアパートはあった――


合コンで出会って、何度か彼女と二人で飲みに行ったりしているうちに、
ボクらはなんとなく”そんな感じ”の間柄になっていた。

といっても、互いの年齢からしてみれば、
いまだに割とプラトニックな付き合い方が維持されたままで、
男女の関係に容易く陥ったというわけでもない。


ナオは、去年ボクと初めて飲みに行ってから数日後、
付き合っていた年上の彼氏と別れたらしい。
結局、「その彼の子供が出来た」ということは黙ったままで別れたと。
いつだか、うっすらと微笑みながら話していた。

ボクは、その翌週あたりに彼女が下した”決断”に対しては何も言わなかったし、
彼女が自らそのことを決断したあとも、特にボクらの関係に変化などはなかった。

それは、あくまで彼女が……
いや厳密には彼女とその彼とで決めるべきことだと思ったからだ。



去年まで、彼女は新宿始発の私鉄の沿線にある実家に住んでいた。
したがってボクらは大抵の場合、その電車の終電時間までしか
一緒に過ごすこともなかったんだ。

”ただ一緒に飲んで笑い合う”

そんな程度のボクらの関係は、おもいのほか長く続いていたんだろうと思う。


だから、ナオが知り合いの大家のツテで中目黒に引っ越したときも、

”今までよりも、彼女と一緒にいられる時間が多少は増える”

ただ、それくらいにしか思っていなかったんだ。


ある日の金曜日。
ボクらはいつものように互いの仕事が終わってから渋谷駅で待ち合わせ、
何度か一緒に来たことのある飲食店で数時間ほど過ごした。

やがて、ボクがそろそろ終電の時間を気にし始めたとき、ナオは微笑を浮かべ、
独特のオリエンタリズムを漂わす丸みを帯びたフォルムの、
まるで大理石の彫刻像のような瞳を緩やかに細めながらボクを見つめてささやく。

「今日って、やっぱり帰らなきゃダメ?」と……

無論、ナオのその言葉に含まれている意味合いはすぐに理解できた。
ボクはその頃、付き合っていた彼女と都内で半同棲のような生活を送っていたから、
「どうしてもボクがそこに帰らなければならないのか」どうかを、
程好くまぶたの力が抜けた、柔らかく大きな眼差しで問いかけてきたんだろう。


去年、ナオと出会ってからは、まだ一度も朝まで一緒に過ごしたことなどはない。
そう。互いにプラトニックさを保つことで、ボクらの関係は
あくまで「飲み友達同士」として括られ、躊躇うことなく継続されていたに過ぎない。

かといって、それがイコール「彼女に惹かれていない」ということでは無論ない。
それは、あくまで”理性の強さ”の問題であり、
ボクがどうにか理性的になろうとしていたというだけのことだ。

一度踏み越えてしまえば、まるで風に彷徨う風船のようにして、
目的なんて持たず本能の赴くままに、ボクの心がどこまでも
彼女のほうへと飛んでいってしまうことなど、すでにずっと前から分かっていた。

結局ボクはずっと、ナオの儚げな魅力に惹かれていたのだ――


うっすらと微笑み続ける彼女の瞳には、
すでに、そんなボクの本当の気持ちなんてものは
とっくに見透かされてしまっていたのかもしれない。

今までナオが何も云わなかったのは、
それはきっと彼女なりの理性だ。

互いに無理やり抑え込んできた、そうした男女間の本能的な希求なんてものは、
握り締めたその理性のたずなから、どちらか一方が手を離してしまえば、
もはや片方だけで支え続けることなどは出来ない。

不自然なくらい健全に保たれてきた距離感を、
どちらか一方が踏み越えた瞬間に、その距離そのものが完全消失する。

ずっとその距離感を保つために心で反発させ合ってきた
同一極の磁極は、ナオの言葉によってバランスを失い、
互いをN極とS極へと変化させながら瞬く間に二人を引き寄せたのだ。

