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未来に残したい洋楽&邦楽の名曲

70~80年代の洋楽&邦楽を中心に未来に残したい名曲&名盤を独自にチョイスするBlogです☆
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【Re-Edit】 We're All Alone - Boz Scaggs 【70年代バラード】

【Re-Edit】【70年代洋楽バラードの名曲】


We're All Alone






1984年2月4日(土)

「ユカはね、小学校の頃からいつも寝るのがすごく早かったのよ」

ぼんやり薄暗い部屋のなか、すでに小さな寝息をたてはじめてるユカリの寝顔を見つめてメイがささやく。

「倉田さん、なんだか今夜はやけにハシャいでたねぇ」

両ひざを「くの字」にし、ボクも畳の上へと座り込み、枕元のスタンドの灯りに映るユカリの艶やかな長い黒髪を見つめた。

「ユカにとっては、去年はじめてこの家で、シーナ君と会った日のことが忘れられないんだと思うの」

ユカリの寝息を見つめて、そっと静かにメイがつぶやく。

「そりゃまぁ、オレだって忘れられないけどね」

と、メイの隣でボクも声を潜ませる。やがて彼女はボクのほうへとゆっくり視線を移し、涼やかな瞳で微笑んだ。

「ユカにとっては、――まぁ、ワタシもなんだけど、あの頃、学校の男の子となんてほとんどまともに話したことなんてなかったのにね、あの日、シーナ君と会ってからワタシたちふたりとも、本当にいろんなことが変わっていったの。アロハのみんなとも急に仲良くなりはじめて、あれから僅か半年足らずで、すごい数の知り合いがね、気がついたときにはワタシたち、――特にユカのまわりには大勢いたの」

赤々(あかあか)と色温度を帯びた電気ストーブのヒーターが、ボクらの足元の畳を柔らかく照らし出す。透き通るほどに白いメイの表情も、ほのぼのと赤褐色(せっかっしょく)に染められていく。

「ワタシ、小学校のときからずっとユカのことを見てきたからね、……そのことが堪(たま)らなく嬉しかった。彼女のまわりにいろんな友達がいるっていう風景がね、本当に信じられなかったの。――きっとミチコもそうだけれど、シーナ君のそばにいるとね、いままでどれだけ欲しくても決して得ることができなかったものを、みんな自然と手にすることができるようになっていくんだと思う」

暗がりをふうわり漂うしじまのなかで、ボクはメイの横顔に映し出される安堵の色を見つめていた。

「ユカね、いまでも、たまにあの日のことをよく話すのよ。シーナ君とはじめて会った日のことを、――ユカにとっては本当に忘れられない日なんだろうなって思う」

口元を微笑ませ、そっとささやくメイの声にはなんだか不思議な懐かしさが滲んでいる。

「だって、倉田さんや李さんとは、あれからほとんど毎日、学校で――」

そこまでいいかけたが、繋がるべき次の言葉を急に見失ってしまった。ボクとメイ、それにユカリの3人だけで、こんなにも長いあいだ一緒の時間を過ごしたことなんて、考えてみればあれから一度もなかったんだ。ユカリは放課後、アロハスターの練習を音楽準備室へ見にきてたんで、よく一緒に帰ったりもしてたけど、メイとは今年に入ってからの2ヶ月間、ほとんど学校でも会話などしていなかった。

「あの日以来、ユカはずっといってたのよ。『いつかまた、あのときみたいに3人で遊べるかな』って。ワタシは『きっと、またそのうち3人で会えるんじゃない?』って、答えてたんだけれどね、そのあとシーナ君とは、ワタシほとんど一緒の時間を過ごす機会がなかったから。――

ユカは、アロハのバンド練習が終わってから、たまにシーナ君と一緒に帰ってたみたいだから、ユカったら、なんだか自分だけシーナ君と会ってるってことが、すごくワタシに対して申し訳なかったみたいでね、『私がシーナ君をもう一度誘うから、また3人で一緒に遊ぼう』って、ずっと気にしてくれてたの。別にそんなに気を使わなくてもいいのにね。――だけど、このところシーナ君、なんだかすごく様子がおかしかったでしょ?」

(たしかにボクは、ほんのつい数日前まで暗闇の真っ只中にいたのだ。激烈に蘇った川澄マレンへの懺悔の想いと、あの幻覚の戦場で見せられたロミイという名の少女の死、そして『L』と『MDMA』を続けざま服用したことによるドラッグ・オーバードーズ、――アロハのみんなが闇のなからか引っ張りあげてくれるまで、メイに対する想いなどすっかり忘れてしまっていたことだけは確かだ。――)


【ALOHA STAR MUSIC DIARY / Extra Edition】



【2012.03.21 記事原文】

ボズ・スキャッグスといえば、やはり外せないのが
70年代を代表する不朽の名曲「We're All Alone」♪
※ボクもカラオケで良く歌いますね♪


彼の出世作となった1976年のアルバム『Silk Degrees』収録曲。

彼のアルバム作品としては、一番聴き応えのある内容ですかね。。。





We're All Alone - ボズ・スキャッグス
アルバム『Silk Degrees』 1976年



【ALOHA STAR MUSIC DIARY No.28】 Silk Degrees - ボズ・スキャッグス

【ALOHA STAR MUSIC DIARY No.28】 Silk Degrees - ボズ・スキャッグス





1983年9月


その日の学校帰り
李メイは 倉田ユカリが座った車椅子を押しながら
ようやく艶やかなピンク色の薄い唇を ほんの少しだけ開いた。


「もし良ければ ちょっとだけでもウチに来れば?
シーナ君に何も予定がないんなら。。。だけど」

「うーん。 そうねぇ。 それじゃぁ ちょっとだけ・・・ね」


今さっき 初めて話したばかりのユカリに
" メイの家に今から一緒に来ない? "って いきなり誘われて
ボクもどうしようか少しだけ悩んでいた。

だけど メイがそう言うんならば
別に 暇だったし行ってもいいかな。と思った。


【 でも なんでユカリはボクをメイの家に誘ったんだろう 】


車椅子に座りながら ニコニコとボクの顔を 小さくて丸い
まるでリスのような" つぶらな "瞳で見上げているユカリの誘いを
それ以上 理由も無く断れるような雰囲気ではなかった。