あくまでそれが「自然な感情」なのだといってしまえば、
たぶん、きっとそれまでのことだろう。もはや、それ以上でもそれ以下でもない。

ボクらはその瞬間、相手に対する想いを「恋愛感情」へと昇華させてしまった……
ただそれだけのことだ。


恵比寿から地下鉄日比谷線に乗り、ボクらは中目黒駅で降りた。
ナオのアパートのほうへと向かう東横線のガード下の薄暗い通り沿いに、
一軒のCDショップの明かりを見つけた。

「こんな時間まで開いてるんだね」
ボクは独り言のように呟いた。

「ちょっと入ってみる?」
と、ナオはその小さな店の扉を開く。

正直、さほど売れてるようにも思えない店内の新作コーナーに
数枚並べられていたエレファントカシマシのニューアルバムに目が止まる。
ボクはCDを手にとって裏面を眺めていた。

やがて、店内を見回し終えたナオが脇からそれを覗き込む。

「この『今宵の月のように』って、結構いい曲なんだよね」
と、ボクがジャケットの裏面を眺めたままで云うと、
ナオのしなやかな指先が、ゆっくりとボクからそのCDを取りあげた。

「じゃぁ買おうかな?」
と、彼女は笑った。

店を出ると、ふたたびボクらは東横線のガード下の薄暗い通りを歩き出した。
さっき見たアルバムジャケットのようなその青白い景色が、なんだかものすごく
寂しげに思えた。

それはきっと、付き合っている今の彼女に対する罪悪感と、ナオが時折漂わす
淡い刹那さが入り混じりながらボクの心に生み出した風景そのものだったのかもしれない。

街明かりの届かない夜空に星はほとんど見えなかった。
ただ南西の方角に、美しい満月だけが光輝いていたんだ。




今宵の月のように - 明日に向かって走れ-月夜の歌-今宵の月のように - エレファントカシマシ 
9thアルバム『明日に向かって走れ -月夜の歌-』 1997年



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悲しみの果て - エレファントカシマシ 【バラードの名曲】

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悲しみの果て

↑ オリジナル音源リンク







20代後半の頃。
と、ある合コンで出会ったひとりの女性。
長い黒髪と少しぷっくらとした唇が魅力的で、
どことなくオリエンタルな雰囲気を持つその女性の名前は「浜野ナオ」。
訊けばボクより3つ年齢が若く「今年で25歳」になるのだと彼女は笑った。


そのときの宴で、ボクの知人が別の女性のことを気に入ったらしく、
「どうにか、また『彼女たち』と飲む機会をセッティングしてくれないか?」

と後日頼まれ、仕方なくたまたま会社の電話番号を交換していたナオに翌週、
「オレの知り合いが、こないだ話してた彼女とまた飲みたがっている」
と、電話を掛けてみる。

ナオは、受話器の向こうで云った。
「なんだ……。ワタシのことを誘ってくれたんじゃないんだ」って――

「じゃぁ 今後さぁ、二人で飲む?」
と、ボクが本気とも冗談とも取れない彼女の、
その語尾の余韻に訊ねると、ナオは向こう側で笑った。

「いつでも誘って」って――
ボクはふたたび冗談めいた口調で訊く。

「じゃぁ ”今夜”って暇?」

――当時、ボクには3年ほど付き合っている彼女がいた。
彼女とは、そろそろ「結婚」という言葉も、
時折、会話のなかに織り交ざるような関係になっていた。

別に「彼女と結婚したくない」というわけでもなかった。
どちらかといえば「なんとなくそうなるんだろうな」って思ってたんだ。


午後7時過ぎ。
新橋駅の雑踏の向こうからナオが手を振りながら歩いてくる。
艶やかな黒髪を秋の夜風にそよがせながら近づいてくる背の高い彼女は、
遠目からでもすぐに判った。

やがてボクらは、サラリーマンで賑わう ”ありきたり”な居酒屋に入る。

互いに生い立ちめいた話などをしているうちに、
ナオは「彼女が今付き合っている」という彼のことを、
隣の親父たちが吐き出す雑音のなかで話し始める。

そして、たまにしか会わないという、
その彼の子供を妊娠しているのだと云った。
ボクは特に気にもしなかった。酔っているせいもあったのかもしれない。

暫くすると、ナオは「その彼とは、近々別れる」のだと呟く。
そして彼女に子供が出来たことを「彼はまだ知らないのだ」と、
薄く微笑みながら、その話しの最後に付け足した。


居酒屋の有線放送からはエレファントカシマシの
「悲しみの果て」が流れている。

ボクらはなんとなく、隣のサラリーマンたちが
馬鹿騒ぎしている雑音の奥のほうで微かに流れるその曲を、
黙ったままで聴いた。

サワーのグラスを、その魅力的な唇へと運ぶナオに、
ボクはなんとなく微笑みかける。

「今度さぁ。どこかに遊び行かない?」
ボクがそう訊ねると、ナオは口元に笑みを浮かべて小さくうなずいた。

なにを祝福するというわけでもなかったけれど、
ボクらは、互いのグラスの淵を小さく寄り添わせるかのようにして、
なんとなく2度目の乾杯を交わしたんだ。

ナオに、ものすごく惹かれていたというわけでもなかった。
けれど彼女の微笑みのなかにうっすら入り混じる、
どこか悲哀めいた寂光が、馬鹿騒ぎするサラリーマンたちの
能天気さによって激しく強調され、その薄倖のオーラがまとわすせつなさに、
ボクはほんの少しだけ引き寄せられたんだろう。




悲しみの果て - ココロに花を悲しみの果て - エレファントカシマシ 
8thアルバム『ココロに花を』 1996年



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半熟期 - 沖田浩之 【ロックの名曲】

【邦楽ロックの名曲】


半熟期





アイリーン・キャラさんが歌いアカデミー歌曲賞を受賞した
「Fame」のオイシイところをサンプリング?
した沖田浩之氏の2ndシングル「半熟期」も、
かなりテイストがロック寄りではありますけれどね・・・

でもこの曲って、すんごく不思議なメロディ進行ですね。
謎の転調フレーズを挟んで、いわゆるサビパートが2つ存在している
「2重サビ」ってヤツです。こういう曲ってあまり無いですけどね。



半熟期 - 沖田浩之  1981年
ベスト盤『ゴールデン☆ベスト』


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天気予報の恋人 - チャゲ&飛鳥 【ポップスの名曲】

【邦楽ポップスの名曲】


天気予報の恋人





ボクが邦楽系アルバムでヘヴィロテしたアルバムのなかの一枚が
CHAGE and ASKA(※なぜか気づけば、いつからかローマ字表記になってました。。。)
が1989年にリリースした12thアルバム『PRIDE』ですねぇ♪

唯一無二のオリジナリティに満ちた飛鳥涼氏のまったりした歌声が
なんともいえず心にまとわりつきます☆

さて。このアルバムには彼ら中期を代表する名曲が数曲収められてますが、
ボク的に初めて聴いて、すごくFitしたのが「天気予報の恋人」ですかね?

ちょい前にシングルリリースされた「恋人はワイン色」を
ストリングスでゴージャスに仕上げたような楽曲ともいえますけど、
Bメロの摩訶不思議なメロディ進行は、中期以降の彼らの
サウンド的特長ともなっていきますね☆

まぁ。オリジナリティに溢れた名曲でしょう☆




天気予報の恋人 (リマスタリング) - PRIDE (リマスタリング)天気予報の恋人 - CHAGE and ASKA 
12thアルバム『PRIDE』 1989年

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泣かないでMY LOVE - Alfee(アルフィー) 【ポップスの名曲】

【邦楽ポップスの名曲】


泣かないでMY LOVE





ボクが中学の頃、一番最初に聴いたアルフィーのナンバーといえば。。。
やはり「泣かないでMY LOVE」だったろうと思いますね♪

まぁ、このちょい先から彼らは音楽性を大転換するんですけど、
少なくとも、この曲のちょい前あたりまでは、完全にフォークバンドだったわけですね(笑

この5thアルバム『doubt,』は、たしかカセットを持ってたような気がします。
誰にもらったものなのかは覚えてないのですけど、

おそらくは、ボクの自作小説内に登場する、
川澄マレンのイメージ役である当時の彼女からだったかもな?
って気もしますねぇ(笑

ですんで、後年ヒットするアルフィーのメジャーナンバーよりも、
この曲の思い出のほうが大きいんですよね☆




泣かないでMY LOVE - doubt,泣かないでMY LOVE - Alfee(アルフィー) 
5thアルバム『doubt,』 1982年



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ディープパープル - 五十嵐浩晃 【バラードの名曲】

【邦楽バラードの名曲】


ディープパープル





五十嵐浩晃氏といえば。。。
「ペガサスの朝」しかないと思われがちではありますけどね。
まぁ。あの曲のヒットって、CMタイアップ効果に拠るところが大きい気もします。