だからって 別に行くのが嫌だったという訳でもない。

メイが纏(まと)う どこか" 涼しげな魅力 "が
最近 少しだけ気になっていたのは確かだった。


もしかしたら 左目の下にある" 泣きぼくろ "のせいで
彼女が余計に大人びて見えているのかもしれない。


【 " ほくろ "ってすごいな。ほんの チョコっとあるだけで 
表情をものすごく変える魔力を持ってる。
しかも " ほくろ "の場所によって その人の雰囲気が全く違って見えてしまう。

そういえば マレンにも唇の上に小さな" ほくろ "があったな。
だから何となく キレイで大人びた顔立ちに思えたんだ。 きっと・・・ 】





ボクが生まれたときから すでにそこにあったんだろう。

錆びたトタン作りの古い酒屋は 昔から何も変わっていない。
まだ昼間なのに 電気が点いてないせいで 光の当たらない店の奥のほうは真っ暗だ。

ボクらは その店でジュースを買ってからメイの家へと向かう。

「ボクが払うよ」と言ったんだけど
「誘ったのは私だから」とユカリがそれをまとめて買った。

ユカリは店を出てからも ずっと車椅子の上で嬉しそうにはしゃいでいる。

ボクは 車椅子を押すメイのちょっと後ろを 買ったジュースの袋を持って歩いた。
きっと他の生徒たちが見たら すごく意外な組み合わせに思うんだろうな。


ボクが通っている通学路の 途中の路地を左に曲がると
両脇に建つ家々の庭先から はみ出すようにして
大きな樹木が生い茂った狭い住宅街の通りへと出る。

木の陰に埋め尽くされ ほとんど太陽の西日が遮られたその通りを
少しだけ入った場所にメイの家はあった。


コリアン3世の彼女の家が どんな作りなのかな。とちょっと気になったが
それはごく普通の ありふれた木造2階建ての住宅だった。


考えてみれば 中学になってから
ボクが女の子の家に遊びに行ったという記憶なんて ほとんどない。
マレンの家にしたって せいぜい門の前にまでしか行ったことがなかった。


メイの家の玄関で ボクはユカリが車椅子から降りるのを手伝った。
勝手にカラダを触っていいものか一瞬悩んだけど
とにかく彼女を左側からゆっくりと抱え上げた。

ユカリのカラダは ボクが想像してたよりも ずっと軽かった。

おそらく片手でも持ち上げられそうなほどに軽く
そして ものすごく細かった。


「ありがとう。 ゴメンね」

ユカリはそう言って 玄関の上り框(あがりかまち)に一旦座ると 
車椅子の座席の後ろから杖を外して 一人で立ち上がった。

ボクが慌ててユカリを支えようと 手を差し出した瞬間
彼女の" か細い "両脚には 不釣合いなほどに重たそうな
メタルフレームの補助具が装着されていることに初めて気付いた。

さっきまでは ずっとひざ掛けをしていたせいで " ソレ "には気付かなかったのだ。


玄関にはメイの兄貴のものと思われる" ヨーロピアン "や" 餃子 "
タイプの大きなサイズの靴が何足か置いてあった。

もし" 悪評の絶えない "不良である彼女の兄貴に出会ったら
何て挨拶したらいいものか考えてたけど
とりあえずは まだ彼は帰って来ていないみたいだった。


玄関を上がってすぐ左手の応接間へと ユカリは先に入っていった。
ボクもその後を追うと そこには茶色いソファセットの奥に
1台の古いピアノが置かれていた。

たぶん彼女が小学校くらいから ずっと使ってるものなんだろう。


「ちょっと待てってね」

メイは応接間の入り口でボクらにそう言うと 2階へと上がっていった。





1983年11月


土曜日


時刻はすでに 深夜零時を過ぎている。

ヤンキー女子高生の彼女たちも さすがに数時間前までの勢いは
すっかり無くなってしまっているようだ。

おそらく まだグラスを持てる気力のある子は
せいぜい2、3人くらいなものだろう。

しばらく前に彼女たちの輪の中に戻っていった浅倉トモミは
目が据わってる先輩らしき女から ずっと同じような" 武勇伝 "みたいな話を
何度も聞かされているみたいだった。


でも・・・
隣のボックス席に すっかり倒れ込んでしまっている子たちを
どうやって彼女たちは 連れて帰るんだろう。


「GENさん ちょっと電話借りていい?」

" ケバい "化粧の先輩風の一人が そう言うと
かなりフラツキながら カウンターへと入ってきた。

シンクの前に立ってセブンスターを吸っているボクを見ると


「アンタさぁ。 あの子は ダメだよ。
西尾のお気に入りなんだからね」

「西尾? 西尾って誰すか?」

「Kf高校の西尾だよ。Ys中学七人集の" 裏番 "だったさぁ」


ボクもその名前は どこかで聞いたことがあるような気がした。
隣町にあるYs中で 確かボクらの2校上の人だったと思う。


【 夏に 一緒にシンナー吸ってたときに
隣町の中学の連中から聞いたんだっけな 】



この界隈の中学では そうした" 何人集 "と呼ばれ
一目置かれている不良集団が何グループかあった。


【 " Ys中 七人集 "で一番 喧嘩が強いとされてたのが
確か その西尾ってヤツじゃなかったかな 】




「まぁ " 西 "は 若い中学生が大好きだからねぇ。
トモミは ヤツの今のお気に入りの1人ってことよ。
" 西 "も 相当に飽きっぽい男なんだけどねぇ。

でもトモミもさぁ。 酔うと 結構 見境い無くなって
おかしくなっちゃうけどね。
まぁ とにかく アノ子には手を出さないほうがいいよ」


【 " お気に入りの一人 " ?・・・
西尾ってヤツの" 彼女 "って 訳じゃぁないんだ 】



" ケバい "先輩は 結構マジな顔をしたままボクにそう告げてから
カウンターの奥へと入って行き 誰かに電話を掛け始めた。

うっすらと聞こえてくる その内容からすれば
暴走族の後輩か誰かを G'Zまで迎えに来させようとしているような感じだった。


ボクは何となく カウンターからトモミのほうを見た。
彼女もさすがに 相当 酔っ払っているように思えた。


【 さっき トモミがボクに言ってた「絶対変なことされる」って
つまりは もし今日 その場所に行ったら 西尾ってヤツらに
" ヤらしい事 "でもされるってことなんだろうな。きっと 】