そんな彼が「ペガサスの朝」の次曲でシングルリリースしたのが
1980年の「ディープ・パープル」です♪

このタイトルからすれば ソッチ系をイメージしちゃいそうですけどね。
ものすごく切ないバラードソングなんですわね;;;

なんでこんなに心に残ってるのかは分かりませんケド。
なんとなくこの曲のメロディってバロック調だったから
当時バッハ好きだったボクが、すんなり受け入れたのかもしれませんね。。。




ディープ・パープル(New Version) - Red sky at night - EPディープパープル - 五十嵐浩晃 
ベスト盤『GOLDEN J-POP / THE BEST』

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失恋レストラン - 清水健太郎 【ポップスの名曲】

【邦楽ポップスの名曲】


失恋レストラン





つのだ☆ひろ氏ライティングによって清水健太郎氏が歌い
主要な邦楽系新人賞をさらった1976年リリースの「失恋レストラン」☆

さすがに当時、小学生だったボクには歌詞の意味などは分かるはずもなく。。。
でも・・・いまやすっかり、こんな歌を場末のスナックで歌う姿が
似合う年齢になってしまいましたな。

さて。。。
おそらく当時リアルで聴いてた方々も、
この曲のアレンジまでは覚えていないと思います。

実は、この曲のアレンジってリズムギターやホーンセクションの使い方が
アース・ウィンド・アンド・ファイアーっぽいんですね(笑

まさかこの曲の2番からホーンが唸るとは思ってもみなかった人のほうが
圧倒的に多いことでしょうね☆

しかし・・・泣きそうです。。。この世界観...


でも。ホントは彼の楽曲なら「きれいになったね」のほうが好きだったんですけど。
もはや音源データはどこにもないようですな。。。




失恋レストラン - 清水健太郎 
アルバム『DREAM PRICE 1000』



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Kalimba Story - Earth, Wind & Fire 【70年代ファンク】

【70年代洋楽ファンクの名曲】


Kalimba Story





さて・・・

まずはアース・ウィンド・アンド・ファイアーが1974年にリリースした
5thアルバム『Open Our Eyes』から「Kalimba Story」をチョイス♪

そもそも全盛期のEW&Fサウンドというものは・・・

1・フェニックス・ホーンズのホーンセクション!
2.アル・マッケイ&ジョニー・グラハムの超絶ツインリズムギター!
3.ヴァーダイン・ホワイトのアクロバティックな?ベース・パフォーマンス!

それに巧みなコーラスがかぶさり、
一番最後にフィリップ&モーリスのツインヴォーカル!
ってな序列になると思われます。

この1~3に関しては、スタジオレコーディングではなく
ライブ演奏でその真価が発揮されるわけなんですね。

つまり彼らのグルーヴ感って、同じ曲聴いてても
生演奏のほうが数倍勝っているのです。
※まぁ「視覚的なノリ」っつうのも大きいのですけどね。。。

そんな彼らの楽曲で、
2.アル・マッケイ&ジョニー・グラハムの超絶ツインリズムギター!
3.ヴァーダイン・ホワイトのアクロバティックな?ベース・パフォーマンス!