" ケバい "先輩が 電話からソファに戻って しばらくすると
トモミと先輩たちが ちょっとした口論をし始めた。


「アタシ・・・今日は行きたくない」

「何云ってんの? アンタが来ないと
ヤツがまたスゴク機嫌悪くなるんだからね」

「でも・・・何かカラダの具合が悪いから・・・」


トモミが一瞬 こっちのほうを見たような気がした。

さっきまでの三日月がトロけたような微笑みは すでにそこからは消えている。
彼女の瞳は 明らかに " 哀しみの色 "を漂わせていて どことなく虚ろだった。

なんとなく可哀想だと思ったけど
だからって ボクにはどうすることも出来ない。



30分くらいすると 見るからに" ゾク "っぽい連中が4人
店の中に入ってきた。

ソイツらは GENに挨拶をすると ソファに倒れ込んで
泥酔している女の子たちを 抱え上げて外へと運び出し始めた。

彼女たちには もはや全く意識がなかった。
ほとんど" 死体 "のようだったけど まだとりあえずは生きてるようだ。

数人が運び出された後 そのうちの一人の男が
カウンターでタバコを吸ってるボクのほうを睨んだ。

ボクも睨むという訳でもなく 何となくソイツのことを
別に目を逸らさずに見ていた。

ソイツは ボクのほうへと歩いてきて
目の前のカウンター席に" ドカッ "と音を立てて座り込んだ。
ボクは腕を組みながら ゆっくりとタバコの煙を横のほうへ吐き出した。


「オメェ Si中のシーナだろ! こないだDt中の連中とモメたんだってな」

「・・・モメたっていうよりも 一方的に" リンチ "されたんすけどね」

「そんで ナイフで どっか切られたのか?」

「うーん・・・ナイフかどうか分からないけど まぁヤられました」

「刃物使うなんて " 糞 "だな ソイツら」

「まぁ 手を出してたのは 数人だけなんですけどね」


彼は こないだボクが中学の前でDt中の連中に待ち伏せされて
散々殴られた挙句に 刃物で背中を切られたときの話をしていた。


「GENさんは そのこと知ってるのか?」

「いや・・・GENさんには 別に何も言ってないすね」


男はちょっと口元に笑みを浮かべた。

「だろうな。 もしGENさんがその事知ったら
ソイツきっとこの辺 歩けなくなるだろうから」


GENは酔っ払って さっきからソファの上で ずっと大笑いしている。


「知ってるだろ? GENさんって " 組の親分の息子 "だからな」


【 組? ヤクザ? 】



「あの人 最近じゃぁスゲエ大人しくなったんだけどな。
でも 同年代の人達からは 未だに怖がられてるからよぉ。
だからオメェも 絶対に怒らすなよ」

暴走族の幹部って聞いた気がするんだけど 
ヤクザの息子だったということは 初めて知った話だった・・・




帰り際 トモミがボクのほうへと寄って来た。

結局 今から男の先輩の家に連れて行かれることになった彼女の表情に
さっきまで楽しそうに笑ってた面影などは無かった。


「ゴメンね。 たぶん 今日は抜けられそうにないから」

仕事が終わってから彼女の家に 2人で行こうと誘われてたけれど
別にはっきりと そのことを了承した訳じゃぁない。

だけど 彼女との" 何か "を 少しは期待してたんだろうとは思う。


「また今度 店に来てもいいかな」

「あぁ。 いいと思うけど」

「じゃぁ。またそのうち必ず来るからね」


そう言って 慌しく扉を出て行った彼女の唇から 最初に見たとき
すごく気になった真っ赤なルージュの色は 殆ど拭い去られていた。

それさえなければ 彼女は髪の毛の茶色い
ただの中学3年の少女にしか見えなかった。




1983年9月 


「メイはねぇ・・・」

ユカリはオレンジジュースを一口飲んでから
何かを思い出したようにして" クス "っと微笑んだ。


「たぶん シーナ君のこと気に入ってるんですよ」

「えっ。オレを?」

「たぶん いや。絶対そうだと思います」


その言葉は あまりにも唐突だった。

ユカリとは ついさっき初めて話したばかりだというのに
気付いたら すっかり彼女のペースに" はまって "しまっている。


「メイとはね。 中学に入ってから 同じクラスになったことないんだけど
彼女って 小学校時代から あんまり男の子の話をしないんです。
なんか苦手みたいなんでね。

でもね。最近 シーナ君のことを よく私に話すんですよねぇ。
あっ! 私がこんな事言ったなんて内緒にしといて下さいね」


【 そんなの当たり前だ。メイに何て聞けばいいんだ 】


「メイも私も 小学校の頃は よくからかわれたりして
イジメられてたんですよ。

でもメイは すごく強い子だったし それにとっても優しいの。

私は すぐに泣いちゃうんですけど メイは全然平気みたくって
いつも私のことを慰めてくれてたんです。
ものすごくいい子なんですよ」

「そう。 イジメられてたんだ・・・」

「彼女って すごく人見知りというか 特に男の子には
自分から絶対に話し掛けたりしないんです。

他の男の子の話は 昔からほとんどしないのに
なぜかシーナ君の話だけは この頃 かなりするんですよね。

だけど きっと本人もそのことには気付いてないと思うんです。

だから私がね。 今日 ちょっとシーナ君を誘ってみたんです。
というよりも 機会があれば " いつかは誘ってみよう "
と ずっと思ってたんですけどね。

でも やっぱり シーナ君がメイの家に来るのを
彼女は全然 嫌がらなかったでしょ?
まぁ 絶対に嫌がらないとは 思ってたんですけどね」


ユカリはイタズラっぽく笑いながらそう言った。

ユカリが今日 突然 ボクをメイの家に誘ったのは
つまりは" メイのために誘ってあげた "ということなんだろうか。

メイがユカリに どんなことを話してるのか なんだかものすごく気になった。
それとなく探ろうとしたとき 階段を下りてくる小さな足音が聞こえた。

" シーッ " と ユカリは その小さな唇に左手の人差し指を少しだけ当てた。


【 何だかものすごく不思議な雰囲気を持ってる子だな 】


もしかしたら 単におせっかいなだけなのかもしれないけど
彼女のしぐさや話し方には 素朴な子供のような" 繊細な純粋さ "を感じる。

やがて 銀縁の眼鏡を掛けて 黒っぽいワンピース姿のメイが応接間に入ってきた。
普段 見慣れた制服姿ではなく 私服のメイには どこか" しとやかな気品 "が漂っていた・・・




「こないだ メイに映画館へ連れてってもらったんですよ。
私ね。どうしても『戦場のメリークリスマス』が観たくって 」

「" ワタシが連れていった "っておかしいでしょ。
ユカリンと一緒に観に行っただけなんだから。
それに ワタシも観たいと思ってたんだし」


李メイは倉田ユカリの横に座ってそう話しながら
内側にカールしたセミ・ロングの襟髪を
両手の人差し指で後ろのほうへとそっと流した。


【 メイって 家では 普段 眼鏡を掛けてるんだな 】



「あの坂本龍一の曲って すごくいい曲でしょ。
だから 私 あの後 メイにピアノで弾いて欲しいって すぐお願いしたんです」

「ワタシ 譜面がないと弾けないから・・・困ったんだけどね」

「メイ ちょっと弾いてみてよ」


メイはまるでユカリのお姉さんのようだった。
ワガママな妹のお願いを 何でも笑いながらきいてあげてるように思えた。


メイは 奥のピアノの前に座った。
ボクは彼女のうしろ姿を眺めた。

黒いワンピースが 彼女の緩やかで女の子らしい
両肩のシルエットにフィットしていて すごく似合っている。
というよりも 彼女自身 黒い服が とても似合うんだろうと思う。



戦場のメリークリスマス Piano Ver.






メイがイントロの旋律を弾き始めた。

右手の主旋律は 相当高いオクターブで奏でられているようだ。
ものすごく哀愁を秘めた 儚げなメロディだった。

そして あの有名な Aメロの旋律へと移行していく。
Aメロの主旋律が何小節目かで和音を奏で始めた。
するとピアノのシンプルな演奏に厚みが一気に増してゆく。

左手の伴奏はひたすらベースコードで 切ないメロディラインを下支えしている。

やがて 後半のCメロで おそらく両手で四和音づつ鍵盤を強く叩く感じの
メゾフォルテが絡むパートに差し掛かると 強弱記号に合わせるようにして
ペダルを踏み込むメイの肩や背中は前後に揺れた。