が、シンプルに絡まるイカしたファンクチューンっつうのが
アルバムからのシングルカットナンバー「Kalimba Story」なんでござんす☆
イントロのギター・インの仕方なんて・・・
カッコ良すぎますわな。。。

まぁこの曲は
彼らの奏力のスゴさを改めて感じさせてくれるナンバーでしょうね☆




Kalimba Story - Open Our EyesKalimba Story - アース・ウィンド・アンド・ファイアー
5thアルバム『Open Our Eyes』 1974年

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【Re-Edit】 I Wanna Be Your Lover - Prince 【70年代ファンク】

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もしかしたら、もっと先の「1979年のヒットチャートから」あたりでも
この曲を紹介するかもしれませんが・・・
そしたらそんときゃぁ再々編集で登場させましょう(笑


ここ最近、プリンス氏のアルバム楽曲の多くが
名だたる動画サイトから削除対象となってるみたいなんでね。。。

ですんで以前、ボクが当ブログの「プリンス特集」で紹介してる
氏の作品の多くが、きっと空リンク状態になってることでしょうなぁ・・・
まぁ。。。いつの日か 当ブログで紹介する楽曲が尽きたら・・・
是非とも過去記事チェックしたいと思います。


で。そんな1978年デビューの彼にとって最初のスマッシュヒットとなった
1979年リリースの2ndアルバム『Prince』のオープニングトラックにして
ビルボードのシングルチャートで最高11位まで上昇した
エレクトリックファンクナンバー「I Wanna Be Your Lover」をチョイス♪

ボク個人的にプリンス楽曲で一番の名曲を問われれば、
ためらわずチョイスするのがこのキャッチーな「I Wanna Be Your Lover」ですね☆

何でしょうか・・・
なんとなく、いい意味での「アメリカ」を感じさせてくれる音っていうのかな?
まぁ ボクが中学生当時に抱いていたアメリカのイメージってのが、
メロディの向こう側に見え隠れしてるとでも云うべきなのか。。。

いずれにしたって
楽曲後半のシンセソロあたりのフレーズラインに、
後年、プリンス氏がアルバム『1999』あたりで
開花させる音楽的方向性がうかがえます☆



【2012.03.12 記事全文】

さて、時系列が前後しますが、
プリンスが1979年発表したアルバム『Prince』から
自身初のヒットとなった「I Wanna Be Your Lover」をご紹介♪


本当は70年代の流れで、この曲を紹介したかっただけなんですが、
何となく勝手にプリンス路線にはまり込んでしまいました。。。
とりあえず中期以降のプリンスの名曲に関しては、またそのうち…



しかし。。。
果たして70年代に、若干20歳そこそこの若者が、
たったひとりでこのクオリティの高いサウンドを作れるものなのか?

…やはり単なる天才なんですね。






I Wanna Be Your Lover - PrinceI Wanna Be Your Lover - プリンス
2ndアルバム『Prince』 1979年



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Moves Like Jagger - Maroon 5 featuring Christina Aguilera 【90年代以上ダンス】

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Moves Like Jagger





さてさて・・・
ちょっと首周辺から指先のほうへシビれが移動してきたんで
この辺にしときますね(笑・・・いや(泣...



2000年代に入ってからの洋楽&邦楽って、ほとんどCDを購入してないんですけど、
2002年にリリースの1stアルバム『Songs About Jane』が大ヒットした
マルーン5に関しては 何となく2ndまでは買いましたかねぇ。。。

華々しくデビューした彼らですが、
シングルセールスだけを見ると、2007年リリースの
Makes Me Wonder」が全米チャートでNo.1を記録して以降、
スランプ期に突入したみたいですねぇ。。。

そんな彼らが ふたたびトップポジションを獲得したのが、
2010年にリリースされた3rdアルバム『Hands All Over』からのカットシングルで
2011年のビルボードのシングルチャートでNo.1ヒットとなった
ダンサンブルなポップチューン「Moves Like Jagger」☆

キック・インの仕方が実にいいっすねぇ・・・


まぁ・・・いわずもがなこの曲ってミックさんのことを歌っておりますけど。。。
果たしてクリスティーナ・アギレラさんは必要だったのでしょうかね???
どっちかというと彼女がメインで歌ったほうが良い楽曲って感じもしますが...