ボクは すごく感動していた。
久し振りに 誰かの生演奏を聴いて心が震えた。
ユカリもじっと 瞬きもせずに メイの後ろ姿を黙って眺めている。


演奏が終わると 思わずボクとユカリはメイに拍手を送っていた。


「いやぁ すごいねぇ 李さん」

「でしょ。メイはすごくピアノが昔から上手だったんですよ。
私も本当はピアノを弾きたかったんですけどね・・・」

ユカリはそういって 自分の右手の指先を一度眺めてから
ボクのほうへとかざした。


「子供の頃 車椅子のスポークに指を挟んじゃったみたいで
そのとき 右手の人差し指と中指を骨折しちゃったんです」

ボクはユカリの細い指先を見つめた。
確かに中指は 第2間接から 横にちょっと曲がっている気がした。


「なんか中指の爪の生え方がおかしくなっちゃったみたいで
あと間接もうまく曲げられなくなっちゃたんでね。
それで私 ピアノは諦めたんです」


あんなにも明るかったユカリの声が
その一瞬だけ " フッ "と どことなく沈み込んだように思えた。


「じゃぁ 次は シーナ君も なにか弾いて下さいね」

ユカリは ボクのほうを 二つの" つぶらな "眼差しで見つめながら
再び笑顔に戻って そう言った。


「じゃぁ・・・ホントに久し振りなんで 上手く弾けるか分からないけど」

「ピアノは ちょっと練習しなくなっただけでも
指先が鈍って すぐ弾けなくなっちゃうものね」


メイは 椅子から立ち上がって 静かに笑いながら そう呟いた。

ボクはメイと入れ替わるようにしてピアノの前に座る。
そこには まだ微かに残る メイの温もりが感じられた。


しばらく鍵盤を眺めてから 適当な和音コードを両手で押さえた。

徐々に 和音コードを組み合わせながら
ひとつの楽曲風に音を変化させていった。

でも 特定の曲を弾いてる訳じゃなくって
そのコードに合ったメロディラインを何となく指先で探していたのだ。


【 まだ少しは動くみたいだな。じゃぁ・・・何を弾こうかな 】


テンポを一旦スローに戻していきながら
Gコード上の鍵盤をしばらく" ポーン ポーン "と数回押さえ続ける。


【 このまま簡単にメロディへ移行できるのは「Let It Be」とか
ボズ・スキャッグスの「We're All Alone」あたりだろう 】



ボクはオリジナルよりも少しテンポを下げて
We're All Alone」のAメロの主旋律を
イントロを飛ばして右手で奏で始めた。

特に違和感もなく 普通に弾けていることに自分でも少しだけ驚きながら・・・



「すごーい!ホントにすごい上手ですね!
全然ピアノ弾けてるじゃないですか。
もしかして" 天才 "なんですか? シーナ君って」


曲を弾き終えると ユカリは驚きと喝采の声を しばらく上げ続けた。

彼女は 厭味っぽくならない ギリギリの褒め方がとても上手い。
しかし そこまで褒められると さすがにボクも少し照れる。

メイも 小さく何度か手を叩き
ボクのことを 薄っすらとした微笑みを湛えた瞳で見つめていた。


「じゃぁ 今度は シーナ君が作ったっていう曲を弾いてみてくださいよ」

「えっ! あれはちょっと難しいから たぶん弾けないと思うんだよねぇ」


「絶対に弾けますよ。 じゃぁ 弾けるとこまででいいんで聴かせてください」

ユカリは相変わらず 押しが強い。
彼女にそう頼まれると 不思議と何だかどうしても断れなくなってしまうのだ。



【 もしかしたら今でも弾けるのかも知れない。
でも この曲を軽々しく弾いていいんだろうか。

これは" マレンのため "だけに作ったメロディ。
この曲を彼女以外の人に 聴かせてしまってもいいんだろうか 】




ボクは瞳を閉じた。

今年の3月 この曲をマレンに初めて聴かせた日の情景が
自然と少しずつ瞼(まぶた)の裏にうっすらと浮かびあがってくる。


無意識のうちに 指先が鍵盤に添えられている感触を感じ取っていた。


【 この曲って イントロコードは" B "から始まるんだったな 】



ボクの両手は やがて鍵盤を一気に強く押し下げた。

一度 メロディを覚えた指先は もし そこに何ら意識がなかったとしても
自然と勝手に動き続けてゆく。


何度も繰り返し 繰り返し 耳で 指先で そして心で奏で続けられたこのメロディ。
どれだけの時間が経とうが 心に刻み込まれた この旋律を忘れるはずもなかった。


長くて複雑なマイナーコードのイントロが終わると
やがて静かにメジャー・コードのAメロが始まる。


ボクは瞳を閉じたまま この曲の主旋律上に 心で歌の歌詞をずっと書き綴っていく。

サビのパートに差し掛かる。

マレンが瞳を閉じて ウォークマンを聴いていたときの
あの穏かな表情がはっきりと思い出されていた。


あのときは恥ずかしくって 彼女に感想すらまともに聞けなかったけど
今ならば マレンの目の前でも ちゃんと恥ずかしがらずに
この曲を歌えるような気がする。


やがて カセットを聴き終わり マレンがそっと その瞳を開けた瞬間の
眩いくらいに輝いていた嬉しそうな笑顔が ボクの心を一気に締め付けた。


1番が終わって 間奏に差し掛かったところで 主旋律のメロディを間違えた。
ボクは ふと我に返る。 その瞬間 指先も" ピタリ "と動きを止める。


今度は さっきのような大きな驚嘆の声は 2人からは上がらなかった。
おそらく 変な終わり方をしちゃったせいだろう。

「やっぱ 途中で間違えちゃったなぁ」

ボクは そう笑って2人のほうを振り返る。


ボクを見つめているメイと目が合った。
彼女はさっきと同じような微笑みを瞳に浮かべていた。

だけど その瞳から頬にかけて 一滴の涙が伝っていくのが分かった。


「すごい・・・  ホントにすごいよ。シーナ君・・・
ものすごくいい曲。 ホントにいい曲。 ワタシはそう思う」


ユカリが何かを言おうとする前に
メイは 涙を拭わずにボクの目を見つめたままで
そっと 優しくこの曲を褒めくれた。


ボクも なぜだか少しだけ涙がこみ上げてきそうな気分になっていた。





Silk Degrees - ボズ・スキャッグス



 1 What Can I Say
 2 Georgia
 3 Jump Street
 4 What Do You Want The Girl To Do
 5 Harbor Lights
 6 Lowdown
 7 It's Over
 8 Love Me Tomorrow
9 Lido Shuffle
10 We're All Alone

リリース 1976年3月 |レーベル コロムビア

" ボズ・スキャッグス氏=AOR "という認識を大いに印象付けたAORの歴史的名盤☆ 後のTOTO結成に繋がる若手スタジオミュージシャンを集結させたことで ダンサンブルなディスコナンバーから 珠玉のバラーソソングまで 実に幅広いジャンルのサウンドが凝縮された1枚☆中でもTOTOで中心的役割を担っていくデヴィッド・ペイチ氏の存在が非常に大きいですね♪彼がいなければ このアルバムも生まれなかったんでしょうなぁ☆





ALOHA STAR MUSIC DIARY

Rakiの名盤紹介 洋楽アルバム編

Rakiの名盤紹介 邦楽アルバム編

【Re-Edit】 She's Gone - Daryl Hall& John Oates 【70年代AOR】

【Re-Edit】【70年代洋楽AORの名曲】


She's Gone





I selected "She's Gone"
from 2nd album "Abandoned Luncheonette"
of Daryl Hall& John Oates released in 1973.



1976年の洋楽ヒットチャートから


ご存知 ブルー・アイド・ソウル系と称される
ポップ・デュオのホール&オーツ☆

すでに当ブログでも 何度も書いてることなんですけどね・・・
ソウルっぽいアレンジのサウンドも たまには含まれてますけど
基本的に彼らって やっぱ" アダルトポップス "なんだろうと思うんですわいな。

そんな彼らの名前が最初にビルボードチャートに登場するのが
1974年にリリースされたバラードナンバー「She's Gone」☆

この曲には確かにソウル系のフィーリングを感じますけども・・・
しかし・・・最高60位とパっとせず。。。

ところが1976年にリリースした「Sara Smile」が全米シングルチャートで
4位まで上昇したことを機に 同年「She's Gone」を再販したところ
見事にビルボードのシングルチャートで最高7位を獲得いたしました☆


う~ん。。。まさに商売上手なレコード会社!
といったとこでしょうか???



【2012.06.16 原文】

ホール&オーツが1973年にリリースした
2ndアルバム『Abandoned Luncheonette』 から
初期の代表曲となった「She's Gone」をチョイす♪

彼らの楽曲にも、かなりロック嗜好が目立った時代の作品ですが、
この曲だけは、妙にAOR調にアレンジされております☆
結局、彼らの中期はこのアダルトポップ路線へと方向転換することになるのですがね☆






She's Gone - Abandoned LuncheonetteShe's Gone - ダリル・ホール&ジョン・オーツ
2ndアルバム『Abandoned Luncheonette』 1973年


【Re-Edit】 Africa - TOTO 【80年代ポップス】

【Re-Edit】【80年代洋楽ポップスの名曲】


Africa





I selected "Africa"
from 4th album "TOTO IV"
of Toto released in 1982.



1983年の洋楽ヒットチャートから


これまでに ボクの周りでTOTOのファンを公言する人にはほとんど会った事が無い。
ボクを含めてなんですけど アルバムは持っていてもそれを" 名盤 "と評する人もいない。

つまりは 技術的評価と作品的評価とは別物だということなんですかねぇ・・・

TOTO最大のヒットアルバムである1982年リリースの『TOTO IV』にせよ
ほとんどの人が持っていたものの 実際アルバムに対する評価は
さほど高くなかった訳なんですわいねぇ。


ジェフ・ポーカロ氏やスティーヴ・ルカサー氏は当ブログで紹介してきた
70年代中期以降の他のアーティスト作品にも数多く参加しており
優れたスタジオミュージシャンとしての評価は揺るぎの無いところで御座います。

でも彼らのサウンドを実質的にライティングしてたのは
キーボードのデヴィッド・ペイチ氏。

そんなデヴィッド・ペイチ氏とジェフ・ポーカロ氏がライティングクレジットされた
彼らにとって唯一の全米No.1ヒットが 1982年のビルボードのシングルチャートで
1位を獲得した『TOTO IV』からの3rdカットシングル「Africa」でした☆


彼らにとっては このアルバム『TOTO IV』がバンドとしてのピークとなり
これ以降はアルバム、シングル共に目立った成績を残しておりませんです;;;




【2012.03.21 原文】

TOTOといえばロスの一流スタジオミュージシャンが結成したバンド!
というイメージが先行する。


従って、テクニックはあるけどツマラナイ!
とするロックファンからは敬遠されたバンドである。
※少なくともハードロックバンドではない。。。


そして先に紹介したボズ・スキャッグス「We're All Alone」収録アルバム
『Silk Degrees』のバックメンバーがTOTOの原型になったとされている。


さて。
日本でも大ヒットし、世界的な人気を決定付けた
4枚目のアルバム『TOTO IV』から「Africa」を選曲♪

同アルバムのオープニングを飾る「Rosanna」と並んで、
TOTOを代表する大ヒットナンバーである。






Africa - Toto IVAfrica - トト
4thアルバム『TOTO IV』 1982年

【素敵なクリスマスのために☆】 4 Seasons of Loneliness - Boyz II Men 【90年代以上バラード】

【90年代以上洋楽バラードの名曲】


4 Seasons of Loneliness





I selected "4 Seasons of Loneliness"
from 3rd album "Evolution"
of Boyz II Men released in 1997.



さて。。。
あまり同一アーティストのナンバーを連続して紹介するのは
当ブログではな~んとなく避けてきたのですけども・・・

とりあえずボーイズⅡメンのナンバーを最後にもう1曲だけ☆


モータウン・レコードからの最後のリリースとなった3rdアルバム『Evolution』☆
このアルバムは確かジャンク屋(もしくはフリマ?)で100円で買ったことだけは
明確に記憶しております☆

そんなアルバムからジャム&ルイスによる90年代ブラコン系バラードの集大成!
「4 Seasons of Loneliness」をチョイス♪
彼らにとっては最後のNo.1シングル&No.1アルバムとなってしまいましたなぁ・・・

余談ですが。。。
ボーイズⅡメンで思い出すのが、かつてなんかの番組で石田純一氏が
車(フェラーリだったか?)の中で、
最近良くボーイズⅡメンの『The Ballad Collection』を聴いてる!
と言っていたのが非常に印象的でした。。。
まぁ。「らしい」わいなぁと思った訳です☆

そんなこんなでボーイズⅡメンの名曲特集でした!!
では!良いクリスマスを☆
ん?さすがにまだ早いですかね???




4 Seasons of Loneliness - Evolution4 Seasons of Loneliness - ボーイズⅡメン
3rdアルバム『Evolution』 1997年

「サザンオールスターズ/桑田佳祐 Live in GHIGASAKI」夢のセットリスト1

☆いつかは見たい☆
「サザンオールスターズ/桑田佳祐 Live in GHIGASAKI」
夢のセットリスト その1



すっかり夏です☆
こんなときは夕暮れ時から開演する
サザンのライブでも観たいわなぁ~とホンキで感じます。

2007年に活動休止に入って以降、病から復活後も
桑田さん単独での音楽活動は続いているのですが・・・
ボクは最近の桑田さんの楽曲には全く面白みを感じません。
というか、こないだTVで観た桑田さんの姿があまりにも痛々しくて、
もう無理をしないほうが良いのでは?とチョッと思います。

確かにセールス面だけを見ればバンドとしての音楽にも限界が来ている。
ただ、それは時代の流動性に自らのほうを合わせようとした結果、
どっちつかずのサウンドになってしまったということではないでしょうか?

そういう意味ではソロ活動でリリースしてる楽曲は、トレンドを意識せずに
ハナ歌で出てきたメロディをそのまま曲にした感じがするんで、
まぁ、どっちかといえば正しい方向性だと感じます。

彼はとてつもない数の名曲を持ってるのだから、
それを大切に歌っていけば良いんだと思いますし、
ファンも本当に聴きたいのは新曲ではない気がするのですが・・・


ということで!
D社&某大手広告代理店の仕掛けたライブなど演らなくても良いので、
桑田さんが元気なうちに是非ともバンド、ソロ活動を含めた集大成的な
ライブをもう一度茅ヶ崎市営球場で2日間くらい開催して頂きたいものです☆
もし演るならこんなセットリストでやって欲しい!!
という個人的な願望を込めて・・・