それに このPV...歌の尺の割りに、
曲が始まるまでが長~い・・・!!まぁ違法DL防止の一環なんでしょうけんども。。。





Moves Like Jagger (feat. Christina Aguilera) - Moves Like Jagger (feat. Christina Aguilera) - Single

Moves Like Jagger - マルーン5 feat クリスティーナ・アギレラ
3rdアルバム『Hands All Over』 2010年



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Space Cowboy - Jamiroquai 【90年代ポップス】

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Space Cowboy




↑ シングル尺Ver.ですね。。。


アルバム収録の長尺のほうが断然カッコいいっす!!
とくにエンディングのバッキングフレーズはホントに秀逸!!



さて!アシッドといえば・・・

UKアシッド・ジャズ系出身のジャミロクワイのサウンドも
最初聴いたときはぶったまげましたねぇ。。。

世の中に、こんなにもお洒落な音があったのか・・・て。。。
しかも当時はみんな20代半ばになるかならないか・・・って年齢ですからねぇ。
こんなサウンド生み出されたら、何聴いても陳腐に聴こえそう・・・

かれこれ20年も前の曲になっちまいましたけど
いまだに この曲を超える「お洒落ソング」をボクは知りませんねぇ。


全米ダンスチャートでNO.1を獲得した、一切の濁り気をフィルタリングした
まさに洗練された超ノーブル系アシッドサウンドっす♪


むろん。ジェイ・ケイの幼さが残るピュアクリーンな歌声も、
このバンドの特徴なんでしょうけど、ひたすら生音にこだわる彼らの姿勢は、
まさに「本物のアーティストだったんだなぁ」ってことを
今さらながら証明しておりますねぇ・・・

まぁ。シンセも使ってますけんどね。。。
それは上から乗せてるだけのことで
基本、彼らのサウンドは「なま」系・・・ですわいねぇ。




Space Cowboy - The Return of the Space CowboySpace Cowboy - ジャミロクワイ
2ndアルバム『The Return of the Space Cowboy』 1994年

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【Re-Edit】 Knock Me Down - Red Hot Chili Peppers 【80年代ロック】

【Re-Edit】【80年代洋楽ロックの名曲】


Knock Me Down





さて!

ホントに久々の更新なんで、
ボクが潜在的に好きなメロディ&アレンジのナンバーを新旧織り交ぜ数曲ご紹介!

まずは当ブログ立ち上げ当初にご紹介しております
アンソニー・キーディス氏率いるレッド・ホット・チリ・ペッパーズが
1989年にリリースした4thアルバム『Mother's Milk』 からの1stカットにして
彼ら初のスマッシュヒットナンバー「Knock Me Down」をチョイス☆

彼らはこのアルバムを契機に、大メジャーバンドとなっていくんですが、
最大の功労者は、このアルバムから18歳の若さでバンド加入した
ジョン・フルシアンテ氏でしょうなぁ☆

むろんフリー氏のベース・テクがバンドサウンド最大のウリではありますけどね。
やっぱ、この「Knock Me Down」PV当初のジョンのテクを聴いちゃうと・・・
とても高校出たてとは思えませぬなぁ。。。

突然、不可思議な転調コードが織り交ざる
この曲が漂わすアシッド系なファンク・フィールって
すんごくお洒落だなぁ~って思うんですよねぇ☆





【2012.03.09 記事原文】

今やモンスターバンドと呼ぶに相応しい
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ1989年の4thアルバム
『Mother's Milk(母乳)』から「Knock Me Down」を選曲♪


デビュー当時からこの頃までは、圧巻のベースパフォーマンスを武器に、
ロックというよりはファンキーなバンドと見られていたレッチリ。

結果的に、このアルバム以降、彼らは大ヒットアルバムを連発し続ける。


しかしながら…ボク個人的には、このアルバム以降のサウンドは、
あまり好きではない。つうか、ほとんど好んで聴いてはいない。


今回紹介した「Knock Me Down」は、レッチリにしては、
かな~り計算されて作り込まれた仕上がりで、
彼らのその他の楽曲とは明らかに違った洗練さがある。。。


見事にシンクロするギターのカッティングとベースラインに
引っ張られていく感が、実に気持ち良い1曲だ。






Knock Me Down (Original Long Version) - Mother's MilkKnock Me Down - レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
4thアルバム『Mother's Milk』 1989年
アルバムお薦め度「一度聴いてみては?」



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