1日目
20××年8月7日 pm4:00開演 茅ヶ崎市営球場
~ 第1幕セットリスト ~


1.旅姿六人衆
6thアルバム『綺麗』 1983年7月5日
普段のライブではあまりバラードから始まらないですが、
まぁいきなり「旅姿」から入ったら、それはそれで盛り上がるかな?
歌詞 → goo音楽へ
2.MY FOREPLAY MUSIC
4thアルバム『ステレオ太陽族』1982年7月21日
「旅姿~」のエンディングの余韻を一気にチェンジさせ
サザン屈指のメロディアスなギターロックを♪
歌詞 → goo音楽へ
3.マチルダBABY
6thアルバム『綺麗』 1983年7月5日
アルバム『綺麗』からオープニングナンバーの「マチルダBABY」☆
80'sデジタルテイストを取り込んだ傑作ロック♪サックスがかっこいい☆
歌詞 → goo音楽へ
4.Bye Bye My Love (U are the one)
8thアルバム『KAMAKURA』1985年9月14日
この曲のドラムの響きが異様に好きです☆
メランコリックなメロディにもシビれます☆神曲のひとつ
歌詞 → goo音楽へ
5.太陽は罪な奴
12thアルバム『Young Love』1996年7月20日
桑田氏が得意のリズムパターン☆定番コードによる
進行フォーマットが確立されている「桑田系ソング」のひとつ☆
歌詞 → goo音楽へ
6.せつない胸に風が吹いてた
11thアルバム『世に万葉の花が咲くなり』 1992年9月26日
こちらも「希望の轍」をオリジンとする定番コードのナンバー☆
歌詞を含めてコッチのアレンジほうが完成度は高い気がする☆
歌詞 → goo音楽へ
7.波乗りジョニー
ベスト盤『TOP OF THE POPS』 1988年7月9日
メジャーコードによる気分爽快なポップナンバー☆
まぁコレも定番コードなんでしょうが夏にはピッタリですよね☆
歌詞 → goo音楽へ
8.YOU
9thアルバム『Southern All Stars』 1990年1月13日
このあたりからきっとうっすら夕暮れになって来ることでしょう☆
ですので涼しげな夏の風を感じながらのチョイス☆
歌詞 → goo音楽へ
9.みんなのうた
ベスト盤『すいか』 1989年7月21日(プレミア)
さらにここらでちょいアゲの一曲をチョイス☆
ライブでの盛り上がり度はサザン屈指のナンバー☆
歌詞 → goo音楽へ
10.TSUNAMI
ベスト盤『バラッド3 』 2000年11月22日
邦楽史上最高のバラードナンバーは夏のサンセットが夜と溶け合う
一日で空が最も美しい瞬間に恋人と聴きたいですよね☆
歌詞 → goo音楽へ



~ 一日目 第2幕セットリストへ続く ~

【ALOHA STAR MUSIC DIARY No.2】 Slowhand - エリック・クラプトン 

【ALOHA STAR MUSIC DIARY No.2】 Slowhand - エリック・クラプトン




1982年7月

川澄マレンのことは中学に入る前から知っていた。
嫌々ながら通わされてたスイミングスクール。
ボクたちは小学生のとき同じプールの中ですでに出会っていたんだ。

中学2年で彼女と同じクラスになったとき、
変な気恥ずかしさもあったせいで特に挨拶などしなかったし、
逆に不自然なくらいに彼女から遠ざかろうとしていたようにも思う。

ただ、久々に会った彼女は小学生時代よりも遥かに背も髪も伸び、
唇の左脇にある小さなほくろが、変な化粧をするよりも
余計に彼女を大人に見せている。


彼女はいつも親友である大久保スミかと一緒にいる。
ボクはマレンとはほとんど会話してなかったけど、
スミカとは不思議と気楽に話すことが出来た。


ある金曜日。
ボクは友人の鈴木ミツキから誘いを受けた。

「みんなで日曜にドリームランドに行こうぜ」

ボクは以前から「シャトルループ」には一度乗ってみたいと思っていた。
ただ本当に乗りたかった大船駅から延びる「ドリームランドモノレール」は、
すでに数年前から運行が止まったまま未だにその軌道だけが
取り壊されること無く残されている。

「みんなって誰よ?」

「大久保に行こうって誘われたんだよ」

ミツキは笑いながら答えた。

「川澄も?」

ボクは当然そうに決まっているだろう返事に対して、
わざとそんな質問をした。


土曜日の放課後、ボクら4人は一緒に帰ることになった。
ボクだけ家の方向が違っていたが、彼らの家のほうへみんなで向かった。
やがて市営球場に隣接する公園の広場に座り込み、明日の打ち合わせを始めた。


この場所は、ミツキたちと小学校の頃によく遊んだ記憶がある。
詳しくは知らないが、ミツキの兄貴は湘南でも有名なサーファーだった。
でもプロとかそういうのじゃなくって彼の周りには、地元のローカルサーファーや
サーフショップのオーナーなどの仲間が非常に多かった。

ボクらは特にサーフィンをしていた訳でもなかったが、
彼の兄貴の影響もあって、子供の頃からサーファーズブランドに対する興味を抱いていた。

特に辻堂に「ライトング・ボルト」が出来たときは、毎週のようにみんなで通ったものだ。
今でも最初に買ったボルトのボストンバッグを常に持ち歩いている。


「最近ギターを弾いてるんだって?」

不意にマレンがボクに問いかけた。

「あ、うん。フォークギターしかないけどね。」


不思議なことに、数ヶ月間ほとんど会話もなかったボクらだが、
このギターの話をきっかけに、今まで感じてたような
変な距離感は自然と薄れていった。

彼女は、特に小学校時代のスイミングスクールのことなど話さなかったし、
ボクも昔の話などしなかった。
きっと二人ともかつてのダサい水着姿しか見ていないので、
それがお互い話しづらくさせてた一番の原因だったんだろうなぁと思う。
そう。あの頃とはお互い、ほとんどすべてが違ってしまっている。

「今なに聴いてるの?」

「日本人のじゃないから、たぶん分からないと思うよ」

「え。じゃぁ明日聴かせて」


そうしてボクらは別れた。


日曜日の朝、ボクらは駅で待ち合わせる。
ボクは買ったばかりのボルトのTシャツにエドウィンのジーンズで出掛けた。
ミツキはまだ来てなかったが、マレンとスミカはすでに駅にいた。

考えてみたら、デートといえるようなことをするのは今日が初めてだ。
普段、制服姿の二人は、ちょっと別人のように感じた。

マレンは小さな花柄がいくつも胸元に刺繍された白いワンピースを着ている。
ボクは少しだけ照れているのが自分でも分かった。
ちょっと遅れてやってきたミツキに、ボクは照れを隠すためにムダに絡んだ。

ボクらは切符を買ってホームで電車を待つ。

ミツキとスミカは、二人だけで大笑いしながら盛り上がっている。
そうか、この二人は付き合ってるんだ。
今になってやっとそのことに気付く。

確かに4人の距離は、知らず2組に分かれている。
もしかしたらミツキとスミカは、ボクらをダシに使ったのか?
でもそうだとしても、特にムカついてなどいなかった。


ボクの隣には線路に落ちた初夏の日差しを静かに眺めているマレンがいた。
ボクは彼女にウォークマンを差し出す。
「今オレが聴いてるのって、これかな」

彼女はヘッドフォンを不慣れな手つきで耳に当てる。
ボクは早送りしておいたカセットのボタンを再生させた。

きっと、クラプトンの「Wonderful Tonight」が始まったはずだ。
マレンの横顔を、ボクは時々確かめている。
彼女はどんな気持ちでこの曲を聴いてるんだろうか。

ボクがウォークマンを持ってるせいで、
ボクと彼女との距離はほとんど無くなっていた。

「なんかいい曲だね」

聴き終わった彼女はボクにヘッドフォンを差し出した。
それを受け取ろうとした瞬間、
ほんの少しだけボクの小指が彼女のひとさし指に触れた。

彼女は特にそのことを気にする素振も見せずに
「また他の曲も聴かせて」と笑った。

ボクは、そのとき初めて彼女の瞳をちゃんと正面から見た気がする。
駅のホームを一瞬吹き抜けた風に、彼女の長く伸びた髪はキレイになびいていた。

電車を待つ僅かな時間。
スイミングルスクール時代の幼かった彼女の面影を
ボクが感じることなど、すでに無くなっていた。




『Slowhand』 エリック・クラプトン



Side One
 1 Cocaine J.J. Cale  
 2 Wonderful Tonight Erec Clapton  
 3 Lay Down Sally Erec Clapton, Marcy Levy, George Terry  
 4 Next Time You See Her Erec Clapton  
 5 We're All the Way Don Williams  
Side Two
 6 The Core Erec Clapton,Marcy Levy  
 7 May You Neve John Martyn  
 8 Mean Old Frisco Arthur Crudup  
 9 Peaches and Diesel Erec Clapton, Albhy Galuten  


リリース 1977年11月|レーベル RSO

『Slowhand』は、1974年リリースのソロ2ndスタジオアルバム『461 Ocean Boulevard』と並びエリック・クラプトンの代表傑作とされるアルバムです。ビルボードアルバムチャートで2位を記録したこのアルバムでは、レゲエにインスパイアされて新境地を開拓したクラプトンが、さらにサザン・ロックなテイストを採り入れて、よりアーシーなレイドバックサウンドを聴かてくれます。まさに当時のギターフリークなら誰もが必ず一度は聴いたであろうアルバムです☆
[ 2012/07/13 00:17 ] Rakiの名盤紹介 | TB(0) | CM(2)

I Swear - All 4 One 【90年代バラード】

【90年代洋楽バラードの名曲】


I Swear


I selected "I Swear"
from 1st album "Lifetime"
of All 4 One released in 1994.




黒人と白人の4人組混合コーラスグループであるオール4ワン☆
彼らが1994年にリリースし、ビルボード・シングル・チャートで
何と11週連続1位を記録した大ヒットバラードナンバーが「I Swear」☆

この曲って、Wikiるとジョン・マイケル・モンゴメリー氏という
カントリーシンガーのカヴァーということですね。

彼のVer.は1993年12月にリリースされ、
ビルボード・シングル・チャートでは42位が最高位。

でもって翌年1994年の4月にデヴィッド・フォスターのプロデュースによって
オール4ワンのカヴァーがリリースされ記録的な大ヒットとなったようで・・・
ジョン・マイケル・モンゴメリー氏・・・ちょっとだけ同情???





I Swear - All-4-OneI Swear - オール4ワン
1stアルバム『All-4-One』 1994年

Masterpiece of the Western music of the 70s/70年代洋楽の名曲
If you want to cry/泣きたいとき
If you want to be healed/癒されたいとき
Drinking alcohol/お酒を飲みつつ
While driving/ドライブしながら
If you want to Fever/血が騒ぐ
Masterpiece of the Western music of the 80s/80年代洋楽の名曲
80's Ballard masterpieces/80年代バラードの名曲
80's Rock masterpieces/80年代ロックの名曲
80's Pops & AOR masterpieces/80年代ポップスの名曲
70's Dance masterpieces/70年代ダンス系の名曲
Masterpiece of the Western music of less than 70s/70年代未満洋楽の名曲
Less than the 70's classic Ballad/70年代未満バラードの名曲
Less than the 70's classic Rock/70代未満ロックの名曲
Less than the 70's classic Pops & AOR/70代未満ポップスの名曲
Masterpiece of the Western music of more than 90s/90年代以上洋楽の名曲
Ballade more than of the 90s/90年代以上バラードの名曲
Rock more than of the 90s/90年代以上ロックの名曲
Pops & AOR more than of the 90s/90年代以上ポップスの名曲
90's Dance masterpieces/90年代ダンス系の名曲
Masterpiece of the Japanese music/未来に残したい日本の名曲
Dedicated to sweethearts/恋する二人に捧ぐ
Spend the night with sadness/悲しみと共に過ごす夜
Nostalgic feelings/ノスタルジックな想い
In the room which shines with the morning sun/朝日が差し込む部屋で
While looking at the setting sun in a hotel/夕陽が見えるホテルで
Memories of youth/若かりし日々の思い出
If you want to fuss/タテノリしたい気分なとき
If you want to feel the Rock/かなりRockな気分
Masterpieces of Instrumental/インストルメンタルな名曲
 
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